目次職務経歴書に嘘を書くのはなぜ?大事な転職活動において職務経歴書になぜ嘘を書いてしまう候補者がいるのでしょうか?候補者が職務経歴書に嘘を書いてしまう理由を3つ説明します。何としても内定を獲得したいから就職活動において職務経歴書は、候補者が面接に進めるかどうかを左右する非常に重要な要素です。候補者は面接の機会を掴むために、職務経歴書の中に自分をアピールする要素を盛り込みます。そんな中で自分のことを少しでも良く見せようと、嘘を書いてしまう場合があるのです。自分の経歴に自信がないから自分の経歴に自信を持てないことで、候補者が職務経歴書に嘘を書いてしまう場合もあります。実績を大きく見せたり、経験したことがない役職を「経験あり」としたりすることで、自信が持てない自分の経歴を補おうとするのです。隠したい経歴があるから自分にとって都合の悪い経歴を隠すために、職務経歴書に嘘を書いてしまう場合もあります。ネガティブに映る学歴を隠したり、在職期間を偽って職歴のブランク期間を隠したりするといった具合です。職務経歴書の嘘を見抜けなかった場合のリスク職務経歴書に記載された嘘を見抜けず、不適切な人材を採用してしまうとどんなリスクが生じるのか確認していきましょう。チームの生産性やプロジェクトの進行に悪影響が出る自分の経験やスキルを偽って入社したとしても、その人材は入社後に要求される業務内容をこなせない確率が高いでしょう。企業は当然できるものだと思って、申告された経験やスキルに見合った業務を割り振ります。しかし、職務経歴書の内容に偽りがあるため、実際の力量を超えた業務をこなすことが難しく、その人材自身がまず苦労するでしょう。さらに、その人材が配置されたチームのメンバーも、こなしてくれると思っていた仕事をスムーズにやってもらえないため、負担をかけられることとなります。仮に、プロジェクトマネージャー経験を評価して採用した人材だったのに、実はその経験が虚偽であった場合、実際の業務でリーダーとしてチームを引っ張っていくことは難しいでしょう。チームは混乱し、プロジェクトを失敗に導いてしまう可能性もあります。嘘が発覚した時に、社員同士や企業との信頼関係が崩れる入社後に嘘が発覚するケースもあり、その場合は職場での人間関係に少なからず影響を及ぼすでしょう。嘘をついて入社した本人が仮に仕事をこなすことができていたとしても、職務経歴書の嘘が発覚することで「この人は嘘をつく人なんだ」と認識されてしまいます。さらに、嘘を見抜けずに採用してしまう企業なのだと企業への不信感も募るばかりか、「他にも同じように嘘を見抜かれずに入社した人もいるんじゃないか?」と社員同士の信頼関係にもヒビが入っていくでしょう。何よりも仕事において大切な信頼関係が崩れてしまうことは、チームワークに悪影響を及ぼし、それはやがて生産性も落とすでしょう。非常に大きなリスクです。顧客や取引先からの信頼低下虚偽の経歴を見抜けず顧客や取引先対応を任せた場合、失敗を起こす可能性が高くなるでしょう。例えば英語力を偽った社員に海外顧客との交渉を任せた場合、交渉は失敗するばかりか「なぜ十分にコミュニケーションも取れない社員をよこしたのか」と信頼を損なう可能性もあります。資格を偽った社員を取引先に行かせた場合、本人は知らずに不正行為をしてしまい、法的なトラブルに発展する可能性もあるでしょう。また、直接顧客と関わらないポジションでの採用であっても、自身の力量では与えられた業務をスムーズにこなすことができず、次のフローの担当者に迷惑をかけたり、最終的に納期に間に合わない事態を引き起こすことも考えられます。早期退職や、内定取り消し・解雇の等の処分をした場合採用コストが増加する虚偽の申告をしたことで与えられる業務が実際の力量を超えていて耐えられなくなったり、嘘が発覚して社内での居心地が悪くなったりすることで、その人材は早期退職してしまう可能性が高くなります。また、重大な経歴の詐称があった場合、内定を獲得していても入社前なら内定取り消し、入社後なら会社規定によって懲戒解雇にする場合もあるでしょう。その場合、せっかくコストをかけて行った採用は再度やり直しになり、もし入社後であれば教育コストも無駄になってしまいます。関連記事:経歴詐称が発覚した場合、懲戒解雇はできる?判例とあわせて対処法を解説職務経歴書の嘘の主な内容それでは企業側は、職務経歴書のどのような点に注視するべきなのでしょうか?まずは候補者が嘘を書きたくなるポイントをお伝えします。