MNTSQ株式会社

事業を強くする「素直さ」とは。 人事本部長が語る、「スキル」と「人物」の両立に妥協しない組織づくり 

2026年07月28日

導入事例・インタビュー

会社紹介

「すべての合意をフェアにする」というビジョンのもと、契約業務をテクノロジーで進化させる契約プラットフォームを展開するMNTSQ株式会社。同社は、日本企業売上TOP100の40%以上に導入されるなど、エンタープライズ領域を中心に事業を拡大している。営業・人事・会計などの領域と比べて、まだ基幹システムとしての明確な正解が確立されていない契約領域においてベストプラクティスを考え、顧客に提示し続けながら、契約インフラの新たな基準づくりに挑んでいる。

業種

IT

社員数

51〜300名

課題

1.事業成長に向けて採用を強化する中で、組織にとってのアンチパターンを避けるためのリスクマネジメントが必然となった。
2.組織変革の中で、採用においてスキルだけでなく人物面や成長可能性も重視する方針へと転換。自社が重視する「素直さ」や「アンラーン」の姿勢を持つ人材を見極める必要があった。

効果

1.『back check』のプロセス自体が候補者との相互理解を深め、双方が安心して信頼関係を築くステップとして機能している。
2.リファレンスチェックを通じて、面接では見えにくい周囲からの評価・評判等を確認。採用判断の補完情報として活用できている。

目次

「すべての合意をフェアにする」というビジョンを掲げ、ERPの“最後の空白地帯”と呼ばれる契約領域のインフラ構築に挑むMNTSQ株式会社。日本企業売上TOP100の40%以上に導入される急成長の裏で、同社はかつて「強い個」がぶつかり合う“組織の成長痛”を経験しました。

その壁を越えた今、同社が妥協なしに求めるのは、専門的なスキルに加えて「素直さ」や「アンラーン」の姿勢をあわせ持つ"良くて強い人材"です。急速な組織変革期においてなぜ人物面の見極めにこだわるのか。人事本部長の大森氏に、痛みを越え辿り着いた採用思想と組織づくりについて伺いました。

ERPの“最後の空白地帯”に挑む。答えのない市場で求められる「素直さ」

まず、貴社の事業特性と、採用が密接に関係するポイントについて教えてください。

大森: MNTSQは「テクノロジーで契約のインフラをつくる」ことをミッションに掲げ、「すべての合意をフェアにする」というビジョンのもと事業を展開しています。

もう少し平易に言うと、ERP、つまり基幹システムの契約版を、日本の超エンタープライズ、大手企業向けに提供している会社です。営業であればSalesforce、人事であればWorkday、会計であればSAPのように、各領域には代表的なプレイヤーが存在します。一方で、法務・契約領域には、そうした基幹システムとしての明確なプレイヤーがまだいない。

つまり、先行するプレイヤーがいない領域に向き合っているんです。世の中に「これはこういうシステムだよね」という共通認識や答えがない。だからこそ、自分たちで考え抜いて形にし、時にお客様を導いていかなければならない。それが私たちのビジネス環境です。

そのような領域に対峙し、答えを出していける仲間でマーケットに挑む必要があります。だから採用においても、「答えのないものに向き合えるかどうか」を非常に重視しています。

(人事本部長 大森 靖司氏)

答えのないものに向き合うために、特に大切にしている資質はありますか。

大森: 一番大切にしているのは「素直さ」です。

「素直に聞いてくれる」という意味だけではありません。もちろんそれも大切ですが、「素直に言う」を含めて、素直に対話できるかどうかを重要視しています。相手の意見を受け止める姿勢は大切ですが、ただ受け止めるだけでは、良い変化は生まれません。私たちは答えのない領域に対して自分たちで答えを見出し、紡いでいかなければならないので、そこに素直に向き合えるかどうか。

