目次採用選考において経歴詐称を見抜く方法はないかと調べている企業や採用担当者の方も、少なくないのではないでしょうか。提出書類を確認すれば、候補者の申告内容との矛盾が見つかる場合があります。チェックするポイントをみていきましょう。経歴詐称は書類から見抜ける採用された候補者が入社する際に会社へ提出する書類から、経歴詐称が見抜けるケースがあります。雇用保険被保険者証年金手帳源泉徴収票それぞれの書類から経歴詐称が見抜ける理由について、簡単に紹介します。雇用保険被保険者証雇用保険被保険者証とは、雇用保険に加入しているという証明書です。雇用保険への加入は候補者本人ではなく会社が行うため、雇用保険被保険者証はハローワークから会社に発行され、会社から従業員へと渡されます。この時渡される書類は、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」と、「雇用保険被保険者証」が切り取り線で連結している状態のものです。この「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」には、加入手続きを行った会社名(前職)の記載があるため、候補者は前職名の経歴詐称ができません。年金手帳年金手帳からも経歴詐称が見抜ける可能性があります。年金手帳から分かることは以下の情報です。基礎年金番号年金の加入日本人の名前・性別・生年月日年金手帳からは上記の内容しか分からないため、経歴詐称が発覚することはないと考えがちです。ただ、年金の記録ページに何か記載がある場合、履歴書の内容と合っていない部分があると、詳細な確認を入れる必要があります。源泉徴収票12月末日よりも前に転職をする場合は、年末調整のため転職先に源泉徴収票を提出します。源泉徴収票には前職の会社名が入っているため、候補者は経歴詐称ができません。※候補者が前職を12月末日に退職する場合に限り、源泉徴収票の提出はありません。雇用保険被保険者証から経歴詐称を見抜く方法経歴詐称は、雇用保険被保険者証の内容から見抜ける可能性があります。雇用保険被保険者証で分かることは?雇用保険被保険者証で分かることは、以下の通りです。被保険者の本名や生年月日雇用保険被保険者番号雇用保険被保険者番号は、候補者がどれだけ転職しても同じ番号が割り当てられるため、変わることはありません。雇用保険番号から職歴が分かりそうですが、個人情報保護の観点で雇用保険被保険者番号からの職歴開示はできません。では、どのような項目から経歴詐称が見抜ける可能性があるのでしょうか。資格取得年月日の記載雇用保険被保険者証として候補者が前職から受け取った書類は、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」と「雇用保険被保険者証」が連結しています。雇用保険被保険者証を提出させる本来の目的は手続き上「雇用保険被保険者番号」を知るためなので、「雇用保険被保険者証」の部分のみの提出で何ら問題はありません。しかし、一般に、候補者がわざわざ切り取らなければ「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」の部分も一緒にしたまま提出されるケースが多いでしょう。その場合には、「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」の部分に、「前職の会社名」や「資格取得年月日」の記載があります。「資格取得年月日」は一般的に入社日となることがほとんどです。そのため、「聞いていた前職の社名と異なる」と経歴詐称に気付けたり、「前職の在籍期間は5年と聞いていたが、資格取得年月日は1年前の日付になっている」など履歴書や面接などの内容と照らし合わせ在籍期間の詐称を見抜くことができます。よって、雇用保険被保険者証で経歴詐称が見抜ける理由は「前職の会社名と前職での資格取得年月日の記載」といえます。雇用保険被保険者証で前々職の情報は見抜ける?候補者の方は、「雇用保険被保険者証で前々職の情報がバレるのではないか」と考えるかもしれません。しかし、実際は雇用保険被保険者証で分かるのは前職の会社名などであり、前々職の情報は分かりません。またハローワークへ問い合わせても、雇用保険被保険者番号からの職歴開示はできません。したがって、雇用保険被保険者証からは前々職についての経歴詐称は見抜くことができないといえます。雇用保険被保険者証が切り取られている場合は怪しい候補者が雇用保険被保険者証部分だけを切り取って会社に提出した場合、経歴詐称の可能性があります。雇用保険被保険者証は左右に分けられるように、切り取り線が設けられています。左側半分には「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」部分として氏名と雇用保険被保険者番号、前職の会社名や資格取得年月日などが書かれています。「雇用保険被保険者証」部分の右側半分には氏名と雇用保険被保険者番号以外の記載はありません。故意に切り取って右側だけを提出されてしまうと、前職の情報が得られないのです。雇用保険被保険者証の提出を求めた際、本来は「雇用保険被保険者証」の部分のみの提出で構いませんが、一般的には切り取って会社に提出する人は多くありません。わざわざ切り取って提出された場合は、経歴詐称の可能性も考えられなくはありません。経歴詐称を未然に防ぐ3つの方法雇用保険被保険者証だけで全ての経歴詐称を見抜くことは極めて難しいといえます。経歴詐称を見抜くには、採用する側からの積極的なアプローチが必要です。コンプライアンスチェックを実施するもっとも確実な方法といえるのが、コンプライアンスチェックです。コンプライアンスチェックとは、公的公開情報・WEB情報・個別調査によって、候補者申告に虚偽の情報がないか、コンプライアンスリスクがないか等を確認する手法です。経歴詐称だけではなく、犯罪歴がないか、反社会的勢力に関与していないか、SNSで問題発言をしていないかといった内容も調査できます。関連記事:コンプライアンスチェックとは?コンプライアンスチェックの必要性を解説【お役立ち資料】サンプルレポート付き!コンプライアンスチェックでわかる採用リスク情報が確認できる書類を提出してもらう選考時に提出してもらう書類は「履歴書」と「職務経歴書」が基本だと思います。この2つの書類は本人が思うように書けるため、完全に信用できるものではありません。以下のような書類も併せて提出してもらうことで、経歴詐称を未然に防げるでしょう。卒業証明書退職証明書資格証明書雇用保険被保険者証や年金手帳では、前職の情報を確認できないこともあります。経歴を証明する書類も提出書類に含めましょう。面接で詳しく質問する面接で詳しく質問することで、怪しい点や振る舞いがないか確認してみましょう。怪しい点がある候補者に対し、経歴について具体的に質問したときにチグハグな答えが返ってきたら経歴詐称の可能性があります。例えば、前職のエピソードに突っ込んだ質問をしてみたり、仕事内容の具体例を聞いてみたりするのも良いでしょう。履歴書に書いてある経歴の空白期間について質問してみるのも良いです。もっと詳しく:「20人に1人はいる、経歴詐称をしている人材の見抜き方」まとめ雇用保険被保険者証だけで経歴詐称を見抜くことは簡単ではありません。経歴詐称を見抜くには、上記に挙げた対策のほかに、候補者と一緒に働いたことのある第三者から、候補者の情報を得るリファレンスチェックも有効です。オンライン完結型コンプライアンスチェック/リファレンスチェックツールのback check(バックチェック)なら、コンプライアンスチェックもリファレンスチェックも同時に行うことができます。経歴詐称をするような人を採用しないためにも、ぜひback check(バックチェック)の導入をご検討ください。