目次Web面接とはWeb面接とは、オンライン面接とも呼ばれ、インターネット上で実施される面接を指します。一般的な面接が対面式であるのに対し、Web面接では面接官と候補者は直接会わず、Web会議ツールなどを通してビデオ通話式で面接を行います。Web面接ではパソコンまたはスマートフォンとインターネット環境さえあれば、候補者は時間と場所を気にせず選考を受けることが可能です。そのため、これまで転職活動をしようと思っても現職の業務が忙しく面接会場まで足を運べなかった人や、選考を受けたいけれど所在地が遠く移動を考えると時間がつくれなかった人も、選考に応募しやすくなります。Web面接によって、これまでは出会う機会のなかった優秀な人材と接触できる可能性が広がります。Web面接の流れまずはWeb面接を実施するための一連の流れをみていきましょう。Step1:採用フローの決定現在の採用フローの見直しとともに、Web面接を導入する工程を検討します。自社の募集職種においては、どのようなフローが適切でしょうか。一次面接をWeb面接にする場合、遠方にいる候補者でも応募が可能なため、多くの候補者を集めることができ、その中から初期スクリーニングを行うことができます。候補者の基本的な適性や人柄を見極める段階であるため、Web面接でも十分確認することが可能でしょう。より詳細な質問や技術的なスキルの確認がオンラインでも可能であれば、最終面接以外の面接を全てWeb面接にすることもできます。ただし、顧客と直接会うことの多い職種で、候補者の実際のコミュニケーションスキルや、対面でのビジネスマナーを早い段階で確認したい場合や、カルチャーフィットを重視していて企業文化との適合をより深く評価したい場合は、対面面接を検討することもおすすめしたいフェーズです。関連記事:カルチャーフィットとは?カルチャーフィットを選考に利用する際のポイント最終面接では、候補者がオフィス環境やチームの雰囲気を感じることができるよう、候補者に実際に会社を訪れてもらい、対面面接ができることが理想的です。候補者と企業の相互理解を深め、信頼関係を築く重要な段階のため、直接会っての対話が望ましいでしょう。ただし、候補者が海外など遠方にいて来社が難しい場合は最終面接を含めて全てWeb面接をすることになるかもしれません。その際は、別途既存社員とのカジュアルなオンライン交流を追加するなどでお互いの理解を深めると良いでしょう。Step2:面接ツールの選定Web面接ではビデオ通話ができるツールが必要です。Zoom、Google Meet、Microsoft TeamsなどのWeb会議ツールを流用することも可能ですし、Web面接に特化したツールもあります。無料で利用できるツールもありますが、中には時間制限があるツールもあります。面接の途中で切れてしまうことがあると、候補者が混乱してしまいますので注意が必要です。利用制限、セキュリティ、コスト、面接官側・候補者側どちらも分かりやすい操作性などを考慮しツールを選びましょう。Step3:候補者への通知求職票や採用ページに、「応募→書類選考→Web面接→最終面接(本社)→内定」など、どのような採用フローであるかを記載したり、「Web面接対応」などの記載を入れておきましょう。遠方在住の求職者や現職が多忙な求職者にも応募してもらえる可能性が高まります。候補者から応募があったら、候補者とスケジュールを調整し、一次面接の日時を確定します。多くのツールでは、企業側でリンクを発行して、候補者側は共有されたリンクをクリックすることでWeb面接の画面に遷移することができるようになっていますので、Web面接をするためのリンクや面接に関する詳細を含めた案内を送りましょう。Step4:質問の準備人事担当者は求める人物像を明確にし、採用基準を作成しましょう。評価項目を洗い出し、Web面接で確認できることと、対面でないと確認しにくいことに分けます。Web面接で評価すべき項目が決まったら、面接官がその場でチェックできるように一覧表化しておくと良いでしょう。関連記事:面接の採用基準とは?面接の採用基準の重要性と設定方法面接官は事前に応募書類を読み込み、質問内容を洗い出しておきます。なお、Web面接では録画が可能なツールを利用することもできます。複数人で評価したいことがあれば、複数人でWeb面接の面接官を行うことも可能ですが、1人が面接官となりWeb面接を対応した上で、後から録画を見てその受け答えを複数人で評価することもできます。決定した採用基準について、誰がどのように評価するかも決めておきましょう。