幹部候補の見極め方とは?求められる7つの資質と面接・選抜での評価ポイントを徹底解説

更新日:2026/4/28

執筆者:back check magazine 編集部

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この記事のまとめ(要約)

幹部候補は、リーダーシップや意思決定力など7つの資質で見極めることが重要です。面接や評価では再現性や組織適応力を重視し、不適切な人材の特徴も踏まえて多面的に判断する必要があります。

企業の持続的な成長を実現するためには、将来の経営を担う幹部候補を早期に見極め、計画的に育成することが欠かせません。

しかし、「どのような人材を幹部候補とすべきか」「面接や日常業務でどう見極めればよいか」という具体的な判断基準に悩む人事担当者も多いのではないでしょうか。幹部候補のミスマッチは、企業経営に大きな影響を与えるため、慎重な見極めが求められます。

本記事では、幹部候補に求められる資質や、社内選抜・中途採用それぞれの見極め方法、面接での具体的な質問例まで詳しく解説します。採用すべきでない人材の特徴や、見極めの精度を高めるための方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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目次

幹部候補とは?管理職との違いと見極めが重要な理由

企業の将来を左右する幹部候補の選抜は、人事担当者にとって最も重要な業務の一つです。

幹部候補を的確に見極めるために、まず幹部候補の定義や管理職との違いを正しく理解しましょう。

幹部候補は将来の経営を担う人材

「幹部候補」とは、将来的に経営者や役員など企業のトップマネジメント層となり、会社の将来を担うことが期待されている人材を指します。

企業によって呼び方はさまざまで「幹部候補生」や「次世代リーダー」と呼ばれることもあります。

幹部候補には経営戦略の立案・実行や組織運営の改善など高度な知識とスキルが求められ、企業の存続と成長を左右する重要な存在です。

単に業務遂行能力が高いだけでなく、会社全体を俯瞰し経営視点で物事を考える力が必要となります。

優秀な幹部候補を育成できれば、将来会社の舵取りを任せられる経営人材を確保でき、企業の継続的な発展に大きく貢献することが可能です。

幹部と管理職(マネージャー)の違い

「管理職(マネージャー)」と「幹部」はしばしば混同されますが、その役割や視点には明確な違いがあります。

両者の違いを理解しておくことで、幹部候補に求められる資質をより明確に把握できるでしょう。

■管理職と幹部の違い

比較項目

管理職

幹部

責任範囲

自部門・チームの業務管理

事業全体・会社全体の経営

視点

部門目標の達成

全社的な戦略策定・意思決定

主な役割

メンバーのマネジメント

経営理念の浸透・組織間の調整

求められる能力

チーム運営力・業務遂行力

経営視点・戦略思考力

このように、一般的な管理職は自部門やチームの業務管理・運営に責任を持ち、与えられた業務目標の達成やメンバーのマネジメントが主な役割です。

一方で幹部は事業全体を見渡し、経営視点で会社全体の戦略策定や意思決定を行うポジションとなります。

幹部には部署の枠を超えた複数の視点や全社的な視野が求められ、経営理念の浸透や組織横断的な調整も担います。

そのため、優秀な管理職だからといって必ずしも幹部になれるとは限らず、幹部候補にはより広範な視野と経営者視点での資質が必要となるのです。

幹部候補は早期からの計画的育成が必要

将来の経営を担う幹部人材を確保するには、早い段階から有望な人材を選抜し計画的に育成することが重要です。

経営幹部は一朝一夕には育たず、知識やスキルだけでなく企業理念への共感や当事者意識といった「思い」や「帰属意識」の醸成に時間がかかります。

近年では少子高齢化による人材不足も背景に、将来の後継者不在に悩む企業が増えている状況です。10年先・20年先を見据え、優秀な若手を早期に確保・育成する必要性が高まっています。

