定着率の計算方法を徹底解説!正確な算出方法とその活用法
この記事でわかること
・従業員定着率の計算方法と注意点
・定着率のデータ活用方法
・定着率向上のための施策
「離職者が何人か出たけど、このままでいいのかな」と漠然と不安を感じている経営者や人事・採用担当者の方は少なくないでしょう。
転職希望者が増加傾向にある昨今ですが、企業の成長とともに従業員の定着率を把握する必要があります。本記事では、定着率の正確な算出方法から、データを活用した改善策まで徹底解説します。
従業員満足度や従業員エンゲージメントを高め、定着率を向上させるための具体的な施策もご紹介します。今すぐ取り組めるアクションを見つけましょう。
採用ミスマッチを削減するには?
面接だけではわからない候補者の本当の働く姿を可視化する、オンライン完結型リファレンス/コンプライアンスチェックツール「back check(バックチェック)」によって早期離職や人材リスクを未然に防ぐことが可能です。
本資料は、back checkの概要説明から、特徴、実績まで網羅された内容です。従来の採用手法以外の方法で面接の精度を上げたい、採用ミスマッチを防ぎたいという採用担当者さまにおすすめです。

資料をダウンロードする
目次
定着率とは?

定着率とは、一定期間内に雇用された従業員がどれだけの割合で企業に残り続けているかを示す指標です。定着率は企業が労働環境や人材管理の状態を評価する上で非常に重要です。
定着率が高い場合、離職者が少なく、企業は従業員にとって働きやすい環境を提供しており、従業員満足度も高いと考えられます。
一方、3年など、短い期間で調査した時の定着率が低い場合、従業員が何らかの理由で早期に離職しており、組織内に問題があることが示唆されます。
例えば、新入社員の3年後定着率が低い企業では、採用プロセスや初期研修の見直しが必要かもしれません。
定着率の計測は単なる数値の把握にとどまらず、企業の組織文化や経営戦略の評価にも役立つため、非常に重要な指標と言えます。
また、定着率は、企業のブランドイメージや採用活動にも影響を与えます。
例えば、業界内で定着率が高い企業は、求職者にとって「辞める割合が少ないということはきっと働きやすい職場だろう」と認識される可能性が高まり、優秀な人材を引き寄せることができます。
従業員定着率の計算方法と注意点
従業員定着率は、企業が自社の労働環境や人材管理の状況を把握するために重要な指標です。
このセクションでは、従業員定着率の基本的な計算方法と、その計算に際して考慮すべきポイントを解説します。
定着率の計算方法
まず、従業員定着率を計算するための基本的な式は以下の通りです。
定着率 = (期間内の残存従業員数 / 期間の初めの従業員数) × 100
この計算式を使えば、特定の期間内に企業にとどまっている従業員の割合を簡単に算出することができます。
例えば、年初に100人の従業員がいた企業で、その年の終わりに80人が在籍している場合、定着率は以下のように計算されます。
定着率 = (80 / 100) × 100 = 80%
この結果から、「今年の全体の定着率は80%だった」と言え、この企業では全従業員の80%が定着していることがわかります。
ただし、1年の途中で入社してきた人や、1年の途中で入社し、その年の終わりまでに辞めてしまった人は計算に含めません。
また、定着率は全従業員に対してのみ適用する必要はなく、「昨年度入社の新卒採用者の定着率」「30代の正社員の定着率」「営業部の正社員・派遣社員の定着率」など、セグメントを分けて算出することも可能です。
ある年の4月に入社した新卒採用者は10人で、3年後の3月31日にも在籍し続けているのは7人だった場合、
定着率 = (7 / 10) × 100 = 70%
となり、「○年度入社の新卒採用者の3年後定着率は70%だった」と言うことができます。
定着率の算出方法における注意点
定着率を正確に計算するためには、2つの注意点があります。
まず、定着率を計算する際には、対象となる期間を明確に設定することが重要です。
何年間でなければならない、という決まりはありませんが、1年間の定着率を計算する場合と、3年間、5年間の定着率を計算する場合では、結果が異なることがあります。そのため、どの期間を基準に定着率を算出するかを事前に決めておく必要があります。流動性が激しい企業であれば、半年や1年などの短期間での計測が適しているでしょう。