Step5:Web面接当日の対応当日の対応の流れは以下のようになります。面接時間が1時間である場合の時間配分も参考にしてください。早めのログインと機材の最終確認面接開始の10〜15分前にはログインし、音声やカメラ、インターネット接続の最終確認を行います。アイスブレイクと面接の流れの簡単な説明(5分)候補者がログインしたら、まず簡単な挨拶を交わし、リラックスした雰囲気を作りましょう。「入り方は分かりましたか?」「普段もこういったビデオ通話のツールをよく使うんですか?」など、はい・いいえで答えられるような簡単な質問からアイスブレイクを行っていきましょう。その後、面接の流れや時間配分を説明します。もし録画を行うのであれば、社内で後から確認するために録画をする旨も伝えておきます。自己紹介と会社説明(10分)面接官の自己紹介と、会社の基本情報を候補者に伝えます。対面での面接と同じく、候補者を選ぶ立場でもありながら、候補者に選ばれる立場でもあります。候補者は同時並行で複数社を受けている可能性も高く、選考辞退されないよう自社の魅力を伝えていかなければいけません。企業の文化やビジョンについても話し、候補者の興味をひきましょう。候補者への質問(30分)事前に決めた採用基準の評価項目に沿って、候補者に対する質問を進めます。最初はリラックスした質問から始め、徐々に業務に関する具体的な質問に移ります。対面面接と異なり、インターネットの環境によっては会話にラグが生じる可能性や、音声が聞き取りづらく再度繰り返してもらう可能性もあります。あらかじめ「必ず聞く質問項目」と「できれば確認したい質問項目」に分け、時間に余裕を持った質問数にしておきましょう。候補者からの質問(10分)候補者からの質問も受け付けます。会社や業務に関して具体的に答え、候補者の疑問を解消します。この場で答えられない内容であれば、社内で確認して後からメール等で答える旨を伝えましょう。今後の案内と挨拶(5分)面接の終了時には、今後のプロセス(次回の面接や結果通知のタイミングなど)を伝えます。面接の場は、候補者を判断すると同時に、候補者から会社を評価される場でもあります。最後まで丁寧に接し、応募してくれたことや今回のWeb面接に対応してくれたことに対して感謝の気持ちを伝え、候補者に好印象を残すようにしましょう。Step6:面接後の対応対面での面接と同様、面接終了後には評価シートを記載し、面接内で話したことや雑談で得られた情報があれば次の面接官に申し送りをしましょう。録画をしていた場合は採用担当者間で録画データを共有します。また、万が一今回の面接で機材トラブルがあった場合は、その旨も報告し、対策や対処法を担当者間で共有する必要があります。合否が決まった後は速やかに候補者に合否を通知し、合格の場合は次の面接の日程を調整します。もしWeb面接中に答えられなかった候補者からの質問があった場合は、この段階で一緒に回答を伝えられると良いでしょう。事前準備のチェックリストWeb面接を実施する全体の流れが把握できたところで、早速事前準備を行っていきましょう。前章Step2にてWeb面接ツールを選定したら、以下のような細かな準備が必要になります。Web面接の前日までにやるべき「事前準備編」と、Web面接当日の開始直前に行うべき「当日編」とで分けてチェックリストをご紹介します。Web面接チェックリスト:事前準備編1. 面接ツールの準備選定したWeb面接ツールを事前に実際に使ってみて、想定通りに動くかテストしてみましょう。採用担当者同士で面接官役と候補者役に分かれ、実際にWeb面接ページに入るためのリンクを発行して問題がないかテストします。確認すべき項目は次の3つです。面接官役は実際にWeb面接を行う会議室などからWeb面接ページにアクセスし、候補者役は離れた場所からアクセスした時、音声は問題なく聞こえるか。カメラは正常に映っているか。録画機能など、使用を想定している機能は想定通り動作するか。想定通り動かない場合、別のツールを検討するか、ツールの開発元に問い合わせましょう。2. 環境の確認面接官役は実際にWeb面接を行う予定の会議室の環境がWeb面接に適しているか確認しましょう。確認すべき項目は次の3つです。騒音が少なく、Web面接に集中できる静かな場所であるか。来客が多く騒がしい部屋の隣や、休憩中の社員の喋り声が入ってしまう部屋、線路や工事などの外部からの音が大きく入ってしまう部屋は不向き。シンプルな背景を用意できるか。壁だけが映る、壁と何も書いていないホワイトボードが映る、程度に整頓できれば良い。