職務経歴書の嘘を見抜く7つの方法と、嘘を書かせない防止策4選 

更新日:2026/7/14

執筆者:back check magazine 編集部

バックグラウンドチェック

この記事のまとめ(要約)

職務経歴書の嘘は、在籍期間や役職、実績などを実際より良く見せる場合があります。嘘が見抜けなかった場合は、生産性悪化や信頼関係の崩壊などのリスクがあります。嘘を見抜く方法や、防止策4選を解説します。

企業の採用担当者の方ならば、中途採用の応募がある度に「職務経歴書」に目を通してきたと思います。筆者も経験がありますが、転職エージェントは職務経歴書の添削に力を注ぎ、候補者の内定獲得を後押しします。

そんな、選考に重要な職務経歴書の中で、内定獲得のために「嘘」を書いてしまう候補者もいます。そのような方が内定に至ったとしても、入社後ミスマッチによる早期離職や採用コスト増加に繋がる可能性は高いでしょう。この記事では「職務経歴書の嘘」を見抜くための方法を7つ解説した上で、そもそも嘘を書かせないようにするための効果的な防止策を4つお伝えしています。ぜひご参考にしてください。

監修者

中澤 泉

弁護士/合同会社ことりうみ代表

目次

職務経歴書に嘘を書くのはなぜ?

大事な転職活動において職務経歴書になぜ嘘を書いてしまう候補者がいるのでしょうか?候補者が職務経歴書に嘘を書いてしまう理由を3つ説明します。

何としても内定を獲得したいから

就職活動において職務経歴書は、候補者が面接に進めるかどうかを左右する非常に重要な要素です。候補者は面接の機会を掴むために、職務経歴書の中に自分をアピールする要素を盛り込みます。そんな中で自分のことを少しでも良く見せようと、嘘を書いてしまう場合があるのです。

自分の経歴に自信がないから

自分の経歴に自信を持てないことで、候補者が職務経歴書に嘘を書いてしまう場合もあります。実績を大きく見せたり、経験したことがない役職を「経験あり」としたりすることで、自信が持てない自分の経歴を補おうとするのです。

隠したい経歴があるから

自分にとって都合の悪い経歴を隠すために、職務経歴書に嘘を書いてしまう場合もあります。ネガティブに映る学歴を隠したり、在職期間を偽って職歴のブランク期間を隠したりするといった具合です。

職務経歴書の嘘を見抜けなかった場合のリスク

職務経歴書に記載された嘘を見抜けず、不適切な人材を採用してしまうとどんなリスクが生じるのか確認していきましょう。

チームの生産性やプロジェクトの進行に悪影響が出る

自分の経験やスキルを偽って入社したとしても、その人材は入社後に要求される業務内容をこなせない確率が高いでしょう。企業は当然できるものだと思って、申告された経験やスキルに見合った業務を割り振ります。しかし、職務経歴書の内容に偽りがあるため、実際の力量を超えた業務をこなすことが難しく、その人材自身がまず苦労するでしょう。

さらに、その人材が配置されたチームのメンバーも、こなしてくれると思っていた仕事をスムーズにやってもらえないため、負担をかけられることとなります。

仮に、プロジェクトマネージャー経験を評価して採用した人材だったのに、実はその経験が虚偽であった場合、実際の業務でリーダーとしてチームを引っ張っていくことは難しいでしょう。チームは混乱し、プロジェクトを失敗に導いてしまう可能性もあります。

嘘が発覚した時に、社員同士や企業との信頼関係が崩れる

入社後に嘘が発覚するケースもあり、その場合は職場での人間関係に少なからず影響を及ぼすでしょう。嘘をついて入社した本人が仮に仕事をこなすことができていたとしても、職務経歴書の嘘が発覚することで「この人は嘘をつく人なんだ」と認識されてしまいます。

さらに、嘘を見抜けずに採用してしまう企業なのだと企業への不信感も募るばかりか、「他にも同じように嘘を見抜かれずに入社した人もいるんじゃないか?」と社員同士の信頼関係にもヒビが入っていくでしょう。

何よりも仕事において大切な信頼関係が崩れてしまうことは、チームワークに悪影響を及ぼし、それはやがて生産性も落とすでしょう。非常に大きなリスクです。

顧客や取引先からの信頼低下

虚偽の経歴を見抜けず顧客や取引先対応を任せた場合、失敗を起こす可能性が高くなるでしょう。

例えば英語力を偽った社員に海外顧客との交渉を任せた場合、交渉は失敗するばかりか「なぜ十分にコミュニケーションも取れない社員をよこしたのか」と信頼を損なう可能性もあります。
資格を偽った社員を取引先に行かせた場合、本人は知らずに不正行為をしてしまい、法的なトラブルに発展する可能性もあるでしょう。

