エンジニアのポテンシャル採用とは?メリット・デメリット、成功させる5つのポイントを徹底解説

更新日:2025/11/11

執筆者:back check magazine 編集部

採用手法

ITエンジニアの採用競争が激化する中、即戦力人材の確保は困難を極める状況です。経済産業省の調査によれば、2030年にはIT人材が約79万人不足すると試算されており、企業は新たな採用戦略を模索する必要に迫られています。

現在注目されている「ポテンシャル採用」は、現時点のスキルよりも将来性や学習意欲を重視する採用手法です。社会人経験のある第二新卒や異業種からの転職者を主な対象としているため、新卒採用に比べて育成コストを抑えつつ、幅広い人材プールからの採用が可能になります。

本記事では、エンジニアのポテンシャル採用について、定義や対象年齢、メリット・デメリット、導入手順、成功事例まで詳しく解説します。年齢制限の法的注意点や育成体制の整備方法など、実務で役立つ情報をまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

エンジニアのポテンシャル採用とは?基本を解説

近年、新たな採用プロセスとしてポテンシャル採用を導入する企業が増えています。こちらでポテンシャル採用に関する基礎知識を確認していきましょう。

ポテンシャル採用の定義

ポテンシャル採用とは、候補者の現時点のスキルや実績よりも「将来の成長性」や人柄・資質といった潜在能力(ポテンシャル)を重視する採用手法です。

応募時点で実務経験が乏しくても、学習意欲や価値観の一致、今後の伸びしろなどを総合的に見極めて採用判断を行います。

新卒採用も潜在能力重視という点では似ていますが、新卒は卒業予定の学生に限定されます。一方でポテンシャル採用は第二新卒や異業種からの転職者など対象は広く、社会人経験がある分ビジネスマナーなど基本素養が備わっている前提で行われる点が特徴です。

ポテンシャル採用の対象となる人材

ポテンシャル採用の一般的な対象年齢は20代~30代前半くらいまでです。

とくに第二新卒や20代後半までの若手転職者が主なターゲットとされています。30代以上は通常は即戦力扱いになりがちですが、企業によっては30代前半までポテンシャル枠とするケースもあります。

注意点として、日本の雇用慣習上、求人で年齢制限を設けることには法的制約があります。したがって企業は「第二新卒歓迎」等で若手を求めつつも、公募上は年齢を限定せず実態として若手中心に選考することが多いです。

中途採用や新卒採用との違い

ポテンシャル採用と中途採用、新卒採用にはそれぞれ異なる特徴があります。具体的な違いは以下の表の通りです。

■ポテンシャル採用と中途採用・新卒採用の比較

比較項目

ポテンシャル採用

中途採用

新卒採用

評価基準

将来の成長性・学習意欲

現時点のスキル・実績

潜在能力・人柄

対象者

第二新卒・若手転職者

経験豊富な即戦力人材

卒業予定の学生

社会人経験

1~3年程度あり

数年以上の実務経験

なし

育成期間

中期(数ヶ月~1年)

短期(即戦力化)

長期(1~3年)

このように、ポテンシャル採用は新卒採用と中途採用の中間的な位置付けといえます。

評価基準の違いとしては、ポテンシャル採用では「入社後に成長し活躍できる見込み」が重視されるのに対し、通常の中途採用では「現時点で求めるスキル・経験を既に備えているか」が基準です。前者は面接での人柄・適性や適性検査で将来性を判断しますが、後者は過去の職歴・実績で合否を決める傾向があります。

エンジニアのポテンシャル採用4つのメリット

ポテンシャル採用を導入することは企業にさまざまなメリットがもたらされます。ここでは、ポテンシャル採用の主なメリットについて詳しく解説します。

幅広い人材プールから採用できる

候補者の母集団が拡大するのが最大のメリットです。

経験や専門スキルを問わないため、未経験者や第二新卒なども採用対象となり、従来見逃していた優秀な人材を発掘できます。

経済産業省の調査では、2015年時点で約17万人だったIT人材不足が2030年には最大約79万人に拡大するとされており、未経験OKのポテンシャル採用によって採用の間口を広げることは他社との人材獲得競争を勝ち抜く有効策です。

