アトラクト採用とは?採用フェーズ別実践法と成功事例を徹底解説
この記事のまとめ(要約)
アトラクト採用とは、候補者に自社の魅力を積極的に伝え、志望度を高めて優秀な人材を惹きつける採用手法です。採用成功率の向上やミスマッチ防止が期待できます。採用フェーズ別の施策例や、成功事例を解説します。
優秀な人材の確保が企業の競争力を左右する時代となり、従来型の採用手法では十分な成果を感じられないケースも増えています。「説明会の参加者が集まらない」「内定辞退が増えている」など、採用活動に関して不安を感じている採用担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで近年注目されているのが、候補者に自社の魅力を効果的に伝え、志望度を高める「アトラクト採用」です。「attract(引きつける、魅了する)」という言葉が示す通り、候補者の心に響くコミュニケーションを通じて、優秀な人材を惹きつける採用手法として広がりを見せています。
本記事では、アトラクト採用の基本概念から、具体的なメリット・デメリット、そして6つの採用フェーズ別の実践方法まで、事例を交えながら詳しく解説します。採用競争を勝ち抜き、自社に最適な人材を獲得するためのヒントが満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。
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本資料は、back checkの概要説明から、特徴、実績まで網羅された内容です。従来の採用手法以外の方法で面接の精度を上げたい、採用ミスマッチを防ぎたいという採用担当者さまにおすすめです。

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目次
- アトラクト採用とは?
- 従来の採用手法との違い
- アトラクト採用が注目される理由
- アトラクト採用の4つのメリット
- ①採用成功率の向上
- ②ミスマッチの防止
- ③企業ブランディングの強化
- ④多様な人材の獲得
- 【採用フェーズ別】アトラクト採用の具体的な施策例
- ①採用準備・戦略立案フェーズ
- ②募集・応募フェーズ
- ③書類選考フェーズ
- ④面接・選考フェーズ
- ⑤内定・オファーフェーズ
- ⑥内定後フォローフェーズ
- アトラクト採用成功のための4つのポイント
- ①誇張せず、ありのままを伝える
- ②候補者ごとのニーズに合わせた対応
- ③採用担当者と現場の連携強化
- ④なるべく早期からアプローチする
- アトラクト採用の成功事例3選
- Sansan株式会社
- 千株式会社
- 株式会社タシロ
- アトラクト採用を効果的に実施するならback check
アトラクト採用とは?

アトラクト採用とは、候補者に自社の魅力を積極的に伝え、志望度を高めることで優秀な人材を惹きつける採用手法です。
従来の「選考中心」の採用活動から脱却し、「惹きつける」ことに重点を置いた考え方が特徴です。
従来の採用手法との違い
従来の採用手法と比較すると、アトラクト採用には明確な違いがあります。以下の表で主な違いを確認してみましょう。
■従来の採用手法とアトラクト採用の違い
項目 | 従来の採用手法 | アトラクト採用 |
|---|---|---|
主な視点 | 企業側の判断基準が中心 | 候補者の価値観や希望を重視 |
コミュニケーション | 一方向(企業→候補者) | 双方向(相互理解を促進) |
選考プロセス | 「選ぶ」ことに重点 | 「惹きつける」ことも重視 |
情報開示 | 必要最小限の情報提供 | 積極的かつ透明性の高い情報開示 |
期待する効果 | 適切な人材の確保 | 入社意欲の高い人材の獲得と定着率向上 |
この表から、アトラクト採用は従来の手法と比べて候補者視点を重視し、相互理解を促進する設計であることがわかります。こうした姿勢を採用活動に取り入れることで、入社後のミスマッチ防止や定着率の向上といった成果につながる可能性があると考えられています。
アトラクト採用が注目される理由
近年、アトラクト採用が注目される背景にはいくつかの理由があります。
少子高齢化による労働人口の減少により、優秀な人材の獲得競争は激化しました。特に専門性の高い職種では、企業側が選ぶのではなく「候補者に選ばれる」状況へと変化しつつあります。