何月何日を計算の起点とするかについてもルールはありませんが、厚生労働省の雇用動向調査に倣い1月1日〜12月31日を計算期間として設定する場合や、新卒採用者が入社するタイミングに合わせて4月1日〜翌年3月31日を計算期間とする場合が一般的です。
続いて、定着率を計算する際には、企業の目的や業界の特性に応じて、対象者を適切に選定することが求められます。
例えば、全ての従業員を対象にするのか、新入社員のみを対象にするのか、または特定の部署や職種に絞るのかによって、結果が大きく変わることがあります。
対象を分けて定着率を計算することで、ボトルネックとなっているセグメントを洗い出すことが可能です。社内の噂程度の「あの部署は辞める人が多い気がする」「中途採用の人がすぐ辞めてしまう」といった定性的な情報を定量化し実態を正確に把握しましょう。
定着率のデータ活用方法

従業員定着率のデータは、単なる統計情報ではなく、企業の持続的な成長を支える貴重な指標です。従業員定着率のデータを効果的に活用することで、企業は自社の労働環境の改善や人材管理の最適化を図ることができます。
ここでは、定着率データの具体的な活用方法を2つの視点から解説します。
過去比較
1つ目は、自社内の過去の定着率と比較する活用方法です。
定着率は、企業が自社の労働環境や組織文化を評価するための重要な指標です。
過去の自社の定着率と比べて、直近の定着率が低下している場合、その原因を分析し、適切な対策を講じることで、従業員満足度の向上や業務効率の改善が期待できます。それらが改善することで、結果として離職を防ぐ事ができ、定着率が向上するのです。
例えば、直近の定着率の低下が業務負担の増加によるものであることが判明したとします。離職が相次いだことで、残った従業員の業務負担はさらに増加し、残業が増え、手一杯になっているでしょう。
そこで、業務プロセスの見直しや追加人員の配置を行って、従業員1人あたりの業務負担が軽くなったとします。すると、定時に帰れるようになったことで適切なワークライフバランスとなり、仕事へのモチベーションが上がります。その結果、離職を考える要因だった業務負担量の多さが解消されたので、定着率が改善することが予想されます。
このように、定着率を定点調査して企業改善の指標として活用することで、過去のデータと比較し、定着率が下がっていないかを確認でき、そして、定着率の低下に対策を講じたのであれば、労働環境の改善施策が正しく機能したのかを確認することもできます。
過去の自社データと比較するときは、「対象期間が同じ長さ(1年間、3年間等)」かつ「同じセグメント(全従業員、正社員のみ、開発部門のみ等)」同士の定着率データで確認することに注意しましょう。
業界比較
2つ目は、自社の属する業界の平均と比較する方法です。
定着率を業界平均と比較することで、自社のポジションをより明確に把握することができます。
特定の業界で定着率が高い企業は、働きやすい環境を提供している可能性が高く、競争力を持っていると考えられます。
反対に、自社の定着率が業界平均を下回っている場合、他社に後れを取っている可能性があるため、改善の必要性が高いと判断できます。
例えば、IT業界では、技術者の確保と維持が非常に重要です。
あるIT企業は、業界平均を上回る定着率を誇り、その理由として人材に対するスキルアップ支援やキャリアパスの明確化が挙げられています。このような企業は、定着率の高さを採用活動でもアピールポイントとし、優秀な人材を引き寄せることに成功するでしょう。
一方で、定着率が低い企業は、同業他社の成功事例を調査し、どのように改善策を講じるかを検討する必要があります。
以下の表は、2023年1月1日を計算の起点とし、2023年12月31日時点で在籍し続けていた従業員数から算出した1年間の産業別の定着率一覧です。自社の属する業界の定着率を確認し、自社の2023年定着率と比較してみましょう。
産業別 | 合計(%) | 一般労働者(%) | パートタイム労働者(%) |
|---|---|---|---|
全産業 | 84.6 | 87.9 | 76.2 |
鉱業,採石業,砂利採取業 | 90.8 | 90.7 | 93.9 |
建設業 | 89.9 | 89.7 | 94.4 |
製造業 | 90.3 | 91.3 | 83.7 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 89.6 | 90.6 | 73.9 |
情報通信業 | 87.2 | 87.6 | 73.6 |
運輸業,郵便業 | 89.7 | 90.6 | 84.7 |