また、バックグラウンドが多様な人材を迎えられることで新しい視点やアイデアを社内にもたらし、イノベーション創出につながる可能性もあります。

採用コストを抑えられる

一見すると未経験者の育成にはコストがかかるように思えますが、新卒採用と比べればコスト抑制につながるケースがあります。

ポテンシャル採用では社会人経験を積んだ人材を採用するため、ビジネスマナーや基本動作の教育が不要です。すでに社会人としての基礎ができている分、テクニカルスキルの習得に専念でき、新卒より早く戦力化しやすい利点があります。

また、豊富な経験者を中途採用しようとすると高い年収オファーが必要です。その一方で、ポテンシャル人材であれば給与水準を抑えて採用できる場合が多く、人件費を含めた採用コストの総額が低減できる可能性があります。

成長意欲のある人材を採用できる

ポテンシャル採用では、知識や経験より意欲や人間性を重視するため、結果として成長意欲の高い人材を迎えやすいメリットがあります。

未経験分野に飛び込もうとする人材は「1日でも早く追いつきたい」「新しいスキルを身につけたい」という危機感や向上心を持っているケースも多いです。株式会社学情の行った調査(※1)では第二新卒採用やポテンシャル採用の求人を「魅力的」と感じる20代求職者が約9割に達したとの結果があり、そのような企業は若い世代に好まれることを示しています。

ポテンシャル採用経由の入社が増えれば、社内には前向きで勉強熱心な社員が増え、組織に前向きな影響を与えることが期待できるでしょう。

参考(※1):株式会社学情|「第二新卒採用」「ポテンシャル採用」など、20代がターゲットであることを明確にした募集は「魅力を感じる」と回答した20代が約9割。「採用対象になるかがわかりやすい」の声(2024年8月7日)

企業ブランドの向上

未経験者を受け入れ育成する企業姿勢は、社員に優しい・懐の深い会社というイメージアップにつながります。

「第二新卒・ポテンシャル歓迎」と明示した求人は若手からの人気が高く、「人材を大切に育てる会社」というブランドイメージにも繋がります。

また、中途即戦力採用ばかりでは組織の年齢層が上がりがちですが、ポテンシャル採用で計画的に若手を入れることで将来のリーダー層を育成でき、先進的で若々しい企業像を生み出すことができるでしょう。

エンジニアのポテンシャル採用3つのデメリット

ポテンシャル採用には多くのメリットがある一方で、いくつかの課題や注意点も存在します。ここでは、ポテンシャル採用の主なデメリットについて詳しく解説します。

即戦力にならず育成に時間がかかる

ポテンシャル採用で獲得した人材は戦力化に時間がかかるリスクを孕んできます。

特に専門性の高い技術習得には数ヶ月~年単位の育成期間が必要であり、その間は即戦力採用と比べ生産性で劣る状態が続きます。したがって企業側には、長期視点で人材を育てる覚悟と計画が求められるのです。

研修制度やOJT体制の整備に加え、現場の先輩社員のマンパワー投入も欠かせません。育成体制の整備は、ポテンシャル採用に取り組む大前提といえるでしょう。

評価基準が曖昧になりやすい

「潜在力」の客観評価は難しいため、選考基準がぶれたり主観に頼りすぎたりするリスクがあります。

即戦力採用のように明確なスキル要件が無い分、「なんとなく良さそう」で合否を判断してしまうと、採用する人材の質にもばらつきが出てしまいかねません。面接官によって見るポイントが異なり、評価が属人化してしまう問題もあります。

対策としては、求めるポテンシャル要件を具体化し、社内で共有することが大切です。「将来どう成長しそうか」「どんな素質があれば活躍できそうか」などを事前に言語化し評価項目を定めましょう。複数面接官による構造化面接や適性テストの併用も有効です。