また、インターネットやSNSの普及により、求職者は企業情報を様々な角度から収集できるようになったこともひとつの要因です。企業の魅力を積極的に伝えなければ、候補者との接点すら得にくくなってきていると考えられます。
さらに、働き方改革やワークライフバランスへの意識の高まりから、求職者の価値観も多様化しています。給与や待遇だけでなく、「働きがい」や「企業文化との相性」といった要素を重視する傾向も見られます。このような変化に対応する手段のひとつとして、アトラクト採用は注目されており、候補者との相互理解を深める方法として有効に働くことが期待されます。
アトラクト採用の4つのメリット
アトラクト採用は、企業の採用活動にさまざまなプラスの影響をもたらす可能性がある手法です。ここでは特に注目されている4つのメリットを詳しく解説します。
①採用成功率の向上
アトラクト採用を取り入れることで、採用活動に好影響をもたらす可能性がある点として、採用成功率の向上がよく挙げられます。候補者に自社の魅力を丁寧に伝えることで、入社への意欲が高まり、結果として内定承諾率の向上につながることもあるとされています。
また、企業と候補者の相互理解が深まることで、選考過程でのミスマッチも減少し、内定辞退や入社後の早期離職を防ぐことも期待できます。加えて、候補者が自社に対して持つ期待値を適切にマネジメントすることで、入社後のギャップによる不満軽減も期待されます。
アトラクト採用を実践している企業の中には、内定承諾率が80%以上、内定後の辞退がほぼ無くなったという成果を上げている例(※1)もあります。
※1 参考:AI活用と研修で、中途採用の内定承諾率を40%→80%に向上させた話(更新日:2025年2月28日)
②ミスマッチの防止
アトラクト採用では、自社の魅力だけでなく職場環境や企業文化、仕事の進め方など、リアルな情報も積極的に開示します。これにより、候補者は入社後の姿をより具体的にイメージでき、ミスマッチを防ぐことが期待できます。
特に、従来の採用では見極めにくい「カルチャーフィット」を、選考プロセスの早い段階から把握しやすくなる点はアトラクト採用の特徴の一つです。
このような施策を行うことで、入社後に「思っていた仕事と違う」「会社の雰囲気が合わない」といった理由による早期離職のリスク低減や、結果として採用コストの抑制に繋がることも期待されます。
③企業ブランディングの強化
アトラクト採用の取り組みは、採用活動だけでなく企業ブランディングにも大きく貢献することが考えられます。
候補者に対して自社の理念やビジョン、働き方や社員の姿を積極的に発信することで、企業理解や共感が深まり、「働いてみたい」と思ってもらえるきっかけになることもあります。こうした発信がSNSや口コミサイトなどを通じてポジティブに広がれば、結果として応募者数の増加につながる可能性もあります。
また、採用ブランディングの強化は、顧客や取引先など外部に対するイメージアップにも寄与し、中長期的な企業価値向上の一助となることが期待されます。
④多様な人材の獲得
アトラクト採用では、候補者一人ひとりのニーズや価値観に寄り添ったコミュニケーションを行います。これにより、多様なバックグラウンドを持つ人材に対して魅力を伝えやすくなります。
従来の採用基準や手法では見逃していた潜在的な優秀人材を発掘できるだけでなく、異なる視点や専門性を持つ多様な人材を獲得できるチャンスが増えます。多様性が高まることで、組織内のイノベーションや創造性も促進されることが期待されます。
経験豊富なミドル・シニア層や一度離職した女性人材など、特定のライフステージにある人材の採用にも、柔軟なアプローチを行いやすい点がアトラクト採用の特徴といえるでしょう。
【採用フェーズ別】アトラクト採用の具体的な施策例
アトラクト採用を効果的に実践するためには、各採用フェーズに応じた施策が必要です。ここでは各フェーズに分けて、具体的な実践方法を解説します。
①採用準備・戦略立案フェーズ
採用活動を始める前に、自社の魅力を整理・分析しターゲット人材像を明確にして採用メッセージを策定することがアトラクト採用成功の土台となります。
■具体的な施策例
自社の強みと魅力の棚卸し
理想的な候補者プロフィールの作成
競合他社との差別化ポイントの明確化
採用フロー全体のデザイン