また、直接顧客と関わらないポジションでの採用であっても、自身の力量では与えられた業務をスムーズにこなすことができず、次のフローの担当者に迷惑をかけたり、最終的に納期に間に合わない事態を引き起こすことも考えられます。

早期退職や、内定取り消し・解雇等の処分をした場合採用コストが増加する

虚偽の申告をしたことで与えられる業務が実際の力量を超えていて耐えられなくなったり、嘘が発覚して社内での居心地が悪くなったりすることで、その人材は早期退職してしまう可能性が高くなります。

また、採否の判断に重大な影響を及ぼす経歴詐称があった場合、就業規則等の定めを前提に、入社前なら内定取り消し、入社後なら会社規程によって懲戒解雇にする場合もあるでしょう。

その場合、せっかくコストをかけて行った採用は再度やり直しになり、もし入社後であれば教育コストも無駄になってしまいます。

職務経歴書の嘘の主な内容

それでは企業側は、職務経歴書のどのような点に注視するべきなのでしょうか?まずは候補者が嘘を書きたくなるポイントをお伝えします。

雇用期間の嘘

転職回数が多く在籍期間が短い場合や、職歴にブランク期間があると、「選考で不利になるのではないか」と多くの候補者は考えます。そのため、雇用期間を誤魔化したり、実在しない架空の小規模会社に勤めていたことにしたりとブランク期間を埋める嘘をついてしまうことがあります。

経験ポジションや成果の誇張

応募職種に合わせて経験ポジションでも嘘をつく場合があります。
例えば、リーダーシップやマネジメント経験が重視される職種に応募する際は、本当は一般社員だったのに「マネージャー」、アシスタント業務だったのに「プロジェクトリーダー」などと記載して有利に見せようとする可能性があります。

成果や実績は大きなアピールポイントになるため、候補者が実際よりも盛ったエピソードを書くケースがあります。営業職や企画職など成果が評価に直結する職種でよく見られ、例えば「売上を前年比150%に増加させた」とさも個人の実績であるように記載しているが、実際はチームの一員として一部の業務をサポートしたのみだった、といった具合です。

雇用条件の偽装

年収は条件面での交渉材料となり得るので、盛りたくなる要素の1つです。

また、雇用形態を誤魔化し、本当は派遣社員や契約社員だったにもかかわらず、正社員と記載するケースもあります。正社員経験があると、安定した雇用や責任感を持つ人材と評価されやすくなるだろう、と考えるためです。

履歴書と職務経歴書が一体化したフォーマットで提出させる場合の嘘

職歴のある候補者には、履歴書と職務経歴書は分けて提出させることが一般的です。しかし、履歴書に記載する内容と職務経歴書に記載する内容を一体化させたようなフォーマットでの記載を求めたり、候補者に自由なフォーマットで書類提出させる企業もあるでしょう。

その場合、以下の内容にも気をつける必要があります。

  • 学歴(最終学歴・在籍期間など)の嘘

留年や中退といった学歴も、ネガティブに映ることを懸念し、候補者が隠したいポイントです。募集要項が学歴不問となっていたとしても、学歴について深掘りすることは候補者のキャラクターを知る上で、大切な要素になり得ます。留年や中退の理由がネガティブな場合は、詳しく尋ねられることを避けるために、候補者が学歴を偽ることもあります。

  • 犯罪歴の嘘

中には犯罪歴がある候補者もいるかもしれません。賞罰についての記入欄がある場合や、面接で犯罪歴について質問を受けた場合、候補者は虚偽の申告をしてはいけません。しかし、犯罪歴があっては不採用に違いないと考え、空白で提出したり、「なし」と記載する可能性があります。

職務経歴書の嘘を見抜く7つの方法

それでは採用企業側が職務経歴書の真偽を確認する方法を7つ解説していきます。

その前に、前提として押さえておきたい点があります。採用選考で取得する個人情報は、職業安定法上、業務の目的(応募者の適性・能力の判断)の達成に必要な範囲に限られ、その目的を明らかにして、原則として本人から取得することとされています。経歴の確認も、この範囲内で、本人の同意を得て行うのが基本です。

そのため、確認したい事項(在籍の有無や期間など)を超えて、年収や退職理由といった機微な情報まで含む書類を「嘘の確認」のために提出させることは、必要な範囲を超える個人情報の取得として避けるべきです。以下の方法も、この枠組みの中で用いることが前提となります。