雇用期間の嘘転職回数が多く在籍期間が短い場合や、職歴にブランク期間があると、「選考で不利になるのではないか」と多くの候補者は考えます。そのため、雇用期間を誤魔化したり、実在しない架空の小規模会社に勤めていたことにしたりとブランク期間を埋める嘘をついてしまうことがあります。経験ポジションや成果の誇張応募職種に合わせて経験ポジションでも嘘をつく場合があります。例えば、リーダーシップやマネジメント経験が重視される職種に応募する際は、本当は一般社員だったのに「マネージャー」、アシスタント業務だったのに「プロジェクトリーダー」などと記載して有利に見せようとする可能性があります。成果や実績は大きなアピールポイントになるため、候補者が実際よりも盛ったエピソードを書くケースがあります。営業職や企画職など成果が評価に直結する職種でよく見られ、例えば「売上を前年比150%に増加させた」とさも個人の実績であるように記載しているが、実際はチームの一員として一部の業務をサポートしたのみだった、といった具合です。雇用条件の偽装年収は条件面での交渉材料となり得るので、盛りたくなる要素の1つです。また、雇用形態を誤魔化し、本当は派遣社員や契約社員だったにもかかわらず、正社員と記載するケースもあります。正社員経験があると、安定した雇用や責任感を持つ人材と評価されやすくなるだろう、と考えるためです。履歴書と職務経歴書が一体化したフォーマットで提出させる場合の嘘職歴のある候補者には、履歴書と職務経歴書は分けて提出させることが一般的です。しかし、履歴書に記載する内容と職務経歴書に記載する内容を一体化させたようなフォーマットでの記載を求めたり、候補者に自由なフォーマットで書類提出させる企業もあるでしょう。その場合、以下の内容にも気をつける必要があります。学歴(最終学歴・在籍期間など)の嘘留年や中退といった学歴も、ネガティブに映ることを懸念し、候補者が隠したいポイントです。募集要項が学歴不問となっていたとしても、学歴について深掘りすることは候補者のキャラクターを知る上で、大切な要素になり得ます。留年や中退の理由がネガティブな場合は、追求されることを避けるために、候補者が学歴を偽ることもあります。犯罪歴の嘘中には犯罪歴がある候補者もいるかもしれません。賞罰についての記入欄がある場合や、面接で犯罪歴について質問を受けた場合、候補者は虚偽の申告をしてはいけません。しかし、犯罪歴があっては不採用に違いないと考え、空白で提出したり、「なし」と記載する可能性があります。職務経歴書の嘘を見抜く7つの方法それでは採用企業側が職務経歴書の嘘を見抜く方法を7つ解説していきます。【お役立ち資料】「20人に1人はいる、経歴詐称をしている人材の見抜き方」源泉徴収票で確認する源泉徴収票には過去の就業先の企業名、受け取った年収などが記載されています。職務経歴書と照らし合わせた時に相違があるか確認することで、嘘を見抜くことができます。候補者が源泉徴収票の提出を拒む場合も注意した方が良いでしょう。雇用保険の期間と照らし合わせる雇用保険の手続きをする際は雇用保険被保険者証の提出を求めるのが一般的で、ここには前職の会社名と退職年月日が記載されています。職務経歴書と照らし合わせることで、嘘を見抜けるでしょう。関連記事:【採用担当者向け】雇用保険から経歴詐称は見抜ける?未然に防ぐ3つの方法 その他書類(年金手帳・在籍/退職証明書・卒業証明書など)の提出を求める年金手帳には国民年金と厚生年金の加入歴が記載されていますので、職務経歴書の在職期間との相違を確認すれば、嘘を見抜けます。その他、各種証明書の提出を求めることで、企業の在職期間、学歴について確認することが可能です。面接で内容を深掘りするため、面接官の「質問力」を高める面接時に、職務経歴書の記載内容について質問し、深掘りすることも効果的です。実績を出せた要因や、関連するエピソードについて候補者に質問をすると良いでしょう。ただし、候補者が質問に対する答えを用意している可能性もありますので、気になる箇所については多角的に質問すると良いでしょう。スキルを測るためのテストを行なう資格やスキルの記載がある場合は、テストを行うことも効果的です。例えば英語スキルを確認するためにリスニングやスピーキングのテストを行う、エクセルのスキルを確認するための課題を実施する、といった具合です。