卸売業,小売業 | 85.9 | 88.6 | 81.4 |
金融業,保険業 | 89.5 | 89.4 | 90.3 |
不動産業,物品賃貸業 | 83.7 | 86.6 | 73 |
学術研究,専門・技術サービス業 | 88.5 | 89 | 83.6 |
宿泊業,飲食サービス業 | 73.4 | 81.8 | 68.1 |
生活関連サービス業,娯楽業 | 71.9 | 79.2 | 63.1 |
教育,学習支援業 | 85.2 | 90.5 | 74 |
医療,福祉 | 85.4 | 86.7 | 82.2 |
複合サービス事業 | 92.2 | 93.2 | 87.4 |
サービス業(他に分類されないもの) | 76.9 | 80.7 | 67.3 |
※この表における「一般労働者」とは次のいずれかに該当する労働者のうち、パートタイム労働者以外の労働者を指す。①期間を定めずに雇われている者②1か月以上の期間を定めて雇われている者
※この表における「パートタイム労働者」とは、次のいずれかに該当する労働者のうち、1日の所定労働時間がその事業所の一般の労働者より短い者、又はその事業所の一般の労働者と1日の所定労働時間が同じでも1週の所定労働日数が少ない者をいう。①期間を定めずに雇われている者②1か月以上の期間を定めて雇われている者
定着率向上のための施策
従業員定着率を向上させることは、企業の持続的な成長や競争力の強化に直結します。定着率の向上には、労働環境の改善や従業員満足度の向上を目指したさまざまな施策が必要です。
ここでは、定着率を高めるために企業が取り組むべき主要な施策について解説します。
【お役立ち資料】中途入社者の早期活躍を促進し定着率を向上させるオンボーディング実践例
従業員エンゲージメントの向上
従業員エンゲージメントとは、人材が企業やその業務に対してどれだけ情熱を持ち、積極的に取り組んでいるかを示す指標です。
従業員満足度とは異なり、「この企業で働くことに満足している」ことに留まらず、さらに「自発的にこの企業に貢献したい」とやる気に溢れている状態のことです。エンゲージメントが高い人材は、企業に対して強い信頼感を持ち、離職の可能性が低くなります。
従業員エンゲージメントを向上させるためには、従業員が自分の役割や仕事に意義を感じられる環境を提供することが重要です。
例えば、以下のような取り組みが挙げられます。
企業理念・ビジョンを浸透させることで、自身の仕事がどのように顧客へ価値提供しているのかを認識させる。
社内の賞やMVPなどの表彰の場を設置することで、「この企業から承認されている・賞賛されている」と適度に自尊感情を高める。
意見を尊重し、時には組織の意思決定に参加させることで、当事者意識を持たせる。
マネージャーにフィードバック研修を実施するなど、フィードバックや面談で部下が「正当に評価されている」と感じられる環境を作る。
従業員の意見や不満を収集し、反映・改善する仕組みを導入する。
【お役立ち資料】社員が辞めない職場はどう作る?エンゲージメント向上の実践ガイド
また、コンピテンシーを明確にすることでもエンゲージメントの向上が期待できます。具体的な方法はこちらの記事をご参照ください。
関連記事:コンピテンシーとは?用語解説から活用シーンまで詳しく紹介
キャリアパスの明確化
人材が自分のキャリアを見通せる環境を整えることは、定着率向上に欠かせません。キャリアパスが明確であると、従業員は長期的な視点で自分の成長を考え、企業にとどまる意欲が高まります。
企業は、従業員に対して昇進の機会やスキルアップのための研修プログラムを提供することが求められます。
さらに、キャリアパスに沿った具体的な目標設定を支援し、その達成をサポートすることで、従業員が自分の成長を実感しやすくなります。
こうした取り組みは、従業員のモチベーションを高め、定着率の向上につながります。
福利厚生の充実
福利厚生は、従業員の生活の質や満足度に直接影響を与える重要な要素です。
健康保険、退職金制度、休暇制度などの基本的な福利厚生に加え、従業員のライフスタイルに合わせた柔軟な勤務時間制度やリモートワークの導入も重要です。
また、従業員が自分の健康や家族の生活を安心して守れるよう、健康診断やカウンセリングサービスの提供、育児休暇や介護休暇の充実など、幅広いサポートを整えることが求められます。
企業が福利厚生を充実させることで、従業員は長く働き続ける意欲を持つと同時に、企業に対する信頼感も高まります。
