リファレンスチェックは勝手に実施できる?企業が考えるべきリスクや注意点を紹介
リファレンスチェックを行うと、経歴詐称している候補者や企業文化と合わない候補者の採用を未然に防ぐことができ、採用ミスマッチやトラブルの減少につながります。「問題を抱えている候補者を採用しないために、リファレンスチェックを行いたい」という企業の要望も増えてきています。
しかし「リファレンスチェックの実施を候補者へ伝えず、勝手に実施して良いのか?違法ではないのか?」と、心配されている企業の方も少なくありません。企業の不適切な行為は信用低下や業績悪化につながる恐れがあるため、正しいリファレンスチェック実施方法を押さえておくことが大切です。
本記事では、リファレンスチェックの実施を候補者へ伝えずに勝手に実施することのリスクや注意点、リファレンスチェックの正しい実施方法などを解説します。
目次
- リファレンスチェックとは?
- リファレンスチェックの質問例
- リファレンスチェックのメリット
- 候補者の経歴を確認できる
- 面接や履歴書では分からない第三者からの客観的な評価を確認できる
- 候補者と企業のミスマッチを防ぐことができる
- リファレンスチェックのデメリット
- 多少の時間と費用がかかってしまう
- 候補者を疑っていると思われる可能性がある
- リファレンスチェックは勝手に実施できる?
- リファレンスチェックが違法行為となる例
- 採用担当者が候補者の情報を勝手に調べること
- 採用に関係のない質問をすること
- リファレンスチェック後の内定取り消し
- リファレンスチェック実施の際に気を付けること
- 候補者の同意を得る
- 個人データの情報管理の徹底
- リファレンスチェック実施の流れ
- 企業が候補者にリファレンスチェックの承諾を得る
- 候補者が以前一緒に働いたことのある第三者(推薦者)に許可を取る
- 企業が推薦者に連絡をする
- おすすめのリファレンスチェックサービス3選
- oxalis(オキザリス)
- MiKiWaMe Point(ミキワメポイント)
- back check(バックチェック)
- まとめ
リファレンスチェックとは?

リファレンスチェックとは、候補者と過去一緒に働いたことのある関係者に、候補者の客観的な評価を確認する調査です。
採用ミスマッチを防止するためには候補者がどのような人物かを知る必要がありますが、書類や数回の面接だけでは十分な情報を得られません。候補者についてよく知っている関係者に調査を行えば、通常の採用フローだけでは得られない情報も知ることができます。
リファレンスチェックの質問例
リファレンスチェックの質問例をいくつか紹介します。
候補者の人柄や印象はどのように感じていますか?
候補者の長所・短所はどのような部分だと思いますか?
候補者の業務に関する問題点・改善点はありますか?
候補者が担当していた業務や実績を教えてください。
職場でのコミュニケーションの様子を教えてください。
候補者とまた一緒に働きたいと思いますか?
履歴書・職務経歴書などの書類や面接で得られる情報は、候補者の主観的な内容に偏りがちです。候補者について深く理解するために、リファレンスチェックでは客観的な評価を確認できる質問を行います。
リファレンスチェックのメリット