コンプライアンスチェックを実施するコンプライアンスチェックとは、候補者について公的公開情報・Web情報・個別調査によって申告内容に嘘はないかを確認したり、暴力団などの反社会的勢力との関係の有無を調べることです。採用企業自身が行うこともあれば、外部の専門機関に依頼して実施する場合もあります。自社で実施する場合、個人情報保護法に抵触しないよう注意が必要です。関連記事:コンプライアンスチェックとは?コンプライアンスチェックの必要性を解説リファレンスチェックを実施するリファレンスチェックとは、企業が応募者の仕事に対する姿勢やその人柄を把握するために行う調査のことです。現職、前職の上司や同僚などの第三者に調査を行います。リファレンスチェックを行うには候補者の同意を得なければならないので、注意が必要です。こちらも外部の専門機関に依頼して実施することが可能です。関連記事:リファレンスチェックとは?基本的な流れや質問内容について解説職務経歴書に嘘を書かせないために最後に、企業として候補者に「職務経歴書に嘘を書かせないためにできること」はないでしょうか。防止策を4つご紹介します。自社の採用文化を伝える「嘘をつかなくても採用される文化である」と候補者に感じてもらうことで、嘘の防止が可能です。例えば以下のような説明があると、完璧な職務経歴書でなくても安心して応募できると感じるでしょう。正直に記載する心理的余裕を候補者に持たせるようにしましょう。長期のブランク期間があっても構いません。介護、旅、資格勉強、趣味など、どんな風に過ごしていたのか教えてください。完璧な経歴よりも、これからの成長意欲を重視しています。完璧な経歴やスキルよりも、これからの成長意欲、誠実さや学び続ける姿勢を重視しています。正確な情報を提供いただくことで、あなたの適性に最も合ったポジションを見つけやすくなります。職務経歴書のフォーマットを指定する職務経歴書のフォーマットとして、企業独自のテンプレートを提供することも1つの手です。実績や成果について数値や具体例を記載する欄を設け、誇張や虚偽がしにくい形式にすると良いでしょう。また、フォーマットが統一されることで他の候補者の提出内容とも比較もしやすくなり、虚偽に気づきやすくなります。あわせて、「記載する内容に偽りがないことを誓います」という確認欄も設置しておくことで、候補者に正確な情報を提供することを促すことが可能です。採用サイトや求人票で透明性を重視していることを明示採用サイトや求人票に、あらかじめ選考基準や評価プロセスを明確に記載した上で、「透明性を確保し、公平な判断を行います。虚偽が発覚した場合は採用を取り消します」といったポリシーを記載しておくのも良いでしょう。候補者は、主観的な偏見や不当な扱いを受けるリスクが低いと安心し、隠し事のない信頼できる企業だと感じるでしょう。そのような企業に対し、嘘をつく必要性はないと考える可能性が高くなります。選考過程で虚偽がないかチェックされることを伝える内定時に提出を求める書類を明示する採用過程においてコンプライアンスチェックやリファレンスチェックを実施することを告知しておくこれらを採用サイトや求人票で事前に伝えておくことで、候補者は嘘を書いても後の選考過程でばれてしまうと考えるでしょう。職務経歴書に嘘を書かせない抑止力となります。採用活動とは企業が候補者を判断する場ではなく、お互いがより良くなるためのマッチングの場であるということを忘れずに、候補者を尊重して採用活動を進めましょう。職務経歴書の嘘を見抜くならback check職務経歴書の嘘を見抜く、或いは嘘を防ぐための効果的な方法として、コンプライアンスチェックをご紹介しました。提出書類と照らし合わせて明らかな矛盾が見つかることもあれば、巧妙に誤魔化し面接でも見極めきれないことがあるでしょう。そのような場合はコンプライアンスチェックを実施し、経歴詐称がないか精査していきましょう。自社でのコンプライアンスチェックが難しい場合、株式会社ROXXが提供するオンライン完結型のコンプライアンスチェックサービス「back check(バックチェック)」がおすすめです。専門の調査員チームとシステムの活用により精度の高い調査を実現しつつも、安価にご提供しています。採用担当者は候補者の書類をアップロードしたら後は待つだけです。個人情報保護法に抵触しないよう、入念に設計されています。時間をかけず職務経歴書の嘘を見抜き、最適な人材を採用したいとお考えの方はぜひback checkの導入をご検討ください。