早期離職のリスクがある

ポテンシャル人材は組織に馴染めず早期に辞めてしまう可能性も考慮しなければなりません。

早期離職の理由として最も多いのが、未経験で飛び込んだがゆえに、入社前とのギャップに苦しみ辞めてしまうケースもあります。そのため企業は採用段階で、自社のカルチャーや仕事のリアルをできるだけ開示し、候補者のキャリアビジョンとの重なりを確認することが重要です。

また、意欲が高く成長志向の人ほど「もっと成長できる環境」を求めて動きがちです。そういった人材には入社後も、継続的なチャレンジ機会提供やメンターによるフォローで「この会社で成長できている」という実感を持たせることが離職防止の鍵となります。

エンジニアのポテンシャル採用を成功させる4つのポイント

ポテンシャル採用を効果的に運用するためには、以下の4つのポイントに注意することが重要です。それぞれのポイントについて詳しく解説します。

①求めるポテンシャルを明確に定義する

まずは自社が求めるポテンシャル人材とはどんな人物なのかを具体的に洗い出しましょう。これらを言語化し評価基準として共有することで、面接官ごとの判断基準のばらつきを防ぎます。

具体的には、以下のようなポテンシャルを定義すると効果的です。

■求めるポテンシャルの例

  • 性格

  • 論理的思考力

  • 思考の柔軟性

  • コミュニケーション能力

  • 過去の経験

  • 価値観

ポイントは、抽象的な表現で終わらせず可能な限り客観指標や具体例に落とし込むことです。明確な基準を設定・文書化しておけば、面接官が変わっても共通の物差しで候補者を評価でき、採用判断のブレが減ります。

また、「自社で活躍している人の共通点」を現場からヒアリングし、それをポテンシャル評価項目に反映させることもおすすめです。

②キャリアビジョンを共有しミスマッチを防ぐ

採用過程では応募者のキャリアビジョンをしっかりヒアリングし、企業側の描くキャリアパスとすり合わせることが重要です。

未経験職種へのチャレンジだからこそ、「入社後どんなキャリアを歩みたいか」を考えていない候補者はミスマッチの可能性が高まります。面接では「今後どんなスキルを身につけ、どんな役割を担いたいか」など、近未来と将来の目標について具体的に質問しましょう。

また、応募者のビジョンを聞いたら、自社が提供できるキャリアも率直に伝えましょう。「あなたの○年後の目標に対し、当社では△△のようなポジションがあります」「希望する成長に向けて当社で用意できる支援策はこれです」といった情報共有を行います。

ここで重要なのが、企業のありのままのスタンスやサポート体制を伝えることです。ここで実態と違う内容を伝えてしまうと、候補者の認識のズレや思い込みが起きるリスクが高まります。

お互い歩み寄りながら将来像を描ければ、入社後のギャップも小さくなり、長く活躍してもらえる可能性が高まるでしょう。

③充実した育成体制を整備する

ポテンシャル採用を成功させるには、入社後の育成サポート体制が鍵を握ります。

せっかく将来性に期待して採用しても、受け入れ体制が不十分ではそのポテンシャルを開花させられません。具体的には以下のような育成施策を充実させましょう。

■育成体制整備のポイント

項目

内容

体系立てた研修プログラム

・業務に必要な技術スキルを一から習得できる研修を用意します
・座学研修だけでなく、実務に近い演習型研修やペアプログラミングなども効果的です。

OJT担当・メンター制度

・配属後、先輩社員がマンツーマンで指導・相談に乗るメンターを付けます
・技術面だけでなく、社内制度やキャリア相談などもできる存在がいると新人は安心して成長できます

定期面談・フォローアップ

・入社直後は不安を抱えがちなので、週1回~月1回の1on1面談で進捗や悩みを聞き、ケアします
・早期に小さな成功体験を積ませ、自信をつけるフォローも大切です

学習支援制度

・資格取得支援や技術書購入補助
・社外セミナー参加推奨など
・自己研鑽を後押しする制度も整えます

このように安心してスキル習得に励める環境を用意すれば、ポテンシャル人材は早い段階で成果を出し自信を深めていくことができます。

初期段階での手厚いサポートが、将来のエースエンジニアを育てる土台となるのです。育成投資を惜しまない姿勢が、ポテンシャル採用の成否を分けるといえるでしょう。

④多様な採用チャネルを活用する

ポテンシャル人材を効率的に獲得するには、複数の採用チャネルを駆使することが重要です。若手・未経験層にリーチするため、以下のような手段を組み合わせましょう。

採用チャネル

メリット

デメリット

利用シーン

求人媒体
(転職サイト等)