幹部候補に求められる7つの資質とスキル

幹部候補を見極める上で、どのような資質やスキルが必要なのかを明確に把握しておくことが重要です。評価基準が曖昧なままでは、適切な人材を選抜することができません。

ここでは、幹部候補に求められる7つの主要な資質について詳しく解説します。

まず、7つの資質の概要を以下の表で確認しましょう。

■幹部候補に求められる7つの資質一覧

資質

概要

①リーダーシップ

目標達成に向けて人と組織を動かす力

②戦略的思考力

社内外を俯瞰し、長期的な視点で物事を考える力

③課題発見・解決能力

潜在的な課題を発見し、解決策を立案・実行する力

④コミュニケーション能力

多様な関係者と信頼関係を構築する力

⑤アントレプレナーシップ

組織に変革を起こす起業家精神

⑥経営理念・ビジョンへの共感

企業の理念やビジョンを理解し、体現する姿勢

⑦粘り強さとストレス耐性

困難な状況でも諦めずやり抜く精神的なタフさ

①リーダーシップ

幹部候補にまず求められるのは強いリーダーシップです。自ら先頭に立って周囲を牽引し、ビジョンを示して人と組織を動かす力は幹部候補に必須のスキルといえます。

■リーダーシップの要素

  • チームの能力を最大限引き出す統率力

  • 周囲から信頼を得て人を巻き込む力

  • メンバーとの信頼関係を築く姿勢

これらの要素は一朝一夕では身につかないため、研修で基礎を学んだ上で現場での実践を通じて磨いていくことが大切です。幹部候補の見極めにおいては、過去にリーダーシップを発揮した具体的な経験があるかどうかを確認することが有効となります。

②戦略的思考力

戦略的思考力も幹部候補に欠かせない資質です。企業全体を俯瞰する広い視野を持ち、内外の環境変化を捉えて長期的な視点で物事を考える力が求められます。

幹部はひとつの部署にとらわれず会社全体のミッション達成を考える必要があるため、複数の選択肢や視点から最善策を導く柔軟な思考が重要です。

■戦略的思考力の要素

  • 中長期の目標設定と達成までの道筋を描く力

  • 業界や競合の動きを読む洞察力

  • 複数の視点から最善策を導く柔軟な思考力

こうした思考力を支える基礎として、経営全般にまたがる知識や経験も必要とされます。そのため幹部候補には幅広いビジネススキルの習得も求められるのです。

③課題発見・解決能力

現状を分析して潜在的な課題を発見し、適切な解決策を立案・実行できる能力も幹部候補に求められる重要な資質です。

幹部候補は自部署だけでなく自社全体の課題を自ら見つけ出す視点と、それを解決に導く行動力が必要となります。

■課題発見・解決能力の要素

  • 現状を客観的に分析し問題点を特定する力

  • 根本原因を追究する論理的思考力

  • 関係者を巻き込んで実行に移す推進力

たとえば事業上のトラブルが発生した際、関連情報を素早く収集・判断し、自ら率先して社員を巻き込みながら問題解決に当たる力が求められます。

この課題発見・解決能力を持つ人材は複雑化する経営課題にも柔軟に対処できるため、企業から高い信頼を得られる存在となるでしょう。

④コミュニケーション能力

組織内外のさまざまな関係者と円滑に意思疎通し、信頼関係を構築できる高いコミュニケーション能力も幹部候補に不可欠です。

幹部ともなれば、社内では経営陣や他部署の幹部、部下との調整、社外では取引先や顧客、ステークホルダーとの交渉など、多様な立場の方々と関わる機会があります。

■コミュニケーション能力の要素

  • 自分の考えを的確に伝える表現力

  • 異なる意見を調整し合意を形成する対人スキル

  • 多様な価値観を持つ方々との異文化理解力

高いコミュニケーション能力は組織力強化の要でもあり、幹部候補の段階から積極的に培う必要があります。

⑤アントレプレナーシップ

近年特に重視されているのがアントレプレナーシップ(起業家精神)です。

アントレプレナーシップとは、現状に安住せず新しい価値を創造しようとする姿勢や、高い主体性・行動力を持って組織に変革を起こす力を指します。

■アントレプレナーシップの要素

  • 自ら進んでリスクを取る積極性

  • ゼロから物事を企画・推進する創造力

  • 既存のビジネスモデルを見直す革新性

経営幹部には既存のビジネスモデルを見直し新たな方向性を打ち出す革新性や柔軟性も求められるため、こうした起業家的なマインドを持つ人材は組織の成長を牽引できる存在となるでしょう。

アントレプレナーシップの高い幹部候補は、停滞しがちな局面でも自ら道を切り拓き組織を前進させる原動力となります。

⑥経営理念・ビジョンへの共感

企業の根幹を成す理念やビジョンに深く共感し、自ら体現できることも幹部候補の重要な資質です。

社長の右腕となる幹部にはトップと同じ視点に立って経営理念を浸透させる役割もあるため、自社の使命やビジョンを心から支持し周囲に伝播できる人材であることが望ましいでしょう。