アンチパターンで言うと、「自分のやり方に固執する」「議論で相手を打ち負かす」といった姿勢は違うと思っています。答えのないものに対して、謙虚に向き合えるか。自分の意見が適切なこともあるかもしれないし、時には相手の意見の方がより良いこともあるかもしれない。その前提で向き合えるかどうかを見ています。

MNTSQでは、Valueとして「Be Professional」「Be Collaborative」を掲げています。自分の強みだけでなく弱みも理解し、自分の弱みは他者の強みに頼る。そうした姿勢があって初めて、私たちが向き合う領域で価値を発揮できるのだと思います。

「強い人材」から「良くて強い人材」へ。組織変革の中で変わった採用基準

MNTSQでは、組織フェーズの変化に応じて採用や人事制度の考え方も変わってきたと伺っています。どのような変遷があったのでしょうか。

大森: 大きく3つのフェーズがあると捉えています。2018年の「創業期」から2024年頃の急成長フェーズで迎えた「混乱期」、そして「再生期」という流れです(※)。

創業期から混乱期にかけては、「プロ」を採用することを重視していました。答えのないものに向き合い、形にしていくために、強い人材を採用する。見ていたのは、いわば“現有スキル”です。今、強いかどうか。成果を出せるかどうかにフォーカスしていた時期だったと思います。

一方で、事業のスケールに伴って、個々の持つ専門性や正しさを掛け合わせ、組織としての成果を最大化することに難しさを感じる場面も出てきました。たとえば議論の場では、成果に向き合う姿勢が強いからこそ、互いの主張が強くぶつかり合い、かえって議論が前に進みづらくなる場面もありました。強い個が集まっているからこそ、その力をぶつけ合うのではなく、どう掛け合わせていくのか。そこに向き合うことが、当時の大きなテーマだったのです。これは、いわば成長痛のようなものです。より強固な組織へと進化していくために、組織としてのあり方を改めて定義し直す、前向きなきっかけになったと捉えています。

参考:100人の組織をもう一度つくるまで - MNTSQが痛みを越えて掴んだもの -|MNTSQ株式会社(取得日:2026年7月1日)

そこから、どのように採用・組織づくりの考え方を変えていったのでしょうか。

大森: 入社後、組織サーベイや1on1を通じて、定量・定性の両面から組織のコンディションを見ていきました。その中で、このままではまずいという認識を経営や社員全体と共有しました。

そこで話したのが、「本当のプロとは何か」です。自分の強みだけでなく弱みも知っているべきだし、その弱みについては周囲の仲間の強みに頼る。自分の強みと弱みの両方を理解して初めて「本当のプロ」なのではないか、と。プロフェッショナルの解釈を変えた、というイメージです。

その頃から、採用に「人物」の目線を入れるようになりました。スキルだけではなく、素直さや成長可能性も見る。事業も会社も社員も、成長していくものだからです。

人事制度も、成果だけを見る考え方から変えていきました。以前は、人事制度の目的に「成長」という概念が十分に入っていなかったんです。そこで、「持続的な挑戦を通じた成長サイクル」をつくっていこうというコンセプトを打ち込み、成長という概念を組織にインストールしました。

現在は、さらに「責任」や「事業へのコミットメント」を重視するフェーズに入っているのですね。

大森: そうですね。スキルと人物の両方を見るようになり、素直な人が増え、組織の緊張感も緩和されてきたと思っています。一方で、事業として勝っていくためには、それだけでは足りない。

MNTSQでは「自由と責任の文化」ということを謳っています。ただ、自由と責任は常にメンテナンスし続けなければならない。油断すると、自由が“ワガママ”に、責任が“他責”に変貌してしまう可能性もある。だからこそ、事業で勝つために必要な責任を改めて定義しています。

2026年7月からは、責任・成長・成果の3点を重視して人事制度をアップデートしていきます。採用においても、スキルと人物を両立させながら、事業へのコミットメントを見ていく。これまでの「良い人材」から、「良くて強い人材」へ明確にシフトしているのが今のフェーズです。