・幅広い母集団形成が可能
・短期間で多数の応募を集められる

・掲載費用が高額
・応募者の質にばらつきがある

急ぎの採用や大量採用が必要な場合

自社サイト・SNS発信

・コストを抑えられる
・企業文化や雰囲気を詳しく伝えられる

・効果が出るまで時間がかかる
・継続的な更新が必要
・運用ノウハウが必要

中長期的に採用ブランディングを強化したい場合

リファラル採用(社員紹介)

・採用コストが低い
・ミスマッチが少なく定着率が高い

・紹介数をコントロールできない
・急ぎの採用には不向き
・候補者プールが限定される

定着率を重視し、中長期的に人材を確保したい場合

コミュニティ・イベント参加

・意欲の高い候補者に直接会える
・企業の魅力を直接アピールできる
・転職潜在層にアプローチ可能

・参加の手間とコストがかかる
・即座に採用につながりにくい
・定期的な参加が必要

即戦力人材や、転職潜在層にアプローチしたい場合

特に若い世代はWeb上で企業情報を収集する傾向にあるため、Web上での採用広報に力を入れましょう。

自社ブログでポテンシャル採用の成功社員インタビューを掲載したり、YouTubeで社内研修の様子を動画公開したりすれば、「ここなら成長できそう」と感じて応募してくれる可能性が高まります。

エンジニアのポテンシャル採用で重視すべき6つの評価ポイント

ポテンシャル採用の選考では、以下のソフトスキル・資質を重視すると良いでしょう。それぞれ「なぜ重要か」「どう見極めるか」を解説します。

①論理的思考力

論理的思考力は物事を筋道立てて考え、矛盾なく結論を導く力で、エンジニアとして課題解決する上で基盤となる能力です。

未経験者であっても論理力が高ければ、新しい技術習得やトラブル対応もスムーズに行えます。技術力は後からでも鍛えられますが、考え方の筋の良さは伸びしろに直結するため、潜在能力評価の主要ポイントになります。

候補者の論理的思考力は、質問に対する回答の仕方や問題へのアプローチから判断しましょう。

例えば「これまで直面した困難と、その解決方法を教えてください」と質問し、話を聞く中で「原因と結果を整理していたか」「複雑な状況を分かりやすく説明できるか」を確認します。またケーススタディ質問(「〇〇というシステム障害が発生したらどう対応しますか?」など)を出し、考えるプロセスを観察します。

論理思考が高い人は情報を整理し因果関係を明確にした上で、自身の仮説と結論を順序立てて述べることができます。逆に問いに対しとりとめなく話したり、結論が飛躍していたりする場合は注意です。

②問題解決力

エンジニアには次々と発生する技術的課題や不具合に対処していく問題解決力が不可欠です。

即戦力でなくとも、冷静に原因を探り解決策を講じる素養がある人なら、実務経験が浅くても乗り越えることができるでしょう。適応力の高さを測る指標にもなり、トラブル時に落ち着いて対処できる人かどうかは企業が高く評価すべきポイントです。

問題解決力の有無については、過去の経験エピソードからその人の問題解決志向を読み取ります。

「一番苦労した出来事と、どう解決したか」を尋ね、自分で工夫して乗り越えた経験があるか確認します。確認すべきポイントは「他人任せにせず主体的に対応したか」「論理立てて解決プロセスを考えたか」です。

