カルチャーフィットとは?採用活動で候補者とのマッチ度をはかる方法も紹介
「面接では評価が良かったのに、実際に一緒に働いてみるとなんだかチームに馴染んでいない」「せっかく採用したのに3ヶ月で退職してしまった」など、企業の採用活動においてこのような状況は少なくないのではないでしょうか。こうした採用ミスマッチを解消するためカルチャーフィットを重視した採用活動が注目されています。本記事では、企業の採用担当者が知っておくべきカルチャーフィットについてや、企業のカルチャーと候補者とのマッチ度をはかる方法をご紹介します。
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目次
採用活動におけるカルチャーフィットとは
採用活動におけるカルチャーフィットとは、企業のカルチャー(価値観、ビジョン、雰囲気)と、候補者の価値観のマッチ(一致)度のことです。
企業のカルチャーは、組織の事業フェーズによってもさまざまです。ベンチャー企業の場合は、一人ひとりが主体性をもち力技で課題を解決するようなカルチャーが求められることもあります。また一定の規模感がある企業の場合は、組織の中で効率的かつ円滑に業務を進めていくことに協力的なカルチャーが求められます。
社員が企業のカルチャーに共感していると、業務がスムーズに進行し高い生産性が期待できたり、採用ミスマッチによる早期離職が少なくなるため、無駄な採用コストの削減につながります。
価値観はスキルとは違い、入社後に教育することが難しいです。最近では入社前に企業のカルチャーと候補者の価値観に乖離がないことを確認するために、採用基準に「カルチャーフィットするかどうか」を組み込む企業が増えてきています。
企業がカルチャーフィットを重視する理由
カルチャーフィットを重要視している企業が増えている理由は何でしょうか。それはカルチャーフィットしていないと以下のようなデメリットがあるからです。
周囲との性格特性や価値観が異なるため前提となる行動原理が理解できず、既存社員・新入社員の双方にストレスがたまる。
仕事の進め方が周囲と合わず業務の効率が下がり、成果が出しにくくなる。
成果が出しにくい環境の中で適応する前に低い評価がくだされてしまい、早期に退職する可能性が出てきてしまう。
候補者が企業のカルチャーとマッチしない場合、上記のような問題が生じ、企業全体のパフォーマンス低下が予測されます。特に早期離職による企業の損失は大きいため、防止策に力を入れている企業は多いです。
厚生労働省の調査では、中途社員が入社後3年以内に離職する割合は、30%を超えていることが報告されています。

出典元:『中小企業庁』第2章 中小企業・小規模事業者における人材の確保・育成
また早期離職が発生する原因として、リクナビNEXTの調査では「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」が1位、「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」が3位、「社長がワンマンだった」が6位、「社風が合わなかった」が7位と、上位の半数近くを企業文化に関連するミスマッチが占めていることが分かります。
退職理由の本音ランキング
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
6位:社長がワンマンだった(7%)
7位:社風が合わなかった(6%)
7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)
7位:キャリアアップしたかった(6%)
10位:昇進・評価が不満だった(4%)
出典元:転職理由と退職理由の本音ランキングBest10|リクナビNEXT
UZUZの第二新卒を対象とした調査でも、「人間関係が良くなかった」「社風が合わなかった」が、退職理由の上位に並んでいます。

出典元:『UZUZ』【調査リリース】転職希望者は年末年始に急増|20代の「第二新卒」に聞いた転職活動事情
このように、早期離職は企業のカルチャーと社員とのミスマッチが大きな原因にあります。そのため、採用段階で企業と候補者とのカルチャーフィット率を上げることを目標にし、より経営視点で採用をする企業が増えてきているのです。
カルチャーフィットを判断する方法
採用活動で重要視されるカルチャーフィットですが、前提としてカルチャーフィットを判断することは簡単ではありません。
企業のカルチャーに明確な基準や定義を定めていない場合、面接担当者が自社のカルチャーについて十分な理解ができておらず、自身の経験で「この人は自社とマッチしている」「この人は自社の雰囲気とは違う気がする」といった感覚で判断してしまうことがあります。その感覚が見当違いであると、入社後にカルチャーのミスマッチが生じてしまい早期離職につながってしまうことが少なくありません。
それでは、企業と候補者のカルチャーフィットを見極めるためにはどのような方法があるのでしょうか。
自社のカルチャーを明確に定義する
カルチャーフィットを採用基準に入れる場合、最も重要なのは自社のカルチャーを面接担当者が正しく理解することです。
自社のカルチャーが明確に定義されていれば、候補者の価値観を確認した際に、自社のカルチャーと候補者の価値観がマッチしていることを判断しやすくなります。また「自社のカルチャーのこの部分と候補者の価値観のこの部分がフィットしていない」と、根拠を持って判断することができます。
企業のカルチャーは多くの社員が持つ価値観や行動特性の傾向です。自社のカルチャーを言語化し、社員一人ひとりに伝えることによって、自社のカルチャーを共通言語として認識することができ、より一層カルチャーが浸透しやすくなります。そして自社のブランディングや社員の一体感の形成につながります。
