リファレンスチェックで嘘は見抜ける?経歴詐称やなりすましの対処法を徹底解説

更新日:2025/11/19

執筆者:back check magazine 編集部

リファレンスチェック

採用活動において、候補者の経歴や実績の真偽を確認することは極めて重要です。

近年、リファレンスチェックを導入する企業が増える一方で、経歴詐称や推薦者のなりすましといった問題も顕在化しています。「候補者の申告内容は本当に信頼できるのか」「リファレンスチェックで嘘を見抜けるのか」といった不安を抱える人事担当者も多いのではないでしょうか。

本記事では、リファレンスチェックで発覚しやすい嘘のパターンから、なりすましを防ぐ具体的な対策、さらには経歴詐称が発覚した場合の適切な対処法まで、実務に役立つ情報を詳しく解説します。採用リスクを最小限に抑え、信頼できる人材を確保するために、ぜひ最後までご覧ください。

目次

リファレンスチェックで嘘は見抜けるのか?

リファレンスチェックは、採用候補者の申告内容の真偽を確認し、面接だけでは見えにくい側面を把握するための有効な手段です。特に、経歴詐称や実績の誇張など、候補者が意図的に隠そうとする情報を第三者の視点から確認できる点で重要な役割を果たします。

リファレンスチェックは候補者の嘘を見抜く有効な手段

リファレンスチェックが嘘の発見に有効な理由は、候補者の申告内容を第三者の視点から検証できる点にあります。候補者が面接や履歴書で申告した内容と、実際に一緒に働いていた推薦者からの情報を照合することで、以下のような虚偽を発見できる場合があります。

◾️リファレンスチェックで発見可能な虚偽の例

  • 在籍期間や役職

  • 職務内容の偽装

  • 実績や成果の過度な誇張

  • 退職理由

  • スキルや資格

推薦者からの証言は、候補者の自己申告とは独立した情報であるため、候補者から取得するものとは違う角度から、候補者の申告内容を確認することが可能となります。

なぜ候補者は嘘をつくのか

候補者がリファレンスチェックで嘘をつく理由は複数考えられます。その背景を理解することで、より効果的な対策を講じることができます。

◾️候補者が嘘をつく主な理由

  • 選考を有利に進めたい

  • 自信のなさや不安

  • 過去の失敗や不都合な事実を隠したい

  • 推薦者の確保が困難

このように自分を良く見せたい、推薦者がいないけどリファレンスチェックを断ると不利になると考えているなど、候補者が嘘をつく理由は様々です。

なお、転職HacksのWebアンケート(※1)によると、転職時に「採用面接で嘘をついたことがある(話を盛ったことがある)」と答えた人は26.83%という結果となりました。実に転職者の約4人に1人が面接で嘘をついている、あるいは話を盛っていることになります。

採用担当としてはこれらのような候補者の背景を踏まえ、候補者が正直に話がしやすい環境づくりと同時に、虚偽を見抜く仕組みの構築が重要となります。

※1 転職Hacks「答えづらい質問の回答例文も 958人に聞いた、面接における嘘の実態」株式会社クイック(2022年3月18日)

リファレンスチェックで発覚しやすい5つの嘘

リファレンスチェックによって発覚しやすい嘘には、いくつかの典型的なパターンがあります。

これらの嘘は候補者が自身の市場価値を高めたり、不利な情報を隠したりするために用いられることが多いため、採用担当者は特に注意するようにしましょう。

①学歴・職歴の詐称

学歴や職歴の詐称は、最も典型的な経歴詐称の一つです。リファレンスチェックでは、推薦者に候補者の基本的な経歴について確認することで、これらの詐称を発見できます。

◾️具体的な詐称例

  • 高卒を大卒と偽る

  • 留年や浪人を隠すために入学・卒業年度を偽る

  • 職歴を偽る

  • 契約社員雇用を正社員として偽る

これらの詐称は、候補者の基礎的な情報に関わるため、企業にとって採用判断に重大な影響を及ぼす可能性があります。

リファレンスチェックにより、推薦者から候補者の在籍期間や雇用形態などを確認することで詐称を見抜くことが可能です。

②在籍期間や役職の偽装

候補者が自身のキャリアをより魅力的に見せるために、在籍期間や役職を偽装するケースも少なくありません。短期間の在籍を長期間として申告したり、一般職を管理職として偽ったりするケースです。