例えば「チームで意見対立があった際、双方の主張を整理して共通点を見出し解決しました」のようなエピソードには、問題解決に必要な冷静さと分析力、調整力が表れます。

③素直さ

ここで言う素直さとは周囲の意見や指摘を謙虚に受け止められる柔軟性のことです。

エンジニア未経験で入社した場合、先輩や上司から多くを学ぶ必要があり、素直に耳を傾け吸収できる人かどうかで成長スピードは大きく変わります。分からないことを分からないと言える、自分にとって不都合な指摘でも受け入れ改善できるような人材は伸びしろが大きいです。

素直さについては面接での受け答えの姿勢や態度から判断します。

過去に注意を受けた経験を尋ねるのも有効で、「前職で上司から指摘された弱点は?それをどう改善しましたか?」と聞き、謙虚に自己改善に努めたエピソードが出れば素直さの証拠といえます。

一方で、素直すぎる候補者は指示待ちの傾向がある、自分の頭で考える力が弱いなどのデメリットも考えられます。他の評価ポイントとのバランスを考慮して採用を判断しましょう。

④コミュニケーション能力

チーム開発が基本のエンジニア職では、円滑なコミュニケーションスキルが不可欠です。

未経験入社であれば、分からないことを周囲に質問したり、進捗や課題を報告・相談する機会が多くなります。意思疎通が下手だと学習や協働に支障が出るため、面接中の会話のキャッチボール自体が評価材料となります。

コミュニケーション能力は面接はもちろん、選考時のメール連絡でも見極めが可能です。

質問に対し的確な内容・ボリュームで答えているか、要点を整理し簡潔に話せているか、相手の話を最後まで聞いてから返答しているか、専門用語ばかりでなく相手視点で分かりやすく説明しようとしているかを観察します。

結論から簡潔に述べ、その後補足説明をするような応答ができる人はコミュニケーション力が高いと判断できます。

⑤自走力

自走力とは指示待ちにならず自ら課題を見つけ主体的に動ける力です。

ポテンシャル採用では自律的に学び、行動する力が重要視されます。未経験からキャッチアップするには、与えられたことだけでは足りず自分で補習していく姿勢が必要だからです。

自走力は候補者の過去の行動履歴や姿勢から判断します。

「独学で学んだ技術はありますか?どう習得しましたか?」と質問し、仕事外でも自主的にスキル習得に励んでいるか確認します。資格取得のために毎日勉強した、1人で初の海外旅行に行った、個人でアプリ開発に挑戦したなどのエピソードがあれば自走力の表れです。

現在取り組んでいる自己研鑽について聞くのも有効で、その人が主体性を持っているかを推し量ることができます。

⑥カルチャーフィット

社風や価値観への適合性(カルチャーフィット)は、長期活躍の可能性を左右する重要な要素です。

どんなに本人のポテンシャルが高くても、会社の理念や働き方と根本的に合わなければ早期離職につながりかねません。

カルチャーフィットの判断は、候補者の価値観や行動特性を多角的に質問して探ります。

「仕事をする上で大切にしている考えは?」「どういう職場環境だと力を発揮できますか?」といった質問で、応募者の志向性が自社の社風と合致するかを判断します。幼少期の性格や価値観形成エピソードを聞く手法も有効です。

自社の活躍社員に共通する特性をこの人が持っているかを観察し、複数人面接で現場社員にも評価してもらうと精度が上がります。

エンジニアのポテンシャル採用を導入している企業事例3選

実際にポテンシャル採用を導入し、採用活動に活かしている企業の事例を3つご紹介します。各社がどのような目的で、どのような工夫を凝らしてポテンシャル採用を実施しているのかを見ていきましょう。

事例①株式会社サイバーエージェント

ウェブ・IT業界大手のサイバーエージェントは、急成長する事業に対応するため若手エンジニアの育成に注力しています。

同社は第二新卒向け採用枠「Re:Career採用」を設け、社会人経験4年目までの若手を新卒扱いで受け入れています。選考では過去の社内活躍エンジニア600人を分析し、「技術への知的好奇心」「何かをやり遂げた経験」「チームワークを大切にする姿勢」「オーナーシップ」の4つを採用基準に設定しました。