アトラクト採用を成功させるためには、まず自社の魅力を多角的に洗い出すことから始めましょう。4P分析(Philosophy:理念・目的、Profession:事業・仕事内容、People:人材・文化、Privilege:特権・待遇)などを活用し、企業理念やビジョン、事業内容、働く環境、人材育成制度、社員の特徴など、あらゆる側面から分析します。
次に、ターゲットとなる人材像を具体化します。スキルや経験だけでなく、自社の文化や価値観と合致する人物像を明確にすることが重要です。「どのような人材が自社で活躍できるのか」「どのような人と一緒に働きたいのか」を具体的に描きましょう。
これらが決まったら、最後に採用メッセージを策定します。単なるキャッチコピーではなく、「なぜ自社で働くべきか」「どのような価値を提供できるか」を明確に伝えられるメッセージを作成しましょう。
②募集・応募フェーズ
求職者に最初に接触する段階では、自社の魅力を多様なチャネルを通じて効果的に伝え、高い関心を持つ質の良い母集団を形成することが目標です。
■具体的な施策例
魅力的な求人票・採用サイトの作成
SNS・ブログでの日常的な情報発信
社員インタビュー動画のコンテンツ制作
勉強会・ミートアップなどイベントの企画
募集・応募フェーズでは、求職者に自社の魅力を最大限に伝えるための工夫が必要です。求人票や採用サイトは、単なる条件や要件の羅列ではなく、企業文化や社員の声、成長機会などを具体的に伝える内容にしましょう。
SNSやブログを活用した日常的な情報発信も効果的です。社内の様子や仕事の裏側、社員のストーリーなどを発信することで、企業の実態をより具体的に伝えられます。特に動画コンテンツは訴求力が高く、社員インタビューや職場紹介などを制作すると良いでしょう。
また、業界勉強会やミートアップなどのイベントを主催したり参加したりすることで、潜在的な候補者との接点を増やすことができます。自社で働く社員が登壇する機会を設けると、直接的かつ説得力のあるアピールに繋がるでしょう。
③書類選考フェーズ
書類選考段階でも候補者のエンゲージメントを高めるコミュニケーションを行い、企業への好感度と次のステップへの期待感を高めることが重要です。
■具体的な施策例
応募者全員への丁寧かつ迅速な返信
自動返信メールを作りこむ
次のステップに関する詳細情報の提供
不採用者へのフィードバックと代替案の提示
書類選考フェーズでは、選考作業だけでなく候補者とのコミュニケーションにも力を入れましょう。応募受付の自動返信メールも単なる事務連絡ではなく、企業理念や魅力に触れるなど工夫することでエンゲージメントを高められます。
書類選考の結果は迅速に伝え、特に通過者には次のステップへの期待感を高める情報を提供できると良いでしょう。面接の流れや準備すべきこと、アピールのポイントなどを具体的にアドバイスすることで、候補者の不安を軽減し、自分らしさを発揮しやすい環境を整えることができます。
不採用となった方に対しても、可能な範囲で理由や今後のアドバイスを伝えることで、企業に対する好印象を残すことができます。「別の職種なら合うかもしれない」「将来的に再応募を歓迎する」など、ポジティブなメッセージを添えることをおすすめします。
④面接・選考フェーズ
面接を「企業が候補者を評価する場」だけでなく「相互理解を深める場」と位置づけ、双方向のコミュニケーションを通じて志望度を高めることが成功のカギです。
■具体的な施策例
面接官の育成と面接ガイドの作成
カジュアル面談の導入と柔軟な対応
候補者の関心に応じた情報提供
現場社員との交流機会の設定
面接後の迅速なフィードバックと次ステップの案内
面接・選考フェーズでは、面接官が単に質問して評価するだけでなく、自社の魅力や仕事の具体的な内容、将来のキャリアパスなどを積極的に伝える役割も担うことが重要です。特に候補者が関心を示した点については詳しく説明し、疑問や不安を解消するよう心がけましょう。
カジュアル面談の導入も効果的です。正式な選考とは別に、リラックスした雰囲気で双方向の対話を行うことで、より深い相互理解が可能になります。
また、面接の場に現場社員や将来の同僚となる社員を交えることで、実際の仕事内容や職場の雰囲気をよりリアルに伝えることができます。
⑤内定・オファーフェーズ
内定・オファー段階では候補者の入社意欲を最大化するために、個別の丁寧なコミュニケーションと不安解消のフォローが重要です。