同じ道をたどらないために。採用におけるリスクマネジメント

採用選考において、人物面はどのように見極めているのでしょうか。

大森: 大きな変化として、HRが面接に必ず関与するようになりました。以前は部門主導で採用していた時期もあり、スキルの見極めはできていた一方で、人物面の見極めには課題があったと思います。

現在は、必ず人事が面接に同席し、人物像を見極める体制に変えています。部長、本部長、役員など、適切な役職者が選考を担当するようにフローも整えました。

選考では主に、過去・現在・未来の文脈で、その人がどのような意思決定プロセスを積んできたのかを聞いています。見ているのは、一貫性があるかどうか。そして、他責性がないかどうかです。

あえて深掘りしすぎず、オープンクエスチョンで相手の考えを聞き出すことも意識しています。面接では、どうしてもこちらが知りたいことを問いに混ぜて、答え合わせのようになってしまうことがあります。そうではなく、候補者自身のことをフラットに、オープンに聞くことを大切にしています。

組織拡大や組織強化のフェーズにおいて、採用で避けなければならないリスクを言語化すると、どのようなものになりますか。

大森: ある種、過去に戻らないようにしていくことが大事だと思っています。

事業を強くしていくうえで、自身の強みだけではなく弱みにも向き合うべきであるということを直視し「成果」だけでなく「成長」も重視するようになりました。そうして自然と素敵な人が集まる組織に変化してきた一方で、事業で勝つことは当然求められる。だからこそ、スキルと人物を両立させていこうとしている。

そのために重要なのは、過去の成功体験に固執せず、組織のあり方や求める人材定義をアップデートし続けることだと考えています。

「同じ道をたどらない」ための採用におけるリスクマネジメントですね。

大森: そうですね。求める人物像の根幹は、今も変わっていません。やはり「素直さ」だと思います。

別の言葉で敢えて言い換えるならば、アンラーン、メタ認知、自己認知、コーチャブル、セルフアウェアネス。そういったものです。MNTSQは、答えのない領域に向き合っています。大手企業の作法や仕組みへの想像力も必要ですし、多くの人にとって初めてのことに向き合う場面も多い。だからこそ、学び直し、素直に向き合う力が必要になります。

最近、社内や採用の場でよく出る言葉としては、アンラーン、ストレッチ、コミットメントがあります。アンラーンや素直さは以前から大切にしてきた文脈ですが、ストレッチやコミットメントは、より「強い組織」や「責任」という文脈を帯びている言葉だと思います。

面接では見えない“一緒に働く仲間からの評判”を知る。『back check』が担う見極めの補完

『back check』のリファレンスチェックやコンプライアンスチェックは、採用においてどのような役割を担っていますか。

大森:一番の目的は、入社された方が早期にパフォーマンスを発揮できるよう、安心して協働できる関係性を築くことです。その上で、面接だけでは見えづらい普段の働き方や、周囲とのコミュニケーションにおいて懸念がないかを多角的に確認する役割を担っています。

また、このプロセスを通じて、候補者の方と相互理解を深められることも大切だと考えています。

チェックの存在自体が、候補者とのマッチングを確認するうえで重要な要素にもなっているのでしょうか。

大森: そうですね。割合はまれですが、選考プロセスの中にチェックがあることを知って辞退されるケースはあります。一方で、前職の方に依頼することが難しい場合には、前々職の方や、第二新卒であれば学生時代の知人、大学の先生など、推薦者として依頼できる方を調整するケースもあります。

ワンクッション置いたうえで、それでも難しい場合には、残念ながらご辞退いただく流れです。単に「できないなら不採用」ということではなく、個別の事情に合わせて案内しながら、それでもなお難しいかどうかを見ています。

『back check』を導入された背景として、候補者体験や情報の一元化も評価いただいたと伺っています。

大森: はい。候補者体験やUIが良く、候補者が対応しやすいことは大きかったです。また、他社で取得済みのレポートを活用できるレポート共有機能もあります。全体の1割程度ではありますが、実際に活用しています。

