STAR面接(行動面接)の手法とは?メリットや質問例をまとめて解説

更新日:2025/8/21

執筆者:back check magazine 編集部

採用手法

STAR面接(行動面接)は、採用ミスマッチ防止や採用後のイメージを具体化することに効果的な面接手法です。Google社やAmazon社もSTAR面接を導入しており、現在注目を集めています。

しかし、STAR面接は比較的新しい概念であるため、よく知らないまま導入をしてしまうと失敗する恐れもあります。STAR面接を適切に行って成果を出すためには、STAR面接に関する知識と正しい理解が必要です。

本記事では、STAR面接の定義やメリット、質問例などを解説します。

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目次

STAR面接の定義と質問例

STAR面接とは、候補者に対し、過去にとった具体的な行動について質問を行う面接手法です。どのような理由でどういった行動をとるか、行動に至るまでの思考パターンはどういったものかなどを把握できます。

STAR面接で実施される質問例を、目的や種類別にいくつか紹介します。

状況質問(Situation)

状況質問とは、過去に自身がおかれていた状況に関する質問です。候補者が職場でどのような立場にあり、どういった背景で行動を起こしたかを知る上で役立ちます。

ほとんどの場合、行動を起こすに至った明確な理由が存在します。⁠そのため、行動内容のみを聞いても、候補者について正確性の高い推測はできません。⁠行動や思考のパターンを導くには、まずは状況・背景についての質問が必要です。

状況質問に当てはまるものとして、以下のような例が挙げられます。

  • チーム(プロジェクト)に関わっていた人数はどのぐらいでしたか

  • あなたはどのような役割・ポジションにいましたか

  • 当時どのような課題を抱えていましたか

  • どのような時にプレッシャーや満足感がありましたか

同じ行動だとしても、背景が異なれば推測できる人物像も変わります。また、候補者に与えられていた役割などの情報も、働き方を具体的に想像する上で有効です。

候補者へ掘り下げた質問をする際、最初に状況質問をすれば、その後の質問がより有意義なものになります。

課題質問(Task)

課題質問とは、対応に追われたトラブルなどの課題に関する質問です。解決が求められた課題について掘り下げ、過去に直面した困難や課題解決力の高さなどを導き出します。

業務を進めるにあたって、どんなに注意しても課題が発生する恐れは否定できません。もちろんトラブル防止も大切ですが、それだけではなく、トラブルが発生したときの課題解決力の高さも重要です。

そのため、課題に直面してしまった際の行動・思考パターンもある程度推測できるような質問をすると、より候補者の能力を把握することができます。

課題質問に当てはまるものとして、以下のような例が挙げられます。

  • 今までの仕事で経験したトラブルの中で印象的なものは何ですか

  • トラブルが起きた原因を教えてください

  • 課題解決のためにどのような役割を求められましたか

  • 緊急性の高いトラブルでしたか

候補者の冷静さやトラブル発生時の行動などは、過去の経験について深い質問をしなければなかなか答えを導き出せません。より正確な人物像を推測するにあたって、課題質問は重要な意味を持ちます。

⁠行動質問(Action)

行動質問とは、実際にとった行動についての具体的な質問です。トラブル発生時など普段と違う状況下において、どのような行動を起こしたかを確認します。

トラブルへの対処に関する質問は面接では珍しくないですが、想像で答える質問では実際の行動を正確に把握することができません。過去にとった行動を掘り下げれば、よりリアルな行動特性を追求できます。

行動質問に当てはまるものとして、以下のような例が挙げられます。

  • (課題質問の内容を踏まえ)トラブル発生時、対処のために最初に起こした行動は何でしたか

  • なぜその行動を最優先にしたのですか

  • トラブル対処にあたって、特に大変だと感じたことは何したか

  • トラブル対処のためにとった行動を具体的に教えてください

あくまで過去の話であるため、同じような状況になった際でも候補者が同じ行動をとるとは限りません。しかし、行動・思考パターンをある程度推測する上で、行動質問は非常に役立ちます。状況質問・課題質問の内容をさらに具体的に掘り下げる質問です。