リファレンスチェックでは、推薦者に対して候補者の具体的な役職や組織内での立ち位置について質問することで、これらの偽装を見抜けます。

特に役職については、その役職に求められる具体的な業務内容や責任範囲について深掘りすることで、申告内容との矛盾点を発見しやすくなります。

③実績・成果の誇張

面接や職務経歴書において、自身の実績や成果を過度に誇張するケースも頻繁に見られます。チームで達成した成果を個人の功績としてアピールしたり、目標達成率を実際よりも高く申告したりするケースです。

リファレンスチェックでは、推薦者に対して以下の点を確認することをおすすめします。

◾️確認すべきポイント

  • 候補者が関わったプロジェクトの具体的な内容

  • プロジェクトにおける候補者の具体的な役割

  • 成果に対する候補者の実際の貢献度

  • 具体的な数値目標と達成度

具体的な数値や事例を挙げて質問することで、誇張を見抜きやすくなります。

④退職理由の虚偽

前職の退職理由について、採用に不利になるような事実を隠蔽したり、虚偽の理由を申告したりするケースも少なくありません。

能力不足や人間関係のトラブルが原因で退職したにもかかわらず、キャリアアップや会社の方向性の違いといったポジティブな理由を申告するケースです。

リファレンスチェックでは、推薦者に対して候補者の退職理由や、退職に至るまでの経緯について質問します。

ただし、退職理由についてはデリケートな情報であるため、質問の仕方には十分な配慮が必要です。

⑤スキル・資格の詐称

自身のスキルや保有資格について、実際には持っていないスキルを申告したり、取得していない資格を記載したりするケースも存在します。

これらは専門性の高い職種や、特定の資格が必須となる職種において特に見られる詐称です。

リファレンスチェックでは、推薦者に対して以下の点を確認することでスキル・資格の詐称を見抜けます。

◾️確認すべき内容

  • 候補者の具体的なスキルレベル

  • 業務でのスキル活用状況

  • 保有資格の業務への貢献度

  • 具体的な業務成果との関連性

具体的な業務内容と照らし合わせながら質問することで、スキルや資格の詐称を効果的に見抜くことができるでしょう。

必要に応じて、資格証明書の提出を求めることも有効な手段となります。

リファレンスチェックで嘘が発覚した場合の対処法|内定取り消しはできる?

リファレンスチェックで候補者の嘘や経歴詐称が発覚した場合、企業は慎重な対応が求められます。特に内定取り消しは法的なリスクを伴うため、適切な手順を踏む必要があります。

対応方法は内定前と内定後で大きく異なるため、それぞれの状況に応じた適切な対処が重要です。

【内定前】本人に事実確認を取り合否を判断する

内定を出す前にリファレンスチェックで嘘が発覚した場合、まずは候補者本人に事実確認を行うことが重要です。

候補者の申告内容とリファレンス情報に食い違いがある場合、その理由を直接尋ね、候補者側の説明を聞く機会を設けます。

◾️事実確認の手順

  1. 候補者と推薦者の主張を整理する

  2. 具体的な食い違いポイントを候補者に伝える

  3. 候補者からの回答を受ける

  4. 虚偽申告かどうかを判断する

  5. 採用可否の最終決定

誤解や認識の違いである可能性もゼロではないため、一方的に判断を下すのは避けるべきです。事実確認の結果、意図的な虚偽申告であることが明確になった場合、企業はこれを踏まえて選考の可否を決定します。

なお、内定通知を出す前の段階であれば、まだ労働契約が成立していないのが一般的とされるため、比較的柔軟に採用の可否を判断できます。ただし、内定通知を出す前であっても、事実上の雇用契約が成立しているとみなされるケースもあるため、慎重な判断が必要です。

【内定後】虚偽申告が判明した場合の内定取消し可否

最高裁判所の判例(大日本印刷事件(最高裁昭和54年7月20日第二小法廷判決))では「内定は、解約権留保付労働契約である」とされており、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められる場合にのみ内定取り消しが許容されます。