背景を設定できるツールであれば、自社のロゴを入れたシンプルなバーチャル背景を用意しておく。自分の顔が明るく自然に見えるように、照明の位置や明るさを調整できるか。自然光や部屋の照明で足りない場合は独立するリングライトなどを追加で用意する。3. 技術機器の準備候補者役から見て、面接官がどのように映っているか、音声が正しく聞こえているかなどを確認し、調整を行います。確認すべき項目は次の3つです。カメラは顔全体がクリアに映るか。外付けのWebカメラであれば、角度や位置も調整可能。マイクからの音声がクリアに伝わるか。ノイズやエコーがないかを確認し、ツールの設定画面や、端末のコントロールパネルの音に関する設定項目などで調整する。安定したインターネット接続環境が確保され、画面や音声が止まってしまうことがないか。Wi-Fiが不安定な場合は有線接続も検討。4. トラブル対応の準備万全に準備していても、選定したWeb面接ツールで障害が発生したり、自社のインターネット回線が不安定になってしまうことがあります。また、企業側が万全でも、候補者側の環境で問題が起こることもあるでしょう。急にそういったトラブルが起きても対処できるよう、用意しておきましょう。実施すべき項目は次の4つです。トラブル対応手順をまとめておく。接続トラブルや音声不良が発生した場合の対応方法を確認。(本記事でも後ほどよくあるトラブルとその対処法をご紹介します。)万が一のトラブル時に、候補者にすぐ連絡できる手段(電話番号、メールアドレス)を確保。万が一、パソコンや接続にトラブルが発生した場合に備え、電話やスマートフォンをすぐ使える場所に設置。万が一ツールに不具合が生じた場合に、代替のツールを利用するのか、電話で実施するのか、後日に仕切り直すのかを決めておく。5. 候補者への通知Web面接の日程が決まったら、詳細を候補者に伝える必要があります。連絡すべき項目は次の7つです。どんなツールを用いて面接を行うかツールから発行した、Web面接の画面にアクセスするためのリンクリンクにアクセスしてほしい日時事前に実施してほしい動作確認の説明や、事前に候補者側でアプリのダウンロードなどが必要なツールであれば事前準備の説明必要であれば用意しておくべき書類やポートフォリオなどの準備の指示候補者が海外にいる場合、タイムゾーンの違いを確認4で決めたトラブル発生時の対応方法の共有また、候補者側の環境が静かでないと、Web面接当日、候補者の声が聞こえにくくなってしまいます。なるべく静かでインターネットの安定している場所で対応してもらえるよう、依頼しておきましょう。6. 面接内容の準備前章のStep4でもご紹介した通り、限られた時間で人材の判断を行うには、事前に評価項目や質問リストを準備しておく必要があります。当日は候補者への質問だけではなく、自社について説明したり、候補者からの質問にも答える必要があります。面接官は次の4つを確認しておく必要があります。【お役立ち資料】優秀人材を逃がしてしまう面接担当者 3つのNG評価項目の一覧表を確認し、不明な点があれば人事担当者に確認しておく。面接前に候補者の履歴書やポートフォリオを確認する。評価の上で必須の質問と、時間があれば聞きたい質問を考えておく。自己紹介や自社紹介で話す内容を決めておく。候補者からの質問になるべく答えられるよう、候補者の志望する職種とは異なる面接官の場合は、同職種の社員に現場の話を聞いておく。ただし、限られた時間、かつ対面での雰囲気が分からない候補者を相手に、本質を見極めきることは難しいことです。採用フローの中に、人材を見極めるサポートとして適性検査やリファレンスチェックも入れておくと、より見極めやすくなるでしょう。リファレンスチェックは、一緒に働いたことのある上司や同僚に、候補者についての質問に答えてもらい、実際の働きぶりや性格を教えてもらう選考手法です。関連記事:リファレンスチェックとは?基本的な流れや質問内容について解説リファレンスチェック等を取り入れる場合は、その結果のレポートもあらかじめ人事担当者と面接官で共有しておき、内容を踏まえて面接に臨みましょう。7. 面接官自身の準備Web面接の場において、面接官は企業の顔となる立場です。候補者にポジティブな印象を与えられるよう準備をしておきましょう。事前に確認すべき項目は次の3つです。当日に着るカメラ越しでも清潔感のある服装を選ぶ。普段の業務が制服や作業着であれば必ずしもスーツである必要はない。私服での勤務の場合、崩しすぎず、オフィスカジュアルを意識する。