結果質問(Result)

結果質問とは、行動によってもたらされた結果に関する質問です。単純に「トラブルが解決した」「より良い環境につながった」などの事実だけではなく、その結果が候補者に与えた影響を掘り下げます。

トラブルなどの事象が起きた際、その後に活かせるかどうかが成長の鍵を握ります。何かヒントを得られた、考え方の変化や業務の改善につながったなど、自身の糧にできると効果的です。

結果質問に当てはまるものとして、以下のような例が挙げられます。

  • あなたが起こした行動はその後の業務にどのような影響を与えましたか

  • 振り返ったとき、反省したい点や改善できると思える点はありますか

  • (もし行動の結果が失敗だった場合)どうすれば上手くいくと思いますか

  • 自身の成長につながったと考えられる理由があれば教えてください

  • パーセンテージなど具体的な数値であらわすことができる成果を教えてください

成長のためには振り返りや反省が必要不可欠です。単に後悔したり、失敗をなかったことにしてしまうのでは、その後の成長につながりません。トラブルの受け止め方と改善の仕方は、候補者を見極める上で非常に重要なポイントです。

STAR面接が採用ミスマッチの防止につながる3つの理由

STAR面接は採用ミスマッチの防止に効果的です。その理由として以下の3つが挙げられます。

  • 価値観や思考パターンなど、候補者の内面性が分かる

  • 候補者が本音で話しやすくなる

  • 企業が求めるスキルが候補者にあるかを正確に確認できる

それぞれ具体的に解説します。

価値観や思考パターンなど、候補者の内面性が分かる

STAR面接の実施により、価値観や思考パターンなど、候補者の内面性を深く理解することができます。

STAR面接で実施する質問は、いずれも過去の具体的な行動について問いかける内容です。そのため、候補者は答える際に自身について振り返り、深く考える必要があります。したがって、本人の考えなど内面的な要素が強く出る回答が得られるのです。

多くの候補者は面接対策を実施しますが、用意された回答は受けの良さを重視しがちで、候補者の本質を表していない恐れがあります。

しかし、STAR面接で実施する行動に関する質問は実際に起きた事象が基になるため、事実に近い回答とそれに伴う候補者の思考パターンなどを得られます。面接の限られた時間の中でも、候補者の本質的な内面性を把握できます。

候補者が本音で話しやすくなる

STAR面接は、一般的な面接に比べて候補者が本音で話しやすくなるというメリットもあります。

前述したように、多くの候補者は面接対策をしています。したがって、面接では本当の自分の姿を見せずに、「面接のためにつくられた」人物像で回答する恐れがあります。(候補者が事前に回答を用意できる質問を「想定質問」といいます。)

もちろん、面接に向けて準備を行う候補者は企業に対しての志望度が高く、企業にとっても魅力的です。しかし、内定に向けた強い意思がある状態では、候補者の内面や本質を把握することは難しくなってしまいます。そのため、候補者の本音を引き出すには、やや踏み込んだ質問が必要です。

STAR面接で実施する質問は、過去に起こした行動についてなので、候補者は回答する上で自身の記憶および内面の深い掘り下げが求められます。結果として、候補者の本音につながりやすくなるのです。

また、本音での回答は緊張感を和らげ、リラックスさせる効果も期待できます。張り詰めすぎた空気ではなく、より話しやすい雰囲気づくりにもつながるでしょう。

企業が求めるスキルが候補者にあるかを正確に確認できる

STAR面接は、企業が求めるスキルがあるかを正確に確認することも可能です。

ここでいうスキルとは、資格や学問的な内容ではありません。具体的には「ロジカルシンキング」「冷静さ」「ストレス耐性」などの内面のスキルです。

例えば、「急なトラブル発生時にも、冷静さを保てる人材がほしい」と考えている企業を仮定します。「冷静さ」というスキルの有無は、書類や面接での軽い質問だけでは判断が難しいです。候補者本人も自覚しにくい部分であり、実際にトラブルが発生した場面でないと、どのような行動をとるかが分かりません。