◾️内定取り消しの要件

  1. 内定取り消しの理由が、使用者にとって、採用内定当時において知ることができず、また知ることが期待できないような事実であること

  2. 採用内定を取り消すことが解約権留保の趣旨・目的に照らして客観的に合理的と認められ、社会通念上相当として是認することができること

なお、内定取り消しを行う際は、候補者に対して内定取り消しの理由を明確に伝え、弁明の機会を与えるなど、適切な手続きを踏む必要があります。

また、内定取り消しが不当と判断された場合、損害賠償請求や地位確認訴訟に発展するリスクがあるため、弁護士などの専門家と相談しながら慎重に進めることが不可欠です。

関連記事:リファレンスチェックが原因で選考に落ちることはある?目的や確認項目を解説

推薦者のなりすましを防ぐ方法は?嘘を見抜くポイント3選

候補者が自身の経歴詐称を隠すために、知人などに推薦者になりすましてもらうケースもあります。

効果的ななりすまし防止対策を講じることで、リファレンスチェックの信頼性を高め、より正確な候補者評価が可能になります。

推薦者の本人確認を徹底する

最も基本的な対策は、推薦者からの同意を取得した上で、本人確認を徹底することです。複数の方法を組み合わせることで、なりすましのリスクを大幅に軽減できます。

◾️具体的な本人確認方法

・身分証明書の提出
写真付きの身分証明書(運転免許証、パスポート、社員証など)の提出を求める

・企業への在籍確認
推薦者が在籍する企業の人事部や代表電話番号に連絡し、実際の在籍状況を確認

企業ドメインメール使用
リファレンスチェックのやり取りを推薦者の企業ドメインメールアドレスで実施

名刺の提出
推薦者の名刺を求めて、記載情報と申告内容の整合性を確認する

これらの本人確認を徹底することで、推薦者のなりすましを未然に防ぐことができます。

ただし、候補者が現職に転職活動を伏せている場合もあるため、確認の際には細心の注意を払う必要があります。

※本人確認は目的達成に必要な最小限で実施し、候補者の明示同意を得た上で行います。現職に転職活動を秘匿している場合、在職先への照会は原則避け、業務用メールでの連絡や、職務上の関係が確認できる限定的資料など、リスクの低い手段を優先します。身分証や名刺画像の取得は必要最小限・保管期間限定・利用目的の明示・安全管理措置を伴う場合に限り検討します。

推薦者個人について深掘り質問をする

推薦者とのヒアリングにおいて、候補者に関する質問だけでなく、推薦者個人に関する質問を深掘りすることもなりすましを見抜く上で有効です。

本当に同じ職場で働いていた場合にしか答えられない質問をすることで、なりすましを発見できます。

◾️効果的な深掘り質問例

  • 「〇〇様(推薦者)は、△△様(候補者)のどのような業務で関わることが多かったですか?」

  • 「〇〇様(推薦者)の現在の役職や担当業務について教えていただけますか?」

  • 「職場の組織構成や他のチームメンバーについて教えてください」

  • 「候補者と一緒に参加したプロジェクトの具体的な内容を教えてください」

これらの質問を通じて、推薦者が本当に候補者と同じ職場で働いていたのか、またその関係性がどのようなものであったのかを確認します。

不自然な回答や曖昧な回答があった場合は、なりすましの可能性を疑うきっかけとなります。

リファレンスチェックの専用ツールを活用する

近年、リファレンスチェックを専門に行うツールやサービスが多数提供されています。これらのツールは、なりすまし防止のための機能が強化されていることが多く、企業が独自で対策を行うよりも効果的です。

◾️リファレンスチェック専用ツールの主要機能

機能

効果

推薦者の身元確認機能

身分証明書アップロード機能や企業への在籍確認を代行

オンラインプラットフォーム

専用プラットフォームへのログインが必要で第三者の介入を防止

過去データとの照合

過去のリファレンスチェックデータや公開情報との自動照合

回答時間の記録

不自然に短時間での回答や長時間の中断を検知

IPアドレス確認

回答者のアクセス元を確認し、不審なアクセスを検知

これらの専用ツールを活用することで、より厳格かつ効率的に推薦者のなりすましを防ぐことが可能になります。

また、システム化により人的ミスも減らすことができ、一貫性のある品質でリファレンスチェックを実施できるでしょう

※一部のサービスでは、不正対策として技術的手段(例:アクセスログの確認等)を用いる場合があります。利用にあたっては、プライバシーポリシーでの適切な通知・同意取得、目的外利用の禁止、保存期間の限定など、法令とガイドラインに適合する運用が必要です。

【ケース例】リファレンスチェックで嘘が発覚したときのケーススタディ

ここでは、リファレンスチェックで実際に嘘や詐称が発覚した際の具体的なケースと、それに対する企業の対応について解説します。

これらの事例を参考に、自社での対応方法を検討してみてください。

ケース①内定前に職歴詐称が発覚した

候補者Aは、職務経歴書に「〇〇株式会社に3年間在籍し、プロジェクトマネージャーとして複数の大規模プロジェクトを成功に導いた」と記載していました。

しかし、リファレンスチェックで前職の人事担当者に確認したところ、実際には〇〇株式会社に2年間しか在籍しておらず、役職もプロジェクトマネージャーではなく一般のメンバーであったことが判明しました。