リファレンスチェックの主なメリットは以下の3点です。
候補者の経歴を確認できる
面接や履歴書では分からない第三者からの客観的な評価を確認できる
候補者と企業のミスマッチを防ぐことができる
いずれも通常の採用フローではなかなか確認することが難しい内容です。それぞれのメリットについて解説します。
候補者の経歴を確認できる
リファレンスチェックのメリットとして、候補者の経歴を確認できる点が挙げられます。
経歴は履歴書や職務経歴書など、候補者が作成する書類にも記載されている内容です。しかし候補者は自分をよく見せようと思うあまり、内容を盛って記載しているケースも珍しくありません。故意に行っている人だけでなく、無意識で盛ってしまう候補者も存在します。
履歴書や職務経歴書の内容が、事実と異なる場合もあるのです。候補者と一緒に働いていた第三者に事実確認をすれば、経歴・職歴に虚偽がないかどうか確認できます。正しい経歴を確認するには、リファレンスチェックが有用です。
面接や履歴書では分からない第三者からの客観的な評価を確認できる
リファレンスチェックを実施すれば、第三者からの客観的な評価も確認できます。
面接や履歴書から得られる情報は、ほとんどが候補者の主観による内容です。そのため周りからどのような評価を得ているか、実態はなかなか把握できません。他者から得た評価をアピールする候補者もいますが、事実かどうかの確認ができません。
リファレンスチェックでは、第三者から候補者の情報を得ることができます。客観的な評価を確認できれば、候補者についてより理解を深められます。
候補者と企業のミスマッチを防ぐことができる
リファレンスチェックは候補者と企業のミスマッチを防ぐ上でも効果的です。
採用後に発生するトラブルには、企業と候補者のミスマッチが原因のケースが多くみられます。候補者のスキルや能力面のミスマッチだけでなく、企業の雰囲気やカルチャーとの相性も重要なポイントです。採用後に発覚したミスマッチは、候補者のストレスや業務上の支障にもつながります。
リファレンスチェックでは、過去一緒に働いていた人から、候補者の働きぶりを確認することが可能です。客観的な人物像について情報を得られれば、企業のカルチャーにマッチするかも判断しやすくなります。結果として採用ミスマッチの防止につながるのです。
リファレンスチェックのデメリット
リファレンスチェックは候補者について多くの情報が得られる一方で、以下のようなデメリットも存在します。
多少の時間と費用がかかってしまう
候補者を疑っていると思われる可能性がある
デメリットを知らずに進めてしまうと思わぬトラブルにつながりかねないので注意が必要です。デメリットについて詳しく解説します。
多少の時間と費用がかかってしまう
リファレンスチェックの実施には、多少の時間と費用がかかってしまいます。通常の採用フローよりもコストが大きくなる点は、導入前に把握しておくべきです。調査そのものや結果分析、人件費に加えて、代行会社へ依頼する場合は依頼料もかかります。またリファレンスチェックツールを導入するにあたっても、費用がかかります。
リファレンスチェックを検討する際は、コストをかけてでも客観的な評価を確認したいのか、採用ミスマッチによる早期離職との費用対効果などを見極める必要があります。
候補者を疑っていると思われる可能性がある
リファレンスチェックを実施する際は、事前に候補者からの承諾が必要です。しかしリファレンスチェックを行いたいと伝えると、自分が疑われているような気持ちになる候補者もいます。
海外や外資系企業では当たり前のようにリファレンスチェックを行なわれていますが、日本ではまだあまり馴染みがありません。そのため抵抗を示す人も一定数存在します。
候補者に疑われていると思われてしまうと、信頼関係に傷がつく恐れがあります。リファレンスチェックを行う際は、候補者に事前に分かりやすく背景や内容を説明し、納得してもらった上で進めましょう。
リファレンスチェックは勝手に実施できる?
リファレンスチェックそのものは、違法行為ではありません。しかし誤った方法を取ってしまうと、法律に反してしまう恐れがあります。
リファレンスチェックを実施する際は、個人情報保護法に抵触しないかが特に大切です。個人情報保護法・第二十三条では以下の旨が記載されています。
(第三者提供の制限)
第二十三条 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはならない。
前述したようにリファレンスチェックを実施する際は、事前に候補者から承諾を得る必要があります。その理由となる法律が個人情報保護法です。
リファレンスチェックを実施すること自体は違法行為ではありませんが、候補者から承諾を得られた場合のみに限ります。候補者の承諾を得ず、勝手にリファレンスチェックを実施しないよう、個人情報保護法についてしっかり理解しておく必要があります。
リファレンスチェックが違法行為となる例
候補者の承諾を得ず、勝手にリファレンスチェックを実施することは違法だとお伝えしました。
リファレンスチェックの違法行為について具体例を紹介します。
採用担当者が候補者の情報を勝手に調べること
採用担当者が候補者の情報を勝手に調べることは違法行為です。個人について調査を行う際には、必ず候補者本人の承諾を得る必要があります。
やってしまいがちな違法行為として、知人伝えもしくはSNSを使った調査が挙げられます。
候補者の前職場にプライベートで付き合いのある知人がいたとしても、その知人から情報を得るのは違法です。またSNSを使って候補者について調査する行為も、承諾を得ずに勝手に実施することは違法行為に当てはまります。
リファレンスチェックを実施する際には、個人情報保護法第十七条も理解しておく必要があります。
(適正な取得)
第十七条 個人情報取扱事業者は、偽りその他不正の手段により個人情報を取得してはならない。
採用に関係のない質問をすること
候補者から承諾を得たとしても、好き勝手に調査できるわけではありません。採用に関係のない質問をすることは違法行為に該当します。
採用に関係のない質問の例として、以下の内容が挙げられます。
人種や信条・思想などに関する質問
業務に影響のない病歴に関する質問
社会的差別につながる恐れのある質問
リファレンスチェックは候補者に関する情報を集めるために実施されますが、調査できる内容は採用フローや業務上で必要な範囲のみです。採用に関係のない質問はしないように注意しましょう。
リファレンスチェック後の内定取り消し
リファレンスチェック後の内定取り消しは原則禁止されています。
内定を出した後は、勤務開始日を迎えていなくても雇用契約が成立している状態です。すなわち内定取り消しは、法律上は解雇と同様の意味を持ちます。合理的な理由がない、もしくは社会通念上で不適切と考えられる場合の解雇は無効です。内定取り消しも同様に法律的には認められていない行為のため、違法行為に該当してしまいます。
ただし以下のような場合は、リファレンスチェック後の内定取り消しが認められます。
経歴詐称が発覚した場合
懲戒処分の経験など、あえて隠していた不都合な事実が発覚した場合
書類や面接でアピールした内容が事実と大きく異なっていた・許容できる範囲を遥かに超えて良いものと演出していた場合
リファレンスチェック実施の際に気を付けること
リファレンスチェックは方法を誤ってしまうと法律に抵触してしまう恐れが強いです。違法行為に当たらないよう、正しく実施する必要があります。
リファレンスチェックを実施する際に気を付けることを解説します。
候補者の同意を得る
繰り返しの内容になりますが、リファレンスチェックを実施するには候補者からの同意を得ることが何よりも大切です。個人情報保護法に抵触しないためには、候補者からリファレンスチェックの実施について承諾を得なければなりません。
しかし前述したように、候補者が抵抗を感じたり、企業から疑われているような気持ちになる恐れもあります。候補者に納得してもらうには、リファレンスチェックを実施する理由や目的の丁寧な説明が必要です。
関連記事:リファレンスチェックにお礼は必要?候補者側・採用企業側のお礼の方法やタイミング
個人データの情報管理の徹底
リファレンスチェックを実施する場合、個人データの情報管理の徹底も求められます。
リファレンスチェックは個人情報を取り扱うため、情報管理の徹底が非常に大切です。調査によって得られた個人情報の徹底的な管理・保護が求められます。
なお個人データの情報管理については、個人情報保護法のうち以下の部分と深く関係します。
第十九条:データ内容の正確性の確保等
第二十条:安全管理措置
第二十一条:従業者の監督
第二十二条:委託先の監督
必要以上の活用や開示、万が一の漏洩などが起こらないよう注意が必要です。
関連記事:リファレンスチェックをするのは最終面接の前?後?タイミングごとのメリット・デメリットを解説!
リファレンスチェック実施の流れ