情報の共有については、ATSでURLを共有し、必要があればATSやチャットツールでやり取りしています。レポートの項目も、あまり考え込みすぎずに読み解くことができる設計になっていると感じています。

コンプライアンスチェックのレポート内容については、どのように活用されていますか。

大森: コンプライアンスチェックについては、内容を受け止めたうえで「これはどういうことだろう」と確認しています。その際に、『back check』のカスタマーサクセスから補足情報をいただきます。一般的にどう解釈することが多いのか、他社ではどのような点が注意されているのかといった基準を共有いただけることで、判断の助けになっています。

導入後、採用や組織に変化はありましたか。

大森:「スキル」と「人物」の両方を見る選考へシフトして以降、入社者の定着や初期のエンゲージメントには、良い変化がみられています。

もちろん、これは『back check』の成果だけではなく、HRが選考に深く関与する体制へ変えたこと、人事制度や組織づくりを見直してきたことなど、複数の取り組みが重なった結果だと考えています。

ただ、採用時に面接だけでは把握しきれない情報を確認できること、またチェックのプロセスに対する候補者の方の受け止め方も含めて相互理解を深められることは、採用のリスクマネジメントにおいて有用だと感じています。

「馴染む」から「発揮する」へ。採用からオンボーディング・育成への接続展望

今後、『back check』をどのように活用していきたいと考えていますか。

大森: 現状では、入社後にback checkの結果を活用している部門はほとんどありませんが、入社後に社員と向き合ううえでの情報として活用できる部分もあるのではないかと考えています。目標設計や、さまざまな働きかけにも役立つかもしれませんね。

オンボーディングの考え方も変化してきているのでしょうか。

大森: そうですね。以前のオンボーディングのスタンスは、「この文化に慣れなさい」「馴染みなさい」に近かったと思います。今は、「発揮する」へ変えています。

いい意味で尖った部分があるから採用しているはずなのに、慣れさせるだけでは意味がない。強みはちゃんと発揮してもらうべきです。馴染むことに加えて、発揮すること。そこを重視し、オンボーディングのスタンスも変わってきています。

リファレンスチェックで得られる強み・弱みの情報は、まさにオンボーディングにも接続できそうですね。

大森: そう思います。本人の強みや弱みを踏まえたうえでオンボーディングに接続することは、非常に良いと思いました。

推薦者からいただいた回答をそのまま本人へ伝えるものではないという前提のうえで、上長やオンボーディングに関わる人が、咀嚼した形で活用できるとよいのではないかと思います。

今後は、『back check』の結果と入社後の活躍を照らし合わせたり、活躍人材の傾向を見たりすることもできるかもしれません。質問項目のチューニングも含めて、採用で得た情報を入社後の活躍支援につなげていく余地はあると思っています。

最後に、事業成長に向けた採用・組織づくりに向き合う人事責任者の方へ、メッセージをお願いします。

大森: 採用において大切なことの一つは「誰を仲間に迎えるか」を間違えないことだと思います。

事業を強くしていくためには、個人のスキルも重要です。ただ、スキルだけを見てしまうと、過去と同じ道をたどってしまう可能性がある。だからこそ、人物や素直さ、アンラーンできるか、他者の強みを頼れるかといった観点を見続ける必要があります。

私たちは、答えのない領域に挑んでいます。だからこそ、完璧な人を探すのではなく、自分の強みも弱みも理解し、周囲と協働しながら、事業にコミットできる人を仲間に迎えたい。

『back check』は、面接だけでは見えない普段の働き方や周囲からの信頼を知るうえで、重要な補完情報になると感じています。

採用は、単に入社を決めるためのプロセスではありません。組織がより強くなるための入口です。だからこそ、採用で得た情報を、入社後のオンボーディングや育成にもつなげながら、仲間が強みを発揮できる組織づくりを進めていきたいと考えています。

この記事をシェアする

導入企業さまへのインタビュー

他のインタビューはこちらから

客観的な評価で活躍人材の採用を実現

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。利用に際しての料金や機能についてなど詳しくご案内します。