源泉徴収票で確認する

源泉徴収票には過去の就業先の企業名、受け取った年収などが記載されています。

源泉徴収票は本来、入社後の年末調整のために提出してもらう書類であり、年末調整の手続きの中で職務経歴書の記載との食い違いに気づくことがあります。

ただし、源泉徴収票には年収などのセンシティブな情報が含まれるため、「嘘の確認」を目的として選考段階で提出を求めることは、職業安定法上、業務の目的に必要な範囲を超える個人情報の取得と評価されるおそれがあります。提出を求める場合は、取得目的(年末調整等)と必要性を明確にし、選考段階での年収確認のための提出要求は避けるのが安全です。

雇用保険の期間と照らし合わせる

雇用保険の手続きをする際は雇用保険被保険者証の提出を求めるのが一般的です。被保険者証には直近の事業所名と資格取得年月日(入社時期)が記載されているため、前職の会社名や入社時期について職務経歴書との相違を確認できる場合があります。

ただし、退職年月日は被保険者証には記載されていません(退職時期は離職票に記載されます)。また、前々職など、それ以前の職歴は被保険者証からは把握できません。被保険者証だけで在職期間すべてを確認できるわけではない点に注意が必要です。

その他書類(年金手帳・在籍/退職証明書・卒業証明書など)の提出を求める

年金関係の書類については、制度の前提に注意が必要です。年金手帳は2022年4月に新規発行が廃止され、それ以降に新たに加入した人には「基礎年金番号通知書」が交付されています。基礎年金番号通知書には基礎年金番号が記載されるのみで、会社名や在職期間といった職歴は記載されません。すでに年金手帳を持っている人もいますが、現行の手帳・通知書から在職期間を直接確認することは基本的にできないと考えておくのが安全です。

在職期間や学歴の確認は、年金関係書類ではなく、退職証明書や卒業証明書によって行うのが確実です。とくに退職証明書は、労働基準法22条により、退職者の請求に応じて前職企業に発行義務があり、かつ労働者が請求しない事項は記載できない仕組みになっています。退職時期や退職理由を確認したい場合も、離職票(本人が失業給付に使う書類で、退職理由や賃金など機微な情報を含みます)ではなく、本人の同意を得たうえで退職証明書の提出を依頼する方法が適切です。これらの確認は、本人の同意を前提に、必要な範囲で行ってください。

面接で内容を深掘りするため、面接官の「質問力」を高める

面接時に、職務経歴書の記載内容について質問し、深掘りすることも効果的です。実績を出せた要因や、関連するエピソードについて候補者に質問をすると良いでしょう。ただし、候補者が質問に対する答えを用意している可能性もありますので、気になる箇所については多角的に質問すると良いでしょう。

スキルを測るためのテストを行う

資格やスキルの記載がある場合は、テストを行うことも効果的です。例えば英語スキルを確認するためにリスニングやスピーキングのテストを行う、Excelのスキルを確認するための課題を実施する、といった具合です。

コンプライアンスチェックを実施する

コンプライアンスチェックとは、候補者について公的公開情報・Web情報・個別調査によって申告内容に嘘はないかを確認したり、暴力団などの反社会的勢力との関係の有無を調べることです。採用企業自身が行うこともあれば、外部の専門機関に依頼して実施する場合もあります。

実施にあたっては、取得する情報の性質に注意が必要です。とくに犯罪歴に関する情報は、個人情報保護法上の「要配慮個人情報」に当たり、取得には原則として本人の同意が必要です。また、職業安定法の指針上も、人種・本籍・思想信条など社会的差別の原因となるおそれのある事項は、特別な職業上の必要性がある場合等を除き収集してはならないとされています。

自社で実施する場合は、取得目的の特定・本人の同意取得・必要な範囲への限定といった手続きを踏み、個人情報保護法・職業安定法に抵触しないよう設計することが重要です。

リファレンスチェックを実施する

リファレンスチェックとは、企業が応募者の仕事に対する姿勢やその人柄を把握するために行う調査のことです。現職、前職の上司や同僚などの第三者に調査を行います。リファレンスチェックは候補者本人以外の第三者から情報を取得する調査であるため、必ず候補者の同意を得たうえで実施する必要があります。取得する情報も、業務の目的に必要な範囲にとどめることが求められます。こちらも外部の専門機関に依頼して実施することが可能です。

書類確認から面接での深掘り、リファレンスチェックまで、各手法の具体的な進め方は「職歴詐称・詐欺の見抜き方8選|正直に話さないとバレる理由とは?」でも解説しています。ぜひ参考にしてください。

💡 弁護士:中澤 泉からのワンポイント解説

経歴の確認は、本人の同意を得て、適性・能力の判断に必要な範囲で行うのが原則です。年収や退職理由など機微な情報の取得には特に注意してください。また、詐称が判明しても直ちに解雇できるとは限らず、採否を左右する重要な経歴かどうかが個別に判断されます。