■経営理念への共感の要素

  • 自社のビジョンに共感している点を具体的に語れる力

  • 理念を自分の言葉で説明し周囲に伝えられる発信力

  • 実現したい社会的価値が自社の理念と合致している一貫性

経営理念への共感度が高い幹部候補は強い当事者意識を持って仕事に臨むため、長期的な企業貢献や組織へのコミットメントも期待できます。

⑦粘り強さとストレス耐性

最後に、困難な状況でも粘り強くやり抜く力や高いストレス耐性も幹部候補に求められる重要な素質です。

経営幹部のポジションは常に大きなプレッシャーや対立・競争にさらされ、日々ストレス要因が多いものです。

■粘り強さとストレス耐性の要素

  • 失敗や逆風にもくじけず方針を貫く精神力

  • 目標達成のために手段を尽くしやり抜く忍耐力

  • プレッシャー下でも冷静に判断できる安定性

たとえば困難な目標に直面しても決して諦めず、最後までやり抜く粘り強さは、チームに目標達成の文化を根付かせ成果を出し続ける原動力になります。

一方でネガティブ思考に陥りやすい方が幹部になると組織の士気低下を招くおそれがあるため、幹部候補の段階からこうした素質を備えていることが望ましいのです。

関連記事:ストレス耐性チェックの方法や、ストレス耐性が高い人・低い人の違い、社員のストレス緩和のコツを紹介

【社内選抜】幹部候補を見極める4つの方法

社内から将来の幹部候補を発掘し育成することは、多くの企業が取り組む重要な施策です。外部から採用するよりも企業文化への理解が深く、育成コストを抑えられるメリットがあります。

関連記事:タレントマネジメントとは?意味・目的から導入ステップ、成功事例まで解説

ここでは有望な幹部候補を社内から見極めるための代表的な4つの方法を紹介します。

経営陣・部門長による推薦

有望な幹部候補を社内から見極める代表的な方法の一つが、現経営陣や各部門の責任者による推薦です。

日頃直接部下を指導している上司や会社の経営層が、平常時の社員の言動や業績を観察した上で「将来幹部として適任」と判断した社員を推薦する仕組みとなります。

この方法は多くの企業で採用されており、現場をよく知る上長の目線を活用できるメリットがあります。推薦を募る際は評価に偏りが出ないように、会社として求める幹部像や選抜基準を事前に明確にして、上長と認識合わせを行うことが重要です。

ただし、推薦制度はどんなに注意していても、上長の評価スキルのばらつきや主観に左右されるリスクもあります。そのため、他の方法と組み合わせて候補者を絞り込むのが望ましいでしょう。

人事評価の活用

複数年にわたる人事評価のデータを活用して幹部候補を選抜する方法も有効です。

等級制度やコンピテンシー評価など整備された評価制度がある企業で導入されるケースが多く、継続的に高い評価を得ている人材を候補者プールに入れる手法となります。

定量的な実績や目標達成度、評価面談での素質面フィードバックなど客観情報を参考にできるのがメリットです。

ただし評価項目が職務遂行能力に偏っている場合、将来の経営ポテンシャルを十分にはかれない可能性もあります。

そのため、評価データを見る際には業績・実務能力に加えてチャレンジ精神やリーダーシップといった将来性の要素も考慮に入れる視点が必要です。

360度評価の活用

近年増えているのが、多面評価(360度評価)を取り入れる方法です。

360度評価では上司からの評価だけでなく、同僚や部下、時には関係する他部署からのフィードバックも加味して人材を多角的に判断します。

上長や経営陣の視点では見えにくい候補者の素顔や対人面での評判を把握できるのが利点です。たとえば、周囲から信頼されているか、部下から慕われているか、協働する同僚から見てリーダーシップを発揮しているかなど、さまざまな角度から候補者を評価できます。

最近ではこの多面評価を昇進・選抜に活用する企業も増えており、幹部候補選びでも1対1の評価を補完する客観的指標として有効となっています。

リーダーシップ研修での観察

選抜した候補者を対象にリーダーシップ研修やアセスメント・プログラムを実施し、その中での言動を観察する方法も有効です。

いわゆる「選抜研修」を通じて候補者の能力や適性を見極めるアプローチで、グループ討議やケーススタディなど実践的な課題に取り組ませることで、リーダーシップの発揮具合や課題解決力を評価できます。