ただし、闇雲に世間で人気のある福利厚生を追加しても自社の従業員に響かなければかけたコストが無駄になってしまいます。従業員が現状の福利厚生のどんな部分に不足や不満を感じているのか、どんなサポートが受けられたらより働きやすいか、まずはヒアリングする必要があるでしょう。
自社の企業文化にマッチした人材の採用
自社の文化にマッチしている人材は、自社を働きやすいと感じ、活躍もしやすい人材です。そのような人材を採用すれば、定着率向上のための施策を行う前の現在の状態でも定着してくれる従業員となるでしょう。
自社に合っている従業員であれば、定着率向上を目指した改善の取り組みの方向性にも賛同してくれる確率が高く、施策を行うほどより満足度が上がります。ますます離職しにくい従業員となるでしょう。
関連記事:カルチャーフィットとは?重要性と選考時の見極め方、質問例を紹介
一方で、実務の能力は高いものの、自社にマッチしていない人材を採用する場合、現在の状態ですでに彼らは居心地が悪く感じるでしょう。入社後、自社のカルチャーとのミスマッチを感じてすぐに離職されてしまう可能性も高い上に、企業文化と反りが合わなければ、企業が良かれと思って行った定着率向上のための施策がより居心地の悪さを加速させることもあるでしょう。
新しい人材の採用の際は、実務の能力面だけではなく、企業文化や目指す方向性と、候補者の性格や考え方が一致しているかを確認し、自社にあった人材か見極めるようにしましょう。面接での質問を工夫したり、適性テストやリファレンスチェックを採用フローに取り入れる企業も多くあります。
適性テストやリファレンスチェックであれば、書類選考や面接で知ることが難しい候補者の本質や特性を見極めやすくなります。
リーダーシップの質の向上
リーダーシップは、従業員の定着率に大きな影響を与えます。
優れたリーダーは、従業員にとって明確な指標となり、彼らが企業に貢献する意味を感じられるようサポートしてくれます。
また、リーダーが従業員の成長を支援し、適切なフィードバックを提供することで、従業員は「このリーダーについていきたい」とチームへの帰属意識を高め、離職しづらくなるでしょう。チームへの貢献は、やがてチームの成果に結びつき、企業はチームを賞賛します。するとその従業員は企業に対する信頼感を持ち、やがては「自分もあのリーダーのように部下を牽引する存在になりたい」と、長期間にわたって企業に貢献し続ける意欲が高まるかもしれません。
リーダーシップの質を向上させるためには、リーダーに対するトレーニングやコーチングを実施し、彼らが部下を効果的にサポートできるスキルを習得させることが重要です。リーダーが率先して模範を示し、部下とのコミュニケーションを密にすることで、組織全体の定着率向上につながります。
定着率を向上させるならback check
本記事では、定着率の基本的な計算方法から、そのデータを企業改善に活用する方法、さらに定着率向上のための具体的な施策について解説しました。
従業員定着率は、企業が労働環境や人材管理の状況を把握し、改善するために重要な指標です。
定着率を正確に計算し、過去の自社データや業界平均より定着率が低い状態であれば改善を検討すべきでしょう。企業は定着率低下の原因を調査した上で、従業員満足度や従業員エンゲージメントを向上させる取り組みを行い、離職を防ぎましょう。長く定着する人材が多くなることで組織全体のパフォーマンスを高めることができます。
ただ、社内の既存の従業員に向けた定着率向上の取り組みだけでは、定着度を上げきることは容易ではありません。リファレンスチェックを活用し、そもそも離職されにくい人材を採用しましょう。
リファレンスチェックは、候補者と過去に一緒に働いた元上司や同僚に候補者について質問することで、通常入社後に顕在化する働きぶりやカルチャーマッチなどの言語化しにくい情報も把握できます。
back check株式会社が提供するオンライン完結型リファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」であれば、企業側は候補者の情報を登録したら後は待つだけでレポートが取得できるので、採用の段階で自社にマッチした離職されにくい人材を見極める事が可能となります。
定着率向上の取り組みの一環として、ぜひ、back checkの導入をご検討ください。


back check magazine 編集部
リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。