清潔でプロフェッショナルな印象を与えるため、髪や髭、爪、服のシワなど、身だしなみを整える。カメラの高さと位置を調整し、姿勢を正した時に目線が自然にカメラに向くように調節しておく。Web面接チェックリスト:当日編1. 面接当日の朝の確認ここまで事前準備で万全を期してきましたが、最終チェックも怠らないようにしましょう。Web面接の当日の朝、次の4点を改めて確認しておきます。機材やインターネット接続を再度確認。事前準備で調節した通りになっているか。使用するWeb面接ツールで障害が発生していないか。面接官自身の身だしなみは整っているか。事前に静かな部屋がどうしても確保できなかった場合、Web面接の時間帯は静かにするよう社内に共有しておく。また、もしかすると候補者がうっかり日時を間違えていたり、忙しさでWeb面接があることを失念している可能性もあります。過去のメールを消してしまってWeb面接の画面にログインできないなどのトラブルの可能性もありますので、当日の朝、リマインドメールを送ることもおすすめです。2. 面接の直前の準備面接の時間が近づいてきたら、早めにWeb面接を行う会議室等に行き、直前の準備を行います。次の3点を最終確認します。カメラ・マイク・照明・インターネット接続の最終確認をし、不具合がないことを確認する。不具合があり、調整が難しい場合は候補者にすぐ連絡を取る。候補者側でトラブルが起きた時にすぐ連絡を受け取れるよう、電話やスマートフォンを手元に用意。資料(履歴書、評価項目シートや質問リストなど)を手元に用意。事前の準備はこれで完璧です。続いて面接当日に気をつけるべきポイントを確認していきましょう。Web面接を実施する上でのマナーと注意すべきこと準備が万全でも、当日候補者に与える印象が悪ければ準備の努力が水の泡です。当日の対応は、対面面接と異なる点もあります。守るべきマナーや注意すべき点を確認していきましょう。時間厳守事前準備の章でもお伝えした通り、トラブルを避け時間通りに面接を始めるには直前の最終チェックが欠かせません。面接開始の10〜15分前、遅くとも5分前にはツールにログインし、機材チェック、接続チェックを行いましょう。また、終了時間にも注意が必要です。Web面接が連続する場合、前の面接が押してしまうと次の候補者との面接開始時間に間に合わなくなってしまいます。事前に決めた配分通りに面接を進めましょう。もしどうしても前の予定や面接で時間に間に合わない場合は、早めに連絡をするのがマナーです。候補者に遅くなる旨を丁寧に伝え、了承を得るようにします。候補者側も次の予定がある可能性がありますので、日程の再調整も柔軟に対応しましょう。身だしなみと服装事前準備で用意した通り、身だしなみを整え、清潔感のある服装で挑みましょう。服装は基本的にはスーツ着用で問題ありませんが、普段の勤務時の姿を見せることで、候補者はより自社で働くイメージを持ちやすくなるため、制服や作業着等での面接もおすすめです。普段の勤務が私服である企業の場合、オフィスカジュアル以上を意識し、カメラに映らない部分も含めて、崩しすぎない服装にしましょう。清潔感のある髪型、整えられた髭や爪、シワのない服であれば、企業の顔として信頼感のある印象を与えられます。また、声や表情が伝わりにくくなるため、原則マスクは外して対応します。通知をオフにしておくパソコンやスマートフォンから通知音やバイブ音が鳴るのは対話を遮ってしまうためマナー違反です。面接官自身も、取引先からのメールの受信通知やビジネスチャットの通知が来てしまうと、面接に集中できなくなってしまうでしょう。事前に通知はオフにしておきましょう。メモは紙で取る面接中にメモを取ることがありますが、対面面接と異なりWeb面接ではタイピング音が意外と候補者側に響いてしまいます。タイピング音で候補者の回答を遮ったり、気が散る要因とならないよう、紙やタブレット等のメモアプリにメモを取ると良いでしょう。はじめと終わりの挨拶Web面接の画面に候補者がアクセスしてきたら、落ち着いた笑顔で迎えましょう。最初に見える表情や態度は候補者に大きな安心感を与えます。まずは「本日はお時間をいただきありがとうございます。○○(企業名)の○○です。」と軽い自己紹介をしながら挨拶をします。その後、「接続状況や音声、映像は問題ありませんか?」と候補者に確認し、アイスブレイクに移っていきましょう。また、面接終了時、対面での1対1の面接の場合は候補者をオフィスの出入り口まで見送ったり、エレベータが閉まるまでお辞儀をしたりする企業もあるでしょう。Web面接の場合は、基本的にお辞儀は座ったままで問題ありません。