過去の行動を基にしたSTAR面接を活用することで、実際に起こした行動を把握でき、トラブルへの対応能力も予測できます。そこから、候補者に任せたい業務や企業カルチャーとの相性も確認できるため、採用ミスマッチの防止に有効です。⁠

STAR面接をうまく使うためのフレームワーク

STAR面接では、業務に必要なスキルを持っているかを確認できます。今回は以下の3つのスキルの有無を確認するフレームワークの例を紹介します。

  • 主体性

  • ストレス耐性

  • チームワーク

STAR面接は、欲しい情報を候補者から引き出すための質問の組み合わせが非常に重要です。

例1.「主体性」を確認するフレームワーク

主体性は、業務に対する積極性を左右するポイントです。

  • 状況質問:候補者が持っていた個人的な目標について質問

    「プロジェクト全体のゴールがある中で、あなた個人が設定した目標は何でしたか」

  • 課題質問:目標達成のために必要だった課題について質問

    「課題の難易度は高いものでしたか」
    「なぜそれが課題でしたか」

  • 行動質問:課題解決のために自主的に起こした行動について質問

    「課題解決に向けてどのような行動を起こしましたか」
    「なぜ最初にこの行動を起こしたのですか」

  • 結果質問:行動の成果について質問

    「主体性の発揮について点数をつけるなら何点ですか」

    「良かったと思える行動は何でしたか」

主体的に起こした行動・思考について、深く掘り下げる必要があります。主体性を確認することによって、入社後に活躍してくれそうか、自社の課題を解決してくれそうかなどのイメージを具体化することが可能です。

例2.「ストレス耐性」を確認するフレームワーク

ストレス耐性も働く上で重要な要素であり、採用前にある程度把握できると有効です。

  • 状況質問:ストレスを感じた場面について質問

    「業務上どのようなことに負担を感じましたか」
    「今まで感じた心理的負担で特に印象的ことは何でしたか」

  • 課題質問:ストレスを感じた場面における課題について質問

    「あなたに求められた役割は何でしたか」

    「どのような課題が負担となっていましたか」

  • 行動質問:ストレスを抱えながらも起こした行動について質問

    「ストレスと上手く付き合うために何か工夫をしましたか」
    「課題解決のためどのような行動をとりましたか」

  • 結果質問:結果や反省点・改善点について質問

    「今後同じような状況にあったら改善したいポイントはありますか」
    「どのような成果がありましたか」

ストレスとどのように向き合い、業務を行っているのかを掘り下げます。ストレス耐性を確認することで、業務イメージのギャップを減らしたり、離職防止につなげることが可能です。

例3.「チームワーク」を確認するフレームワーク

候補者のチームワークについても確認しましょう。

  • 状況質問:チームワークが求められた、発揮できた場面について質問

    「チームワークが求められた場面はありましたか」
    「チームワークを強く発揮できたと思える経験は何でしたか」

  • 課題質問:チームワーク発揮のために求められた課題について質問

    「チーム内でどのような役割でしたか」
    「チームに何か問題はありましたか」

  • 行動質問:チームワーク発揮のために起こした行動について質問

    「チームワーク発揮のために起こした行動はありましたか」
    「良いチームワークにつながったと思える行動はありましたか」

  • 結果質問:チームワークの実現で得られた成果について質問

    「チームでどのような成果を得ましたか」
    「業務上の成果とは別に、あなた自身がチームでの行動から学んだことはありますか」

チームワークについて確認する場合、協調性など他者との関わりについての質問が中心になります。協調性を確認することで、入社後のカルチャーギャップや人間関係のトラブルを防ぐことができます。

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STAR面接を実施する際に気をつけること

STAR面接は候補者の内面を把握する上で有効ですが、以下のような注意点も存在します。

  • 質問に対する評価項目を明確に定める

  • 圧迫面接にならないよう、注意する

  • 他の選考方法も組み合わせる

STAR面接のやり方を誤ってしまうと成果が得られず、逆に非効率となる恐れもあるため注意しましょう。

質問に対する評価項目を明確に定める

STAR面接で成果を出すには、質問に対する評価項目を明確に定めることが必要です。STAR面接は掘り下げた質問が多くなりますが、判断基準が明確でないと面接官同士でのズレが起きてしまいます。