リーダーシップ研修では、以下のようなポイントを観察することが重要です。

■リーダーシップ研修で観察するポイント

  • グループ討議での発言内容と発言頻度

  • 他者との協働姿勢や調整力 

  • 課題に対する論理的なアプローチ 

  • プレッシャー下での判断力と行動力 

  • 他のメンバーへの配慮や傾聴姿勢

演習内での発言や他者との協働姿勢から、机上の評価では分からない資質が見えてくることもあります。

また、外部の適性診断テストやアセスメント・センターを活用し、幹部候補に必要な素質を定量的に測定する手法も有効です。

【採用】幹部候補を見極める5つのポイント

外部から幹部候補を採用する場合には、適切な評価観点を持つことが重要です。どれほど優秀な人材でも、評価の視点が偏っていれば適切な判断はできません。

ここでは幹部候補を見極めるための5つの重要なポイントを解説します。

①過去の実績を確認する

幹部候補かどうかを見極める上で欠かせないのが、その人がこれまでに上げた業績や成果です。

具体的な数値目標の達成状況や、社内での表彰歴・昇進スピードなど、客観的な実績は能力の一端を示すものとなります。

ただし、注意すべきは「実績が優れている=幹部にふさわしい」と短絡的に判断しないことです。

たとえば「営業成績が突出して高く会社の売上の半分を稼いでいる」ような人材であっても、企業の価値観への共感が薄かったりネガティブな言動が目立つようでは、幹部に登用すると組織に悪影響を及ぼす可能性があります。

そのため実績はあくまで評価軸の一つととらえ、次に挙げるような資質面と併せて総合的に判断することが重要です。

②リーダーシップ発揮の経験を評価する

候補者がこれまでにどの程度リーダーシップを発揮してきたか、その具体的な経験を評価することも重要なポイントです。

単に与えられた業務をこなすだけでなく、自分の職務範囲を超えて周囲を巻き込み成果を出した経験があるかを確認しましょう。

■リーダーシップ経験の具体例 

  • 部門横断プロジェクトのリーダーを務めた 

  • トラブル発生時に自ら手を挙げて問題解決の指揮を執った 

  • 部下や後輩を指導育成し成長させた実績がある 

  • チーム目標の達成に中心的な役割で貢献した

そうした経験が豊富な人材は、周囲からも「次のリーダー」として信頼されている可能性が高いといえます。逆にプレイヤーとしては非常に優秀でも、人を動かす立場に立った途端にチームを崩壊させてしまうケースもあるでしょう。

したがって候補者の過去の役割と成果を洗い出し、リーダーとして機能した経験値を重視して見極めることが大切です。

③自社のビジョン・価値観との適合性を確認する

幹部候補を選抜する際には、候補者が自社の経営理念や企業文化にフィットする人物かどうかを必ず確認しましょう。

どれほど個人の能力が高くても、会社の理念に共感できず価値観が大きくズレている方を幹部にすると組織の一体感が損なわれるおそれがあります。

■ビジョン・価値観の適合性を確認する方法 

  • 面接で「当社のミッションにどのような魅力を感じますか?」と質問する 

  • オフィス見学や現場社員とのカジュアルな対話の機会を設ける 

  • 候補者の過去の発言や行動から価値観を読み取る 

  • 入社動機や将来のキャリアビジョンを詳しくヒアリングする

幹部候補採用ではスキル・経験だけでなく企業文化へのマッチングを確かめることが重要となります。企業理念への共感が薄い人物は組織の方向性より自分の考えを優先しがちで、衝突や軋轢を生む可能性があります。