リファレンスチェックを実施する流れは以下の通りです。
企業が候補者にリファレンスチェックの承諾を得る
候補者が以前一緒に働いたことのある第三者(本記事内では推薦者と呼びます)に許可を取る
企業が推薦者に連絡をする
それぞれのステップごとに解説します。
企業が候補者にリファレンスチェックの承諾を得る
まずは候補者に対して、リファレンスチェック実施の承諾を得ます。承諾を得る前の段階では、一切の調査が認められません。
リファレンスチェックの承諾を得る際、以下の内容を併せて伝えるとより候補者に納得してもらうことができます。
リファレンスチェックの目的
リファレンスチェックのメリット(候補者側にもメリットがあると伝える)
リファレンスチェックで調査する内容
リファレンスチェックは日本ではまだ馴染みの薄い行為であるため、不安を感じてしまうケースも多くみられます。そのため丁寧な説明をして、候補者の不安を解消することが大切です。
候補者が以前一緒に働いたことのある第三者(推薦者)に許可を取る
候補者の承諾を得られても、すぐにリファレンスチェックを実施できるわけではありません。候補者にお願いをして、推薦者の許可を取る必要があります。この対応は候補者がやらなければならないため、実施のネックになりやすい部分です。
企業の要望によりますが、推薦者は一緒に働いていた同僚や上司の2名以上になることが多いです。候補者の仕事内容が分かる人、客観的な評価ができる人を選ぶ必要があります。
関連記事:リファレンスチェックは誰に頼むべき?候補者が注意すべき点を解説!
企業が推薦者に連絡をする
推薦者の許可が取れたら連絡先を確認し、企業から推薦者に連絡をします。この段階では候補者は関わりません。企業が推薦者と日程調整をして、書面または電話でリファレンスチェックを行います。
リファレンスチェックの際は、質問例で紹介したような内容を聞きます。候補者の人物像についてより深く理解するために、実際にトラブルが発生した際の対応や、職場での雰囲気・役割などの具体的な質問をするケースも多いです。
リファレンスチェックが終了したら、情報の整理や確認を行います。レポートなどにまとめ、採用担当者や関係者間で候補者について改めて評価を進めます。
関連記事:【推薦者向け】リファレンスチェックの回答を頼まれたら?回答方法や注意点を解説
おすすめのリファレンスチェックサービス3選
リファレンスチェックは自社での実施も可能です。しかしノウハウや個人情報の管理なども必要になり、簡単ではありません。専門の代行会社への依頼やリファレンスチェックサービスを導入することで、リスクの管理や工数の削減につながります。
今回はおすすめのリファレンスチェックサービスを3つ紹介します。
oxalis(オキザリス)