お辞儀をしながら話すと声が聞こえづらくなるので、「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。今後の選考については○○までにご連絡いたします。」と挨拶の言葉を述べたあとに、45°のお辞儀をすると丁寧な印象を与えられます。この面接の後に、同じURLでの別のWeb面接が続く場合は「どうぞご退出ください。」と言って候補者の面接を促します。このURLでのWeb面接がこれで終了する場合は、自分から退出していいのか戸惑う候補者もいるので、「それでは失礼します。」と添えて面接官側からWeb面接画面から退出すると良いでしょう。目線とボディランゲージWeb面接では画面に候補者の顔が映るのでつい画面を見ながら話してしまいがちですが、カメラを見て話すことでお互いの目線が合い、候補者への印象も良くなります。画面ばかり見ないよう注意しましょう。対面での会話より相槌が聞こえにくかったり、ニュアンスが冷たく聞こえてしまう可能性もあるため、ジェスチャーや表情も重要なポイントです。過度なリアクションは必要ありませんが、候補者が安心して自己開示できるよう、穏やかな態度で臨むことが好印象につながります。適切な音声の管理事前にマイクのチェックは行っているものの、当日のインターネットの調子や、候補者側の環境で音声が途切れやすいことがあります。聞き取りやすいようにはっきりと話し、早口にならないよう心がけます。雑音やエコーが気になる場合は、候補者が話しているときには自分のマイクをミュートにしてみましょう。候補者に配慮する対面での面接も同じですが、候補者への配慮を意識しましょう。面接では緊張が高まりがちです。アイスブレイクとして最初にリラックスできるような挨拶や、カジュアルな会話から始めると、候補者も安心して話せるようになります。候補者へのリスペクトを忘れず、話を途中で遮ることなく、十分に考えて回答できるよう話す時間をしっかり与えましょう。また、就職差別に当たるようなタブーな質問はしてはいけません。聞いてはいけない質問については以下の記事をご参照ください。関連記事:【面接官必見】面接で聞いてはいけないこと6選|迷ったときのチェック項目3選も解説技術トラブルに対処する候補者側で接続できないなどのトラブルが起きた際は、電話やメールで連絡してもらい、トラブルの解消に時間がかかりそうな場合は、事前準備で決めた通り別のツールに移動する、日程を再調整するなどの指示をします。もしトラブルが発生した場合でも、焦らず冷静に対処することが大切です。事前に次の章でご紹介するトラブル例と対処法を確認しておき、その場ですぐ対応できそうな内容であれば対処して面接を続けましょう。よくあるトラブルと対策Web面接だからこそ起きる可能性のあるトラブルがあります。事前に起こる可能性があることを知っておき、対策を立てておきましょう。また、トラブルが発生した時、ただでさえ緊張している候補者はより混乱してしまいます。事前によくあるトラブルと対策集を共有しておき、いざという時もお互い迅速に対応できる準備をしておきましょう。インターネット接続が不安定トラブル内容:音声や映像が途切れる、画面がフリーズするなど、接続が不安定でコミュニケーションがスムーズに行えない。対処法:有線接続に切り替える Wi-Fi接続が不安定な場合、可能であれば有線LANを使用した方が安定する可能性があります。不要なアプリケーションやタブを閉じる他に開いているアプリや、ブラウザタブがある場合、それらがネットワークに負担をかけている可能性があります。他のアプリやタブを閉じて、通信速度を確保しましょう。一時的にカメラをオフにする カメラをオフにして、音声だけのやり取りに切り替えられるツールもあります。カメラをオフにすることで接続が改善される場合が多くあります。候補者に連絡し、再接続を試みるトラブルが続く場合は、一旦面接を中断し、再接続の時間を取ります。音声トラブル(聞こえない・ノイズが多い)トラブル内容:面接官や候補者の声が聞こえない、音声にノイズやエコーが入る。対処法:マイクの設定確認面接ツールの音声設定で、正しいマイクが選択されているか確認します。ミュートの確認 自分や相手がミュートになっていないか確認します。ヘッドセットや外部マイクを使用内蔵マイクの代わりに、ヘッドセットや外付けマイクがあればそれらを使用すると音質が向上します。ノイズキャンセリングのツールを利用 ツール内にノイズ抑制機能がある場合は有効にします。