■具体的な施策例
オファー面談の実施と候補者の懸念事項の解消
内定理由や期待を伝える個人的なメッセージの添付
待遇や条件に関する丁寧な説明と交渉対応
他社との比較検討をサポートする情報提供
内定・オファーフェーズでは、オファー面談を設定することが効果的です。給与や条件などの説明だけでなく、入社後のイメージや期待する役割、成長機会などについても具体的に伝えましょう。この場では候補者の不安や懸念事項も丁寧にヒアリングし、解消に努めることが重要です。
内定通知や条件提示は形式的な書類だけでなく、その候補者を選んだ理由や期待を伝える個人的なメッセージを添えると効果的です。「あなたのこの強みを活かしてほしい」「このようなキャリアを描いている」など具体的に伝えることで、候補者の意欲が高まります。
他社との比較検討や現職からの引き留めがある場合も、焦らず真摯に対応しましょう。競合他社との差別化ポイントや、自社でしか得られない価値を改めて伝えるなど、候補者の意思決定をサポートする姿勢が大切です。
⑥内定後フォローフェーズ
内定承諾から入社までの期間は、候補者の不安や迷いが生じやすい時期です。継続的なコミュニケーションと関係構築によって、入社意欲を維持・向上させることが必要です。
■具体的な施策例
内定者懇親会や社内イベントへの招待
内定者向けコミュニケーションツールの提供
定期的な1on1面談や情報提供
入社前研修や事前課題の提供
配属先上司や同僚との事前面談の実施
内定承諾後から入社までの期間は「空白の時間」にならないよう、継続的なコミュニケーションが重要です。内定者懇親会や社内イベントへの招待は、現場の雰囲気や社員との相性を確認する良い機会となります。
また、情報共有や質問対応の場を設けることも効果的です。LINEグループやSlackチャンネルなどを活用し、内定者同士の交流も促進すると良いでしょう。
定期的な1on1面談では、入社に向けた準備状況や不安点などをヒアリングし、フォローします。特に他社からのオファーや現職での昇格などがあった場合も、丁寧なコミュニケーションを続けることで信頼関係を維持できます。
アトラクト採用成功のための4つのポイント

アトラクト採用を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは特に押さえておきたい4つのポイントを解説します。
①誇張せず、ありのままを伝える
アトラクト採用で最も重要なポイントは、誇張せず、ありのままの情報を誠実に伝えることです。
企業の魅力を伝えたいがあまり、実態以上に良い面だけをアピールすると入社後のギャップが大きくなり、早期離職やモチベーション低下の原因となります。良い面はもちろん、課題や改善途上の点についても正直に共有する姿勢が信頼関係構築には不可欠です。
例えば、「福利厚生が充実」と伝えるだけでなく、具体的にどのような制度があり、実際にどれくらいの社員が活用しているかといった実態を数字も交えて伝えるとよいでしょう。
また、入社後の成長イメージを伝える際も、過度な期待を持たせるのではなく、実際のキャリアパスや必要なスキル習得のプロセスなど、現実的な情報を提供することが大切です。
②候補者ごとのニーズに合わせた対応
人材市場のニーズが多様化する中、一律のアプローチでは効果的なアトラクトはできません。候補者一人ひとりのニーズや価値観に合わせた対応が重要です。
まず最初に、面談や選考プロセスを通じて、候補者が何を重視しているのかを丁寧にヒアリングします。給与や待遇、働き方の柔軟性、成長機会、企業文化など、候補者によって優先順位は大きく異なります。
それに応じて、提供する情報や伝え方を調整しましょう。技術志向の強いエンジニアには開発環境や技術的挑戦について詳しく伝え、キャリア志向の強い候補者には成長機会やキャリアパスを中心に説明するなど、パーソナライズされたコミュニケーションを心がけましょう。
また、選考プロセスも候補者の状況に合わせて柔軟に調整することで、候補者体験の向上に繋がります。面談回数の調整や、面談する社員の属性などを工夫するようにしましょう。
③採用担当者と現場の連携強化
アトラクト採用を効果的に進めるためには、採用担当者と現場社員の緊密な連携が欠かせません。