したがって候補者の価値観が自社と適合しているかは、事前にしっかり見極める必要があるのです。

関連記事:カルチャーフィットとは?採用活動で候補者とのマッチ度をはかる方法も紹介

④コミュニケーション能力を正確に評価する

幹部候補のコミュニケーション能力は、客観的かつ多面的に評価するよう心がけましょう。

コミュニケーション力は抽象的な要素ですが、非常に重要な資質でありながら見過ごされると致命的なミスマッチにつながることがあります。

■コミュニケーション能力の評価方法 

  • 面接時の受け答えの明快さや論理性を確認する 

  • あえて候補者の回答に反対の意見を投げかける

  • メールや電話対応の丁寧さ、スピードを確認する

  • アイコンタクトや表情、姿勢の良さ、声のトーンなどに着目する

  • グループ討議やプレゼンテーションの場を設けて観察する

幹部は社内外に大きな影響を与える存在だけに、その発信力や対人対応力は組織全体の成果を左右し得ます。

従って評価者の主観に頼らず、多面的な評価指標を用いて正確にコミュニケーション能力を見極めることが肝要です。

⑤第三者からの客観的な評価を取得する

最後に、候補者に対する第三者からの客観的な評価を収集することも有用です。

社内の評判だけでなく、過去に一緒に働いたことがある上司・同僚など社外の方から人柄や実績について意見をもらう「リファレンスチェック」はその代表例となります。

近年、日本企業でも特に幹部候補の採用時にリファレンスチェックを実施するケースが増えており、専門の代行サービスも登場しています。これにより履歴書や面接だけでは把握しきれない候補者の実像を確認し、採用ミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

第三者評価を取り入れることで主観を排し、公平で説得力のある採用判断につながるでしょう。

関連記事:中途採用手法13選を一覧で比較|最新トレンド、選定のポイントを徹底解説

【質問例】幹部候補の資質を見極める質問7選

幹部候補の選考面接では、資質や能力を見極めるためにさまざまな質問が行われます。適切な質問を投げかけることで、候補者の本質的な能力や価値観を引き出すことが可能です。

ここでは人事担当者が幹部候補の主要な資質を判断するための質問例を7つ紹介します。

①課題発見・解決能力を見極める質問

候補者が自ら課題を発見し、主体的に解決へ動いた経験があるかを探る質問です。実際に直面した問題状況とその対処法を語ってもらうことで、課題に気づく力や問題解決へのアプローチ方法を評価できます。

たとえば職場で予期せぬトラブルに見舞われた際、迅速に情報収集して原因を分析し、自ら策を講じて乗り越えた経験があれば、高い課題解決力を持つ人材だと判断できます。

逆に問題を他責にしたり曖昧な対応しかできなかった場合は、課題対応力に不安ありと見極められるでしょう。

■課題発見・解決能力を見極める質問例 

  • これまで最も対処に困難を感じた問題は何ですか?どのように解決しましたか? 

  • 業務改善のために自ら提案し実行した経験があれば教えてください 

  • 想定外の問題が発生したとき、どのような手順で対処しますか?

②リーダーシップを見極める質問

候補者のリーダーシップ発揮経験とスタイルを確認する質問です。

実際にチームのリーダーを務めた経験の有無や、その際にメンバーのモチベーションを上げ目標達成へ導いた具体策などを語ってもらいます。

たとえば「○○プロジェクトでリーダーを任され、目標達成のために役割分担を見直し、メンバー間の調整に奔走した結果、成果を出せた」といったエピソードが出れば、実践的なリーダーシップが備わっていると評価できます。

■リーダーシップを見極める質問例 

  • これまで周囲を率いて目標達成に挑んだ経験はありますか?どのようにリードしましたか? 

  • チームの士気が低下したとき、どのように対処しましたか? 

  • もしあなたがチームリーダーになったら、チームをまとめるためにどんな行動を取りますか?

③戦略的思考力を見極める質問

候補者の意思決定力や論理的思考、ひいては戦略的な判断力を評価する質問です。

経営判断では限られたリソースで何を優先すべきか決める場面が多々あるため、その人がどんな基準で物事の優先度をつけるかを知ることは重要となります。

上記の質問に対し、「まず重要度と緊急度を見極め、○○の順で対応します」といった具体的な優先順位付けのプロセスが語られれば、論理的かつ戦略的に考えられるタイプと判断できます。

■戦略的思考力を見極める質問例 

  • 複数の重要課題に同時に直面した場合、どのように優先順位を決めて対処しますか? 

  • 目標と現状とのギャップが大きいとき、どのように対処しますか? 

  • 新規事業を立ち上げるとしたら、どのような手順で進めますか?

④経営理念への共感度を見極める質問

候補者が企業の理念や価値観にどれほど適合しているかを探る質問です。

幹部候補には会社の思想を自分のものとして語れるほどの共感と理解が求められるため、この問いに対する回答で企業文化との適合性を判断します。

たとえば「『〇〇』という当社の理念に強く惹かれています。私も以前△△の経験からその大切さを実感しており、入社後もこの考えを大事に働きたいです」のように具体的なエピソードを交えて語れるなら、理念を自分事化できていると言えます。

■経営理念への共感度を見極める質問例 

  • 当社の経営理念・ビジョンの中で最も共感できる点と、その理由を教えてください 

  • 仕事を通じて実現したい社会的価値は何ですか? 

