目次採用リスクとは採用リスクとは、新たに人材を採用した結果、それによって会社に不利益をもたらしてしまう可能性のことです。採用による不利益は、明確に分かるものと分かりづらいものに分かれます。例えば、採用した社員が情報漏洩を起こしてしまうなどは分かりやすい不利益ですが、その社員の振る舞いによって社内の雰囲気が悪くなったというケースは、なかなか発覚しづらいかもしれません。せっかく採用したにも関わらず、会社にとってよくない影響を与えてしまうようでは本末転倒ですので、採用担当者は採用リスクに十分注意しながら、採用活動を行う必要があるでしょう。採用リスクがある人材とは採用リスクがある人材とは、具体的にどんな候補者を指すのでしょうか?選考の際にチェックができるよう、採用リスクが高いとされる人材のパターンをご紹介します。仕事に必要なスキルが身についていない任せたい仕事に必要な能力や経験がなく、期待していた業務を任せられない可能性が高い候補者は、採用リスクが高いと言えるでしょう。例えば、営業ポジションに営業経験者を採用したとします。多くの場合、営業職はお客様との商談だけではなく、提案書の作成や事務手続きも行うため、PCスキルが必須とされます。もし「顧客折衝は問題なくできるけれど、タイピングスキルが全くない」という候補者を採用してしまうと、書類作成に業務の時間の大半を奪われてしまい営業活動が遅延するなどの不利益が発生するかもしれません。いかに他の能力が高かったとしても、必須とされるスキルが1つでも欠けていれば、採用リスクのある人材とみなすことができるでしょう。早期離職の可能性が高い短期離職の多い候補者や、自社のカルチャーに明らかに合わなそうな候補者など、入社後すぐに退職してしまう可能性が高い候補者は、採用リスクが高いと言えます。どんなに優秀な候補者だったとしても、すぐに辞められてしまっては、採用コストを回収しきれず赤字扱いになってしまいます。また、経費面だけではなく、「すぐに人が辞めてしまった」という事実は、既存社員にも悪い影響を与えかねません。これまでの経歴を見て、理由もなく短期離職を繰り返しているような候補者は、採用リスクを慎重に判断するべきでしょう。社内外でトラブルを起こす採用リスクのある候補者によく見られるのが、人間関係のトラブルです。社内外でトラブルを起こす可能性が高い候補者は、採用リスクが高いと言えるでしょう。お客様に失礼な態度を取る、取引先に高圧的に接するといった問題のある候補者を採用してしまうと、お客様や取引先との信頼関係を損ねてしまうでしょう。また、良い仕事をするためには、社内の円滑なチームワークが欠かせません。コミュニケーションの取り方に問題があったり、チームワークを乱すような行動をしてしまったりする候補者は、その方自身だけでなくチーム全体のパフォーマンスを落としてしまうかもしれません。リファレンスチェックなどを用いて、これまでの仕事ぶりを採用選考の中で深く確認して、人材採用リスクを判断するのがポイントです。関連記事:【企業向け】リファレンスチェックとは?リファレンスチェックのやり方と内容を解説情報漏洩の可能性が高いモラルやマナーの観点で、情報漏洩を起こしそうな候補者は採用リスクがあると言えるでしょう。特に、昨今増えているSNSからの情報漏洩リスクは、採用リスクを見定める大切なポイントです。電車の中で社内の情報を大声で話してしまうというのも情報漏洩になりますが、SNSの怖いところは拡散性の強さです。候補者本人に悪意がなくとも、気軽に社内で撮った写真をSNSにアップしてしまい、その写真の中に社外公開してはいけない情報が写っていれば、情報漏洩事故となってしまいます。採用フローの中にSNSチェックの工程があると、採用リスクの高い人材を確認しやすくなるでしょう。【お役立ち資料】知らないと危険!身近にあふれる「コンプライアンスリスク」SNSで不適切な発言をしているSNSで不適切な発言をしていないかも、採用リスクを判断する一つの観点となります。前提として、SNSは候補者がプライベートで使用しているものですので、言葉づかいや関心ごとが、仕事での姿と同じとは限りません。しかし、特定の個人の情報を晒していたり、攻撃的な発言を繰り返しているといった情報は、入社後のトラブルリスクに繋がる可能性が高いため、合否判断の検討材料に含めた方が良いでしょう。ストレス耐性が低いストレス耐性が極端に低い候補者も、採用リスクに注意しておいた方が良いでしょう。ここでポイントとなるのは、自社で任せたい業務においてどんなストレスがかかりやすいのかを把握しておくことです。そもそもストレス耐性にも多様なタイプがあり、人と接することへのストレス耐性もあれば、同じ作業を続けることへのストレス耐性もあります。採用ポジションにおいて、かかりやすいストレスに対して、その候補者がどのくらい耐性がありそうかを見極めることが大切です。自社でストレスがかかりそうな状況を一例に挙げ、類似した状況の経験の有無や、そのときにどのように対応したかを面接で質問するなどして、自社での業務へのストレス耐性を確認するようにしましょう。関連記事:ストレス耐性チェックの方法や社員のストレス緩和のコツを紹介金銭面や生活面のだらしなさが仕事に影響する暮らし方が仕事にまで影響をおよぼしてしまう可能性が高い候補者は、採用リスクが高い可能性があります。朝に弱く遅刻が多かったり、身だしなみの清潔感に問題があったりといった生活面のだらしなさは、その候補者のパフォーマンスだけでなく、社内の雰囲気にも悪影響をおよぼしかねません。