足元の技術力よりも行動特性を重視し、5回の面接でじっくり見極める選考プロセスも特徴的です。育成面では、新卒1年目から重要プロジェクトのリーダーに抜擢するなど大きな裁量権を与えており、入社1年で8割弱が一人前のエンジニアになるまで成長しています。

この取り組みにより若手の離職率が劇的に改善し、毎年60~100名規模の安定採用を実現しました。

参考:株式会社サイバーエージェント「エンジニアコースRe:Career採用

事例②株式会社トヨタシステムズ

トヨタグループのIT中核企業であるトヨタシステムズは、急速な組織拡大により若手層のエンゲージメント低下が課題となっていました。

課題解決に向け、実名制のサーベイツール「インサイズ」を導入し、一人ひとりのコンディションや人間関係満足度を可視化することで、フォローが必要な社員を早期発見できる体制を整えています。特に新卒・若手社員にフォーカスし、リモート下でも孤立させないよう上司や先輩との密なコミュニケーション施策や、人事部門を交えたサポート体制を構築。

ツール導入から約1年で、それまで毎年一定数出ていた新入社員の離職者が2024年度は1人も離職しなかったという成果を達成しました。若手の人間関係課題を早期にケアし職場定着を促進できたことが、離職ゼロという結果につながっています。

参考:株式会社トヨタシステムズ「トヨタシステムズ(TS)|採用サイト

事例③株式会社ゆめみ

デジタルソリューションを手がけるゆめみは、知名度や人材獲得競争力で大手に見劣りしない工夫が必要でした。

同社は求める人材像として「自律・自責・自学」を当たり前に実践できる人と明言し、採用面接ではこの3要素のネガティブチェックを必ず行い、カルチャーフィットする人だけ採用する方針を貫いています。選考では「ゲームプレイ選考」など変わった手法を取り入れ、面接官と候補者が一緒にオンラインゲームをプレイしながらコミュニケーションや協調性を見る試みも行っています。

また「勉強し放題制度」として、業務時間の最大20%を学習に使えるようにし、書籍購入費やセミナー費を全額会社負担とするなど、エンジニアから選ばれるユニークな制度も注目ポイントです。

結果として、求める人物像を明確化したことでミスマッチ入社が減少し、自走力の高い集団ができました。

参考:株式会社ゆめみ「ゆめみの未経験エンジニアが半年で急成長できた理由とは? 飛躍のカギはアホになること!?」(2019年12月25日)

ポテンシャル採用の見極め精度を高めるならback check

エンジニアのポテンシャル採用は、将来性や学習意欲を重視することで幅広い人材プールから採用できる一方で、現時点のスキルや実績が少ない分、候補者の適性や人柄を正確に見極めることが課題となります。

面接や書類選考だけでは把握しきれない候補者の本質的な能力や働きぶりを確認するためには、客観的な第三者からの評価を得られるリファレンスチェックの活用がおすすめです。

back check株式会社では、オンライン完結型のリファレンスチェック・コンプライアンスチェックサービス「back check(バックチェック)」を提供しています。

back checkでは、候補者と過去一緒に働いたことがある元上司や同僚から評価を得ることで、入社後に顕在化する働きぶりやカルチャーマッチといった言語化しにくい情報を確認するリファレンスチェックを実施できます。ポテンシャル採用では見極めが難しい「素直さ」「コミュニケーション能力」「自走力」といった要素が重視されますが、back checkを活用すればこれらの要素を客観的に把握することが可能になります。

また、公的公開情報・Web情報・個別調査によって候補者の申告内容に虚偽がないか、コンプライアンスリスクがないかなどを確認するコンプライアンスチェックも同時に実施できます。これにより、ポテンシャル採用の公平性というメリットを活かしつつ、入社後のミスマッチリスクを大幅に軽減できるでしょう。

ポテンシャル採用で将来性のある人材を確保しながらも、見極め精度を高めて早期離職や職場環境との不適合を防ぎたいという企業のご担当者様は、ぜひback checkの導入をご検討ください。

back check magazine 編集部

リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。

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