採用担当者だけでは伝えきれない、現場の実態や専門的な内容については、実際に働いている社員が直接語ることで説得力が増します。特に技術職やクリエイティブ職など、専門性の高い職種の採用では、現場社員の関与が効果的です。
また、採用に関わるメンバーとは定期的な情報共有の場を設け、求める人材像や採用基準の認識をすり合わせることも重要です。採用担当者は市場動向や候補者の声を現場にフィードバックし、現場は採用後の育成・定着状況を採用担当者に共有するなど、双方向のコミュニケーションを促進しましょう。
さらに、採用活動に関わる社員向けの研修や説明会を実施し、アトラクト採用の考え方や実践方法を共有することで、組織全体での取り組みが可能になります。
④なるべく早期からアプローチする
候補者との接点は早ければ早いほど、企業理解を深め、他社との差別化を図ることができます。
特に、優秀な人材ほど複数の選択肢を持っていることが多いため、早期からのアプローチが重要です。インターンシップやカジュアル面談などを活用し、正式な選考前からリレーションを構築していきましょう。
また、潜在層へのアプローチも有効です。SNSやブログ、イベントなどを通じて自社の魅力を発信し、転職を考えていなくても「いつか働いてみたい」と思ってもらうことで、将来的な採用につながります。
長期的な視点で、学生や若手社会人との関係構築にも取り組むことも有効です。業界セミナーや大学での講演などを通じて、自社の魅力を発信する機会を継続して設けることで、将来的な採用につながる接点や関係性を築くことが期待されます。
アトラクト採用の成功事例3選
アトラクト採用を効果的に実践し、成果を上げている企業の事例を見ていきましょう。それぞれの企業が独自の工夫でどのように候補者の心を惹きつけているのか、参考にしてください。
Sansan株式会社
Sansan株式会社は、名刺管理サービス「Sansan」やビジネスSNS「Eight」を展開するBtoBテクノロジー企業です。同社は特に新卒エンジニア採用において、母集団形成の難しさという課題を抱えていました。これに対し、「心の動く体験」を軸に、候補者の納得感を重視した採用活動を行っており、結果としてアトラクト採用の考え方に近い取り組みを実施しています。
■Sansan株式会社の採用取り組み
取り組み内容 | 具体的な施策 | 成果 |
|---|---|---|
候補者理解の深化 | 候補者が企業選びで何を最も重視しているかを深く理解し、それに応じた情報提供や体験設計 | 候補者との信頼関係構築とエンゲージメント向上 |
パーソナライズされたスカウト | Wantedlyなどを活用し、学生に合わせた個別スカウトメッセージを作成 | 約70%という高い返信率を実現 |
魅力的なコンテンツ発信 | 社員インタビュー動画を積極的に公開し、企業の雰囲気や働き方を具体的に伝達 | 企業理解の促進と共感獲得 |
全社的な採用へのコミットメント | 採用を優先度の高い事業戦略と位置づけ、全社で採用活動に参画 | 組織的な採用活動の実現 |
これらの取り組みにより、Sansan株式会社はエンジニア・R&D(研究開発)ポジションにおいて、21卒で7名、22卒で3名の採用に成功しています。(※2)
この事例は、候補者との個別対応と組織的な採用体制が、難関職種における採用成果につながる可能性を示唆する好例といえるでしょう。
※2 参考:Wantedly Hiring Geek「Best Team of the Year SILVER:Sansan株式会社」インタビュー記事(更新日:2023年4月20日)
千株式会社
千株式会社は、デジタルマーケティング支援を行うベンチャー企業です。急成長に伴う採用ニーズの高まりと、採用後のミスマッチによる早期離職という課題に直面していました。そこで同社は「体験価値の設計」を重視した採用方法を取り入れており、その取り組みはアトラクト採用の考え方にも通じるものです。
■千株式会社の採用取り組み
取り組み内容 | 具体的な施策 | 成果 |
|---|---|---|
一貫した体験設計 | 選考プロセスから入社後のフォローアップまで、候補者が一貫して良い体験を得られるよう設計 | 候補者の期待と現実のギャップ解消、満足度向上 |
パーソナライズされた対応 | 候補者の人柄や志向に合わせて、懇親会やミートアップの内容を調整する個別最適化 | 候補者との相性の早期把握と関係構築 |