  • 社内に理念を浸透させるにはリーダーとしてどんな工夫が必要だと思いますか?

⑤アントレプレナーシップを見極める質問

候補者の主体性・創造性・行動力など起業家的なマインドを評価する質問です。

自分から手を挙げて企画を立ち上げた、現状を改革する提案をした、といった経験が語られるか注目しましょう。

たとえば「前職で顧客の共通する課題感があることに気付き、自ら新規プロジェクトを主導して実現しました」のような回答があれば、現状に満足せず新しい価値を生み出そうとするアントレプレナーシップを備えていると判断できます。

■アントレプレナーシップを見極める質問例 

  • 最近、自ら進んで新しいことにチャレンジした経験について教えてください 

  • 周囲を説得して新しい取り組みを進めた経験はありますか? 

  • 現状を変えるために自ら行動を起こした経験があれば教えてください

⑥ストレス耐性を見極める質問

候補者のストレス対処法や精神的タフさを確認する質問です。

幹部候補には困難に直面しても粘り強くやり抜く力が求められるため、過去の経験からその片鱗を探ります。

たとえば「前職で納期直前に重大なトラブルが起きた際、寝る間も惜しんで原因究明と対応策に奔走し、なんとか乗り切りました。その際ストレス解消のために○○を心がけました」のような回答であれば、高いストレス耐性と責任感を持つ人物と評価できます。

■ストレス耐性を見極める質問例 

  • これまでに大きな困難やプレッシャーに直面したことはありますか?どう乗り越えましたか? 

  • 普段ストレスを感じたとき、どのように対処していますか? 

  • 失敗から立ち直るために心がけていることはありますか?

⑦コミュニケーション能力を見極める質問

候補者のコミュニケーションスキル、特に要点をまとめ簡潔に伝える力を測る質問です。

時間制限内で自身を的確にPRできるかを見ることで、論旨の明快さや表現力、そして臨機応変さを評価できます。

コミュニケーション能力は回答内容だけでなく、受け答えの態度や表情、言葉遣いも含めて総合的に判断しましょう。

■コミュニケーション能力を見極める質問例 

  • 1分程度で簡単に自己紹介をしてください 

  • 部下をマネジメントする上でどんな方針を持っていますか? 

  • 職場で苦手なタイプの方がいた場合、どう対処しますか?

幹部候補にすべきでない人材の5つの特徴

幹部候補を見極める際には、選ぶべき人材だけでなく「選ぶべきでない人材」の特徴も把握しておくことが重要です。どれほど能力が高くても、以下のような特徴を持つ人材を幹部に登用すると、組織全体に悪影響を及ぼすおそれがあります。

ここでは幹部候補から外すべき人材の特徴を5つ紹介します。

経営理念への共感が薄い

企業の経営理念やビジョンに対して共感が薄い人材は、幹部候補には不適格といえます。

幹部は企業の価値観を体現し組織に浸透させる役割を担うため、理念に賛同できない人物がトップに立つと組織の方向性がブレたり求心力を欠いたりするおそれがあります。

理念への共感が低い幹部は短期的利益に走ったり、社員の共感を得られず組織が空中分解するリスクがあります。

会社の掲げる社会的使命に関心を示さず、自身の損得ばかりを口にするような人材は、たとえ業績優秀でも幹部には据えない方が良いでしょう。

ネガティブな発言が多い

常に否定的・悲観的な発言が目立つ方も、幹部候補からは除外した方が賢明です。

幹部の言葉は組織全体に大きな影響を及ぼし、その発言が社員の士気や企業文化に直結します。

■ネガティブ発言の具体例 

  • 「どうせ無理だ」「やっても意味がない」などの発言が多い 

  • 他部署や同僚の仕事に対する批判ばかりする 

  • 会社の方針や上層部の決定に対して常に不満を口にする 

  • 問題が起きると他責にして愚痴を言う

ネガティブ思考で批判的なコメントばかりする上司がいれば、部下のモチベーションは下がり組織の空気も悪くなるでしょう。

建設的な批判や慎重さは必要ですが、常に愚痴や悲観論ばかりでは周囲に悪影響です。したがってネガティブ志向の強い人材は、たとえスキルが高くても幹部候補にすべきではありません。