STAR面接の効率的な実施と成果実現のためには、以下のステップによる評価項目・基準の明確化が必要です。

  • 自社の採用基準を明確にする

  • どのような人材・スキルを求めるかを検討する

  • 求める人物像から評価項目や評価基準を設定する

  • 評価項目に適した質問を実施する

  • 5段階程度の評価、評価理由の明文化を行う

評価基準の明確化は、公正な採用において必要不可欠です。

圧迫面接にならないよう、注意する

STAR面接を実施する際は、圧迫面接にならないよう注意が求められます。

STAR面接は掘り下げた質問、候補者の内面に迫る質問を多く実施するため、圧迫感を感じる候補者もいます。圧迫面接の印象を持たれてしまうと、候補者が必要以上に緊張・警戒してしまう恐れがあります。

結果として内面性を把握するどころか、想定外に情報を引き出せなくなってしまいます。圧迫面接にならないよう、以下の点に注意が必要です。

  • 威圧的な態度をとらない

  • 候補者の回答を否定・侮辱しない

  • 質問方法を工夫する(「なぜその行動を?」など投げやりな質問方法ではなく、「その行動に至った背景はありますか?」といった具体的で丁寧な質問を心がける)

他の選考方法も組み合わせる

STAR面接は、あらかじめ用意したフレームワークや質問内容を使って面接を行います。そのため、ある一面の思考パターンやスキルの掘り下げはしやすいですが、候補者の新たな面を発見することが難しい選考方法です。

また、候補者の主観が中心となる以上、意図的でなくても内容が誇張されている恐れもあります。これらのデメリットを解消するには、他の選考方法との組み合わせが効果的です。

面接以外で候補者について情報を多く集められる方法として、リファレンスチェックが挙げられます。リファレンスチェックとは、候補者と過去一緒に働いたことのある関係者に、候補者の勤務状況や人物像などの質問を行う手法です。面接で得た情報との整合性も見れるため、採用判断の裏付けとしても役立ちます。

ただ、リファレンスチェックは候補者の承諾がなければ実施できません。実施する際には必ず候補者にリファレンスチェックの目的を伝えて許可を得るようにしましょう。

STAR面接を活用している企業

STAR面接は、大手外資系企業であるGoogle社やAmazon社でも実施されている面接手法です。

Google社はSTAR面接とともに構造化面接を実施しており、「行動についての質問」「仮説に基づく質問」を行っています。行動についての質問は、業務で実現した成果や成績について質問し、Google社が求めるスキルに一致しているかを検証しています。

Amazon社も「行動に基づく質問」を実施しています。過去に直面したトラブルや挑戦したことについて質問し、どのように解決に導いたかまで掘り下げるものです。Amazon社は、「高度な知識が必要な難しい質問は、候補者の人柄を知る上で当てにならない」と明言しています。

【お役立ち資料】Googleも実施している「構造化面接」についてまとめました

STAR面接とリファレンスチェックでミスマッチ防止効果を最大化

STAR面接は候補者が過去にとった行動について具体的に質問するため、思考パターンなどの内面に関する深い理解が期待できます。しかし、いくら効果的な面接手法とはいえ、面接の限られた時間やリソースでは必要な情報を十分に揃えることが難しいです。

STAR面接はリファレンスチェックと掛け合わせることで、より採用ミスマッチを防ぐことができます。back check株式会社が提供しているオンライン完結型リファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」は、手軽かつスピーディーなリファレンスチェックが可能です。

採用リソースが限られている場合や重要なポジションの採用時は、特に一つの採用ミスマッチが大きな損失につながってしまいます。STAR面接を導入する際は、リファレンスチェックと組み合わせて採用活動に取り組むことをおすすめします。

back check magazine 編集部

リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。

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