LIF株式会社は「oxalis」という、オンラインリファレンスチェックサービスを提供しています。
リファレンスチェックに必要な以下の手続きを、すべてオンラインで実施できます。
候補者へのリファレンスチェック提出依頼
推薦者へのリクエスト
お礼、フォローアップの連絡
サーバーのセキュリティ対策も十分です。サービスを通して得た個人情報を、安全に保存できます。国内で初めてのオンラインリファレンスチェックサービスであり、実績も高く安心です。
複数のプランが用意されていますが、いずれもシンプルで分かりやすい内容で、追加料金は一切かかりません。
MiKiWaMe Point(ミキワメポイント)

株式会社HRRTは「MiKiWaMe Point」「TASKEL」という2つのリファレンスチェックサービスを提供しています。
MiKiWaMe Pointは、オンラインでリファレンスチェックが行えます。必要な情報をWeb上に入力したら、あとは結果がまとめられたレポートが届くのを待つだけです。推薦者の平均返答期日が3日という短さや、見やすくまとめられた分析機能などの特徴を持ちます。
TASKELは一般的なリファレンスチェックと調査をかけ合わせたサービスです。多様なニーズに対応できるよう、特徴の異なる4つのプランが用意されています。
サービスやプランの種類が多いため、自社に適したリファレンスチェックの方法を選びやすいです。
back check(バックチェック)

back check株式会社はオンライン完結型のリファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス 「back check(バックチェック)」を提供しています。
back checkはオンラインでリファレンスチェックを完結できます。カスタマーサポートチームによるフォローも受けられるため、自社の採用活動に合った適切なリファレンスチェックが実施できます。
back checkの公式サイトでは、導入企業へのインタビューなども掲載されています。リファレンスチェックに関する理解をしっかり深められることができます。
企業の負担を最小限に抑えながら、十分なリファレンスチェックが実施できます。
まとめ

リファレンスチェックは、候補者の客観的な評価を得ることができ、採用ミスマッチを防ぐために有効な手段です。一般的な採用フローでは候補者の主観的な情報に偏りがちですが、リファレンスチェックを実施すれば公正で平等な採用判断が可能になります。
非常に有用な手段ですが、正しい知識・ノウハウがない状態のまま進めてしまったり、候補者の承諾を得ずに勝手に実施してしまうと、違法行為になってしまう恐れがあります。適切に実施するためには、リファレンスチェックに関してしっかりと理解を深めることが大切です。
早期離職や内定辞退、採用ミスマッチを防ぐためにも正しいリファレンスチェックを行いたいと考えている企業の方は、ぜひオンラインリファレンスチェックサービス「bank check」の導入をご検討ください。


back check magazine 編集部
リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。