自分の成果だけを追求する

チームよりも常に自分個人の成果や評価だけを優先する利己的な方も、幹部候補から外すべき人材です。

幹部には組織全体の最適を図る視点や他者の成長を支援する度量が求められますが、自分本位で自己の業績しか眼中にない人物はその器に欠けます。

■利己的な人材の典型的な行動例 

  • 部下の手柄を自分のものとして扱う 

  • 同僚を蹴落としてでも自分の数字を上げようとする 

  • チームの成功より自分の評価を優先する 

  • 独善的な発言が多く、周囲に相談・確認しない

そのような人物が幹部になると組織の和が乱れ、優秀な部下ほど嫌気がさして辞めてしまう可能性があります。

幹部候補には自分以外の他者の成果も喜べる器の大きさや、組織全体の成果を最大化する姿勢が必要です。

変化を受け入れない

急速に変化するビジネス環境に適応できない方、つまり柔軟性に欠け時代の変化を受け入れない方も幹部候補として不適です。

企業が存続・成長していくためには環境変化に合わせた戦略転換や改革が不可避であり、幹部自身が常に新しい価値観や手法を学習し取り入れていく必要があります。

■変化を受け入れない態度の具体例 

  • 「自分のやり方」に固執してアップデートを拒む 

  • 「昔からこうだから」と変革に背を向ける 

  • 新しい取り組みに対してリスクばかり強調する

  • 若手の意見や新しい発想を頭ごなしに否定する

幹部候補には高い柔軟性が必要不可欠であり、新しい技術や価値観にも前向きに適応できるマインドを持つ人材でなければなりません。

変化を恐れて現状維持ばかり唱える人材は、リーダーシップを発揮して組織を次のステージへ導くことが難しいため、幹部候補からは外すべきです。

過去の実績や経歴に虚偽がある

経歴や実績を盛ったり虚偽の申告をしている方も、信頼性に欠けるため幹部候補にすべきではありません。

幹部は高い倫理観と誠実さが求められる立場であり、経歴詐称などは言語道断です。

履歴書や職務経歴書に疑いがある場合は、リファレンスチェックなどで過去の上司・同僚に事実確認を行うのが一般的です。近年では幹部クラスの採用時にリファレンスチェックを実施する企業も多く、学歴・職歴詐称の防止や人物像の裏付けを図っています。

もし調査によって「過去の実績に偽りがあった」「成果を誇張していた」などが発覚した場合、その時点で幹部候補からは即刻除外すべきでしょう。

幹部候補選びでは能力や適性以上に、人間的な信頼に足る誠実さ・正直さを備えているかも重要な見極めポイントです。

幹部候補の見極め精度を高めるならback check

本記事では幹部候補に求められる7つの資質から、社内選抜・中途採用それぞれの見極め方法、面接での具体的な質問例、そして採用すべきでない人材の特徴まで解説してきました。幹部候補の見極めは企業の将来を左右する重要な判断であり、複数の視点から慎重に評価することが求められます。

しかし、面接や社内評価だけでは候補者の実像を完全に把握することは困難です。特に外部から中途採用で幹部候補を探す際、経歴や実績の真偽、前職での働きぶりや人間関係といった情報は、本人の申告だけでは確認しきれません。こうした情報を客観的に把握するためには、過去に一緒に働いたことがある上司・同僚からの評価を得られるリファレンスチェックが効果的です。

back check株式会社では、オンライン完結型のリファレンスチェック・コンプライアンスチェックサービス「back check(バックチェック)」を提供しています。

back checkでは、公的公開情報・Web情報・個別調査によって候補者の申告内容に虚偽がないか、コンプライアンスリスクがないかなどを確認するコンプライアンスチェックと、候補者と過去一緒に働いたことがある元上司や同僚から評価を得ることで、入社後に顕在化する働きぶりやカルチャーマッチといった言語化しにくい情報を確認するリファレンスチェックを同時に実施できます。

幹部候補のミスマッチは経営に大きな影響を与えるため、選抜の精度を高めることが極めて重要です。幹部候補の見極めにおいてより確実な判断を行いたいとお考えの企業のご担当者様は、ぜひback checkの導入をご検討ください。

back check magazine 編集部

リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。

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