職務経歴書に嘘を書かせないために

最後に、企業として候補者に「職務経歴書に嘘を書かせないためにできること」はないでしょうか。防止策を4つご紹介します。

自社の採用文化を伝える

「嘘をつかなくても採用される文化である」と候補者に感じてもらうことで、嘘の防止が可能です。

例えば以下のような説明があると、完璧な職務経歴書でなくても安心して応募できると感じるでしょう。正直に記載する心理的余裕を候補者に持たせるようにしましょう。

  • 長期のブランク期間があっても構いません。介護、旅、資格勉強、趣味など、どんな風に過ごしていたのか教えてください。完璧な経歴よりも、これからの成長意欲を重視しています。

  • 完璧な経歴やスキルよりも、これからの成長意欲、誠実さや学び続ける姿勢を重視しています。正確な情報を提供いただくことで、あなたの適性に最も合ったポジションを見つけやすくなります。

職務経歴書のフォーマットを指定する

職務経歴書のフォーマットとして、企業独自のテンプレートを提供することも1つの手です。実績や成果について数値や具体例を記載する欄を設け、誇張や虚偽がしにくい形式にすると良いでしょう。

また、フォーマットが統一されることで他の候補者の提出内容とも比較もしやすくなり、虚偽に気づきやすくなります。

あわせて、「記載する内容に偽りがないことを誓います」という確認欄も設置しておくことで、候補者に正確な情報を提供することを促すことが可能です。

採用サイトや求人票で透明性を重視していることを明示

採用サイトや求人票に、あらかじめ選考基準や評価プロセスを明確に記載した上で、「透明性を確保し、公平な判断を行います。虚偽が発覚した場合は採用を取り消します」といったポリシーを記載しておくのも良いでしょう。

候補者は、主観的な偏見や不当な扱いを受けるリスクが低いと安心し、隠し事のない信頼できる企業だと感じるでしょう。そのような企業に対し、嘘をつく必要性はないと考える可能性が高くなります。

選考過程で虚偽がないかチェックされることを伝える

  • 内定時に提出を求める書類を明示する

  • 採用過程においてコンプライアンスチェックやリファレンスチェックを実施することを本人の同意を得る前提で告知しておく

これらを採用サイトや求人票で事前に伝えておくことで、候補者は嘘を書いても後の選考過程でばれてしまうと考えるでしょう。職務経歴書に嘘を書かせない抑止力となります。

採用活動とは企業が候補者を判断する場ではなく、お互いがより良くなるためのマッチングの場であるということを忘れずに、候補者を尊重して採用活動を進めましょう。

職務経歴書の嘘を見抜くならback check

職務経歴書の嘘を見抜く、或いは嘘を防ぐための効果的な方法として、コンプライアンスチェックをご紹介しました。

提出書類と照らし合わせて明らかな矛盾が見つかることもあれば、巧妙に誤魔化し面接でも見極めきれないことがあるでしょう。そのような場合はコンプライアンスチェックを実施し、経歴詐称がないか精査していきましょう。

採用時におけるリスクの全体像や、企業が取り組むべきリスクマネジメントの基本については、総合解説ページ「採用リスクとは?人材採用のリスクを減らすポイント」も参考にしてください。

自社でのコンプライアンスチェックが難しい場合、back check株式会社が提供するオンライン完結型のコンプライアンスチェックサービス「back check(バックチェック)」がおすすめです。

専門の調査員チームとシステムの活用により精度の高い調査を実現しつつも、安価にご提供しています。採用担当者は候補者の書類をアップロードしたら後は待つだけです。
個人情報保護法に抵触しないよう、入念に設計されています。

時間をかけず職務経歴書の嘘を見抜き、最適な人材を採用したいとお考えの方はぜひback checkの導入をご検討ください。

監修者

中澤 泉

弁護士/合同会社ことりうみ代表

2015年に中央大学法科大学院を修了し、2016年に弁護士資格を取得。弁護士事務所で債務整理・交通事故・離婚・相続など幅広い案件を担当後、大手メーカーのインハウスローヤーを経て、現在は弁護士として主に企業法務に携わる。傍らでライターとしても活動し、2025年に合同会社ことりうみを設立。法律記事の執筆・監修を手がけている。専門性と読みやすさを両立したコンテンツ制作が強み。

よくある質問

back check magazine 編集部

リファレンスチェック/コンプライアンスチェックサービス「back check」が手がけるコラム「back check magazine」の編集部です。採用担当のみなさまに向けて、役に立つ情報を発信していきます。

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