事業部門との連携強化 | 月1回の定例ミーティングで事業部門と採用部門が組織課題や採用要件の背景を深く共有 | 採用精度の向上と入社後のミスマッチ防止 |
カジュアル面談の戦略的活用 | 書類応募前からのカジュアル面談実施と事業の現状・課題のオープンな共有 | 候補者の理解促進とスキル・経験のマッチング精度向上 |
この体験価値を重視したアプローチにより、千株式会社は「内定承諾後辞退ゼロ」や「従業員の離職率大幅改善」といった成果が見られたと報告されています。(※3)
同社の事例は、採用活動を候補者との相互理解を重視するプロセスと捉え、一貫した体験設計が採用成果に寄与し得ることを示唆する好例といえるでしょう。
※3 参考:SmartHR mag.「一人ひとりに寄り添う設計。候補者から選ばれるための『ひとつなぎの体験価値』とは」(公開日:2024年6月11日)
株式会社タシロ
株式会社タシロは、金属加工を行う中小製造業(町工場)です。採用市場における知名度の低さと、若手人材の製造業離れという課題を抱えていました。同社は中小企業ならではの強みを活かし、「候補者に選ばれる」ための魅力発信や職場環境整備に取り組んでおり、アトラクト採用的な手法を実践しています。
■株式会社タシロの採用取り組み
取り組み内容 | 具体的な施策 | 成果 |
|---|---|---|
現場起点の採用戦略 | 従業員との対話を通じて「ものづくりに興味がある若手人材」という明確なターゲット設定 | 採用活動の焦点を絞り、効果的なメッセージ発信が可能に |
魅力的な労働環境整備 | 残業ゼロ、年間休日120日以上の実現、成長を可視化する評価制度、資格取得支援制度の導入 | 他社との差別化と持続的な魅力創出 |
継続的な情報発信 | 商品開発やコンテスト参加による話題創出、SNS・プレスリリース・noteなど多様なチャネルでの発信 | 企業認知度の向上と応募者層の拡大 |
強力なブランディング | 「日本で一番挑戦する町工場」をスローガンに掲げ、展示会出展や教育制度構築を推進 | 明確な企業イメージの確立と認知度向上 |
これらの「土台づくり」と「話題づくり」を両輪とした取り組みにより、株式会社タシロは2019年当時は日本人の応募が少なかった状況から、年間応募者数が20倍に増加するという驚くべき成果を達成しています。(※4)
この事例は、中小企業でもブランディングと情報発信の工夫次第で、採用競争力を高めることが可能であることを示唆しています。
※4 参考: SmartHR mag「年間応募者数が20倍に。ベンチャー型町工場が実践する人材採用術」(公開日:2024年11月15日)
アトラクト採用を効果的に実施するならback check
ここまでアトラクト採用の基本概念から実践方法、成功事例まで詳しく見てきました。アトラクト採用は、採用成功率の向上が期待できる有効な手法の1つですが、最終的な採用判断には候補者の適性や実績を客観的に評価することも重要です。
特に中途採用では、応募書類や面接だけで候補者の実際の働きぶりや人柄を完全に把握することは難しく、入社後のミスマッチリスクが残ります。アトラクト採用で志望度を高めた候補者が本当に自社で活躍できる人材かを見極めるためには、客観的な情報収集が不可欠です。
back check株式会社では、オンライン完結型のリファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」を提供しています。
back checkでは、候補者と過去一緒に働いたことがある元上司や同僚から評価を得ることで、入社後に顕在化する働きぶりやカルチャーマッチといった言語化しにくい情報を確認するリファレンスチェックと、公的公開情報・Web情報・個別調査によって候補者の申告内容に虚偽がないか、コンプライアンスリスクがないかなどを確認するコンプライアンスチェックを同時に実施できます。
アトラクト採用で候補者の志望度を高めつつ、back checkで客観的な評価も行うことで、志望度が高く、かつ実績や適性も備えた人材を見極めやすくなるでしょう。採用のミスマッチを減らし、定着率の向上や早期戦力化の実現に向けた一助として、ぜひback checkの導入をご検討ください。


back check magazine 編集部
リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。