また、度を超えたギャンブル好き・買い物好きなどの候補者の場合、社内で金銭トラブルを起こしかねないといった懸念もあります。書類選考や面接では気づきにくい採用リスクですので、候補者の素行を調査できるコンプライアンスチェックなどを通じて確認するのがおすすめです。関連記事:コンプライアンスチェックとは?コンプライアンスチェックの必要性を解説人材採用のリスクを減らすポイント人材採用のリスクを減らすには、採用工程や採用基準に偏りや見落としがないかを確認していくのが効果的です。具体的なチェックポイントをご紹介します。採用フローを見直す採用リスクを減らす大切なポイントとして、まずは採用フロー全体を見直しましょう。一般的に、採用には多くの社員が関わっています。その一方、採用の全体感を知っている社員は一握りであることが一般的です。個々の担当者が自分の仕事をまっとうしていたとしても、そもそもの採用フローに穴があってリスクを見落としていては、採用リスクを減らすことはできません。選考の各工程におけるチェック観点を洗い出し、抜けているものがあれば追加するようにしましょう。採用基準を明確にする採用基準を明確にし客観性を持たせることも、採用リスクを減らす効果的なポイントです。面接で候補者を判断する場合、主観が含まれてしまうのは致し方のないことではありますが、それによって採用判断にばらつきが出てしまうと、採用リスクの高い候補者の採用に繋がりかねません。面接官の違いによる採用判断のばらつきを減らす効果的な方法が、採用基準を明確することです。最も明確な採用基準は適性診断などの数値で結果が出るものになりますが、面接の採用基準も、やり方次第で具体性・客観性を高めることができます。例えば、「責任感がありそうか」という採用基準は、面接官によって「責任感」という言葉のとらえ方が異なり客観性が低くなりがちです。それよりも、「これまでに最も責任を感じた仕事についてのエピソードを聞き、その際に負っていた責任が明確に言語化できるか・責任を果たすために具体的な行動をしていたか」といった採用基準の方が、面接官は候補者のどの側面を確認し、どう判断したら良いかのイメージがしやすくなるでしょう。面接のやり方を工夫する面接のやり方を工夫することで、採用リスクを減らすことが可能です。例えば、面接官全員がどういった採用リスクがあるかを認識するために、面接の評価フォーマットに、採用リスクの一覧を記載しておくのは効果的です。また、採用リスクは候補者の普段の素養を見抜けないことで起きてしまうことが多いため、本音を引き出すために、1つの質問をどんどん深掘りしていくのも良いでしょう。一問一答形式での質問だと、候補者が事前に用意した回答しか聞けないこともあります。候補者の回答に対して「それはどうしてそう思ったのか」「もしこうだったとしたら、どんな対応をしていたか」など、話題を深めていくことで、候補者の内面を引き出していくようにしましょう。候補者を多角的に判断する候補者をさまざまな角度から判断するのも、採用リスクを減らす有効な手段です。適性診断やリファレンスチェックなどで、候補者をさまざまな側面から判断することができます。これらの方法は、候補者の取り繕わない人となりを知る上で有効です。面接では、良くも悪くも、しっかりと準備された回答から候補者を判断をしますが、適性診断であれば、客観的なデータから候補者の人となりを判断することができます。また、リファレンスチェックは、前職で一緒に働いていた上司からの率直な意見をもらえたりするので、普段の人柄や仕事ぶりといった側面を知ることができます。候補者の多角的な側面を知っていれば、採用リスクにも気づきやすくなるでしょう。採用リスクのある人材でないか、調査を行う採用基準の明確化・面接の工夫などを行っても、見抜けない採用リスクも存在します。反社会的勢力との関わり、SNSでの不適切な発言、金銭トラブルなどがその例です。このような採用リスクを検知するためには、採用フローに調査工程を含めると良いでしょう。具体的には、反社チェックをして反社会的勢力への関わりや犯罪・不祥事への関与を確認するなどの調査が挙げられます。候補者の経歴に虚偽がないか、犯罪歴・SNS上での問題行動といったリスクがないかを総合的に調査できるコンプライアンスチェックも有効です。提出書類や面接での振る舞いだけでは見落としてしまうかもしれない採用リスクをチェックする上で、こうした調査は非常に有効と言えるでしょう。【お役立ち資料】サンプルレポート付き!コンプライアンスチェックでわかる採用リスク人材採用リスクを減らすならback check採用リスクには、さまざまなものがあることをお伝えしました。採用リスクの種類によっては、どんなに面接を工夫をしても見つけづらいものがあります。特に、候補者の素行に問題がないかといった点まで、面接だけで判断するのは難しいでしょう。また、世の中が目まぐるしく変化する中、採用リスクも多様化しています。採用リスクを減らすために、専門の調査機関を活用することを検討してみましょう。自社だけでは見つけられない採用リスクの発見の手助けになるだけでなく、昨今どんな人材採用リスクがあるかといった最新情報を知ることもできるでしょう。コンプライアンスチェック/リファレンスチェックサービスのback check(バックチェック)は、候補者にコンプライアンスリスクがないかを確認できるコンプライアンスチェックと、働きぶりやカルチャーマッチといった面接だけでは見極めにくい情報を取得するリファレンスチェックを同時に実施できます。採用リスクを減らす方法として、ぜひback checkをご検討ください。