カルチャーとは「社内で信頼される言動の集合体」である
では、企業のカルチャーはどのように定義されるのでしょうか。
ポイントは「社内で信頼される人の言動の明確化」です。企業のカルチャーは「社内で信頼される言動の集合体」といえます。なぜなら、社内で信頼される言動は、讃えられ、評価され、皆が目指す姿になるため、自ずと多くの社員がその言動に近づくことになるからです。
例えば、長い時間稼働して成果を上げることが良しとされている企業もあれば、逆に長時間の労働は悪とされ、短時間でさっさと業務を終えることが評価される企業もあります。このように企業のカルチャーは善い悪いの判断が真逆になることもあるほど、企業によって差が生じやすいものです。カルチャーフィットするしないの見極めを怠った場合、企業も候補者もお互い幸せになることはありません。
社内で活躍し信頼されている社員の共通項を明らかにし、行動特性の傾向を自社のカルチャーとして定性的・定量的に明示することができれば、候補者がその特性やそれと近い傾向をどれほど持てているかを見極めることで、カルチャーフィットしているかを確かめられます。
候補者の価値観や行動特性を把握する
企業のカルチャーを明確化できたら候補者の価値観や行動特性を把握し、一致度を判定します。下記で紹介しているワークショップやリファレンスチェックの実施で、より正確に候補者の情報を確認することができます。
複数回の面接で価値観を深ぼる
自社のカルチャー理解と同様に、候補者の価値観についても面接の質疑応答で理解を深めます。候補者が「どんな想いをもって働いているのか」「今後どのように成長していきたいのか」「何を成長だととらえているのか」など、候補者の根底に流れる考え方や価値観を面接で確認します。
面接で候補者の深い考えや価値観までを確認するには質問の設計が重要です。
価値観と聞くとその人の考え方を直接問うことだとイメージしがちですが、候補者の考えだけではなく、これまでの実績や経験などの事実をバランス良くヒアリングする必要があります。
客観的な事実に対して、候補者がそれをどのように解釈し行動したことがあるかを知ることで、その解釈や行動が自社のカルチャーとどれくらいフィットしているか確認しやすくなります。
ただ、面接で聞いた候補者の価値観が実際その人の行動に現れる保証はありません。面接で評価を得るために、評価されるであろう回答を頭で考えて答えることができてしまうからです。
こうした事態を避けるために、候補者のこれまでの行動や経験に基づいて回答が引き出せるような質問を設計するのが良いでしょう。
例えば、候補者の過去の実績について、当時の状況(Situation)、当時の課題(Task)、取った行動(Action)、得られた結果(Result)というように掘り下げて質問をする。「もし〜という状況だったら、過去のどのような経験からあなたはどのように対処しますか」など仮説条件のもと、経験に裏打ちされた候補者の行動や意思決定の方法を確認することで、一時しのぎの回答を防ぐことが可能です。
【お役立ち資料】優秀人材を逃がしてしまう面接担当者3つのNG
自社ワークショップなどへ招待する
採用試験の一環として自社のイベントに参加してもらうこともカルチャーフィットを図るための手段として有効です。
選考の最終段階でワークショップなどに参加してもらい、社員と実際にコミュニケーションを取ってもらうことで、候補者がカルチャーフィットするかどうかを見たり、逆に候補者に自己の価値観と合っているかを確認してもらうことができます。
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リファレンスチェックを実施する
候補者の価値観を知る方法として第三者へのリファレンスチェックを行うという方法もあります。
リファレンスチェックとは、候補者の実績や人物像などを一緒に働いたことのある第三者から取得することです。書類や面接では分からない、本当の候補者の情報を第三者から得ることで、採用におけるリスクを軽減することができます。
リファレンスチェックを実施する目的は、経歴や職歴詐称の検知や求めているスキルを本当に有しているかの確認が一般的です。一緒に働いたことのある第三者から候補者の働きぶりや人物像を聞くことができるため、面接では見えない「弱み」や「課題」が浮き彫りになったり、過去の実績を交えた具体的なエピソードで候補者のリアルな行動特性を知ることができます。
面接では普段の働きぶりまでは確認できないので、一時的に企業のカルチャーにフィットしているような言動もできてしまいます。一定期間、一緒に働いていた同僚や上司からの評価は、候補者の価値観や特性を客観的に知る手段として非常に有効です。
まとめ
社員が企業のカルチャーに共感していると、コミュニケーションコストが下がり、業務活動がスムーズになり全体のパフォーマンス向上が期待できます。
採用活動の中でカルチャーフィットを見極めることは簡単ではありませんが、経営視点で本質的な企業の成長を目指すのであれば、企業と候補者のカルチャーフィット率を上げることを目標にするのが良いはずです。
カルチャーフィットを確かめるために、企業のカルチャーを明確に言語化し、候補者がそのカルチャーに適合する価値観や特性を持っているかを確認していきます。面接だけではなく、ワークショップを通じて候補者の言動を直接確認したり、リファレンスチェックで第三者から候補者の行動特性を聞くことが重要です。
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back check magazine 編集部
リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。