相手が喋っている間はミュートにする、またはイヤホンやヘッドフォンをつける相手の声が自身側でパソコンに再度拾われることで、声が反響する可能性があります。音量を調整する相手の声がハウリングしてしまったり、エコーが入る場合、自身の端末の音量が大きすぎる可能性があります。映像が乱れる、カメラが映らないトラブル内容:映像がぼやけたりカクついたりする、またはカメラが作動しない。対処法:カメラの設定確認 面接ツールのビデオ設定で正しいカメラが選ばれているか確認します。カメラの再接続 一度カメラをオフにしてからオンにする、またはUSB接続のWebカメラを使用している場合は再接続します。不要なアプリを閉じるカメラを使用している他のアプリケーションを終了させます。ライトや照明を調整 映像が暗く見える場合、明るい照明を追加するか、カメラの位置を調整します。背景の変更アニメーション付きのバーチャル背景を選択できるWeb面接ツールもありますが、映像が重くなる原因となる場合もあるため、静止画の背景に変更します。音声と映像のズレトラブル内容:口の動きと音声がずれる、映像が遅れて表示される。対処法:インターネットの再接続接続が不安定になっている可能性があるため、一度Wi-Fiやインターネット接続をリセットしたり、有線にLANに変更します。ビデオの解像度を下げる Web面接ツールの設定で、解像度を変更できるものもあります。ビデオ品質を「標準」や「低」に設定して、データ転送量を減らします。他のデバイスで接続ズレが続く場合、別のパソコン端末やスマートフォンで再接続を試みたり、他のWeb会議ツールに移動することも検討しましょう。候補者がログインできないトラブル内容:候補者が送られたリンクにログインできない、またはアクセスに問題がある。対処法:リンクやパスワードの確認候補者にリンクを共有してから、リンクやパスワードを変更していないか確認する必要があります。正しいリンクやパスワードを再度送信します。代替手段を案内使い慣れていないツールの場合、別のWeb面接ツールへの切り替えや、電話をしながら操作を指示しましょう。面接ツールの機能が使えないトラブル内容:画面共有やチャット機能、録画機能など、必要な機能がうまく作動しない。対処法:機能の再起動一度ツールを再起動して、問題が解消されるか確認します。ツールを動かすブラウザやアプリ自体の再起動、端末自体の再起動が有効な場合もあります。別の手段で対応画面共有ができない場合は、資料を別途メールで送る、録画できない場合はパソコン本体の画面録画機能を使うなど、代替手段を取りましょう。他のツールに切り替えるもしトラブルが解決せず、代替手段もない場合、別のツールへの移動を検討しましょう。候補者が過度に緊張してしまっているトラブル内容:機材トラブルではないが、候補者がWeb面接に慣れておらず、緊張して言葉が出ない、または不自然なコミュニケーションになる。対処法:アイスブレイクを行う初めてWeb面接を行う候補者の場合、Web面接という状況に過度に緊張してしまう可能性があります。面接開始前に簡単な雑談や、リラックスできる話題を提供して緊張を和らげましょう。ペースを配慮する質問をゆっくりと行い、候補者が十分に考える時間を与え待ちましょう。親しみやすい雰囲気を作る視線をカメラに向け、笑顔やジェスチャーを使って、リラックスした雰囲気を作りましょう。接待する必要はありませんが、候補者の本来の姿で対話できるよう、歓迎している雰囲気作りが大切です。候補者の本質も見極めるならback checkWeb面接の導入により、これまで出会えなかった遠方在住や多忙な候補者にも応募してもらいやすくなります。チェックリストを基に万全の準備を行い、面接官・候補者共にストレスの無いスムーズな面接を実現しましょう。ただ、Web面接だけでは候補者の本質を見極めきることは難しく、実際に会って長い時間をかけなければミスマッチへの懸念は払拭しづらいでしょう。そのためWeb面接とリファレンスチェックを組み合わせた採用フローにして情報を補完することをおすすめします。株式会社ROXXの提供するオンライン完結型リファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」では、Web上で候補者の情報を登録するだけで、簡単・低価格にレポートを取得できるため、Web面接では見えて来なかった候補者の実際の働きぶりや特性を把握することが可能です。Web面接の利便性を活用しつつ、本当に自社に合う必要な人材を見極めるために、back checkとの組み合わせ利用をぜひご検討ください。