◾️企業の対応 

内定前であったため、企業はまず候補者Aに事実確認を行いました。候補者Aは「早く内定が欲しかったため、実績を誇張してしまった」と虚偽申告を認めました。

企業は職歴詐称が採用の重要な判断基準となる職種であったこと、および候補者の誠実性に問題があると判断し、採用を見送る決定をしました。

◾️ポイント 

内定前であれば、企業は比較的自由に採用の可否を判断できます。しかし、候補者への事実確認は丁寧に行い、虚偽申告の意図や背景を理解しようと努めることが重要です。

ケース②内定後に実績を大幅に誇張していたことが発覚した

候補者Bは、面接で「前職で担当した新規事業において、売上を200%向上させた」とアピールし、その実績が高く評価され内定を獲得しました。

しかし、内定後のリファレンスチェックで、推薦者である前職の上司に確認したところ、実際には売上向上はチーム全体の努力によるものであり、候補者B個人の貢献度は限定的であったこと、また、200%という数値も特定の期間のみを切り取った誇張であることが判明しました。

◾️企業の対応 

企業は内定後であったため慎重に対応しました。まず、候補者Bに事実確認を行い、誇張の意図と具体的な状況について説明を求めました。すると候補者Bは「自分を良く見せたい気持ちが強かった」と認めました。

企業は、実績誇張が直ちに内定取り消しに値するほどの重大な経歴詐称であるかを総合的に検討し、今回は内定取り消しには至らず、入社後に改めて実績評価を行うことを条件に内定を維持しました。

ただし、入社後の評価基準を厳格化し、定期的な面談を通じて実績の進捗を確認する体制を整えました。

◾️ポイント

内定後の実績誇張は、内定取り消しが認められるかどうかの判断が難しいケースです。誇張の程度や、それが業務遂行にどれほど影響するか、そして内定承諾書の内容などを総合的に判断する必要があります。

ケース③推薦者のなりすましがあった

候補者Cは、リファレンスチェックの推薦者として、前職の同僚と称する人物Dを指名しました。しかし、リファレンスチェックの実施企業が推薦者Dに連絡を取った際、Dのメールアドレスがフリーメールであったこと、また、質問の回答が抽象的で内容に乏しいなど、不審な点がいくつか見受けられました。

さらに、Dに前職の企業名や具体的な部署名、候補者Cとの関係性について深掘りしたところ曖昧な回答が続き、最終的にDが候補者Cの友人であり、推薦者になりすましていたことが判明しました。

◾️企業の対応 

企業は推薦者のなりすましが発覚した時点で、候補者Cの採用を中止しました。推薦者のなりすましは、候補者自身の虚偽申告を隠蔽しようとする悪質な行為であり、企業と候補者間の信頼関係を著しく損なうと判断したためです。

◾️ポイント 

推薦者のなりすましは、経歴詐称と同様に企業の採用リスクを高める重大な問題です。ただし、重大な不正が疑われる場合でも、直ちに採用中止とせず、候補者に事実関係の開示と弁明の機会を与えたうえで、総合判断により採否を決定することが重要です。加えて、推薦者の本人確認を徹底し、不審な点があれば深掘りして確認することで、なりすましを防止できる可能性があります。

関連記事:リファレンスチェックでなりすましが起きる原因となりすましを防ぐ方法

リファレンスチェックを厳格に実施するならback check

リファレンスチェックで候補者の嘘や経歴詐称を効果的に見抜くには、適切な手順と専門的なノウハウが不可欠です。しかし、推薦者のなりすまし防止や法的リスクの回避など、自社だけで完璧に対応することは困難な場合も少なくありません。

採用の精度を高め、経歴詐称や虚偽申告のリスクを最小限に抑えるためには、信頼性の高いリファレンスチェックサービスの活用が効果的です。

back check株式会社では、オンライン完結型のリファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」を提供しています。

back checkでは、公的公開情報・Web情報・個別調査によって候補者の申告内容に虚偽がないか、コンプライアンスリスクがないかなどを確認するコンプライアンスチェックと、候補者と過去一緒に働いたことがある元上司や同僚から評価を得ることで、入社後に顕在化する働きぶりやカルチャーマッチといった言語化しにくい情報を確認するリファレンスチェックを同時に実施可能です。

特に、推薦者の本人確認については、名刺画像の提出などを用いた仕組みを設けており、なりすまし防止策を講じています。これにより、より信頼性の高い情報取得につながることが期待できます。また、個人情報保護法を遵守した安全な情報管理体制により、法的リスクを回避しながら効率的にリファレンスチェックを実施できます。

経歴詐称や虚偽申告のリスクを軽減し、信頼できる人材の確保を実現するために、ぜひback checkの導入をご検討ください。


back check magazine 編集部

リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。

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