目次社風とは社風とは、企業の価値観・信念が現れる独自のスタイルを指す言葉です。具体的にMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)や行動理念・行動規範として言語化している企業もありますが、実際にはその会社独自の「雰囲気」としてとらえられることが多いです。言語化されていなくてもなんとなく感じる雰囲気や、その企業ならではの考え方など、全てを指して「社風」と表現されています。なお、社風と従業員個人の考え方がマッチする場合、従業員満足度が向上します。納得度が高い状態で業務と向き合えるため生産性も高くなりやすく、採用の現場では「社風と合うか」を重視する企業も増えています。厚生労働省の調査によると、中小企業で働く常用労働者の離職理由として、「会社の経営理念・社風が合わない」(25.3%)が3番目に多く挙げられています。「社風」は従業員にとっても重視している事柄であり、マッチしていなければ早期離職に繋がることが伺えます。Q.同僚がどんな理由で離職する場合が多いですか?(複数回答、n=10,000)賃金が不満44.3%仕事上のストレスが大きい37.4%会社の経営理念・社風が合わない25.3%職場の人間関係がつらい(職場でのいじめ、セクハラ・パワハラを含む)24.4%自身のキャリアアップのため22.2%仕事がおもしろくない21.6%会社や自分のキャリアに将来性がない21.0%労働時間が長い18.9%肉体的・精神的に健康を損ねたため17.3%結婚・出産・育児・介護のため15.8%会社都合のため(事業所の閉鎖、人員整理、解雇など)12.9%配偶者の転勤など家族の事情6.8%勤務地が遠い・通勤が不便5.0%その他2.6%参考:働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書「社風に合わない」と判断し不採用にした方がいい基準5例入社選考の際に「社風と合うか」を重視する企業が多いものの、実際に「どんな状態だと社風に合わないと判断できるか」迷う採用担当者は多いです。ここでは、「社風に合わない」と不採用にした方がいい例を具体的に解説します。仕事に対する考え方や姿勢が異なるとき仕事に対する考え方や姿勢が根本的に異なる場合、入社してもお互いのミスマッチがどんどん拡大していくおそれがあるため注意しましょう。例えば自社がチームパフォーマンスを第一に考えてスキルの底上げや業務スキル標準化を目指しているのに対し、候補者が個人プレー重視で仕事のやり方は個別に決めたほうがよいと考えている場合、どうしても考え方が一致しなくなってしまいます。どちらにもメリット・デメリットがありますが、そもそも理想とするやり方が異なる場合、お互いにストレスフルな状態が続いてしまいます。理想的なコミュニケーションスタイルが異なるとき理想的なコミュニケーションスタイルが異なる場合も、意思疎通が難しいと感じる頻度が増える要因となるため注意が必要です。例えば自社が飲み会やオフラインイベントに積極的な企業である一方、候補者が業務時間外のコミュニケーションを嫌うタイプであった場合、お互いに「コミュニケーションを取ろうとしてくれなくてやりづらい」「業務時間外の不必要な連絡が多くて煩わしい」と感じてしまいます。結果、居心地の悪さを感じさせてしまうおそれもあるので特に配慮しましょう。以前の会社と自社とでやり方が大幅に異なるとき以前の会社と自社とで業務の進め方・やり方が大幅に異なると、社風に馴染むまで相当な時間を要します。「郷に入っては郷に従え」ととらえて少しずつ考え方を改めてくれる人もいますが、そうでない場合は前職でのやり方がなかなか抜けず、頑なになってしまうことも多いです。結果、目指す方向性が変わって生産性が下がったり、人事評価面でお互いのミスマッチが発生したりすることが増えてしまいます。関連記事:中途採用が期待はずれになる要因と中途採用の期待はずれを防ぐ方法両者が考える将来的なキャリアプランが異なるとき両者が考える将来的なキャリアプランが異なるときも、あえて積極的に採用する必要はありません。例えば自社が「高い専門知識と豊富な経験で長く現場を牽引してくれるプロフェッショナルがほしい」と考えているのに対し、候補者が「将来的には経営に関われるようキャリアアップしていきたい」と考えている場合、10年後20年後のミスマッチが大きくなります。結果、十分に育成できてきた頃に転職されてしまうなど、人材活用の面でロスが出るため注意しましょう。企業理念・経営方針に賛同してもらえないとき企業理念・経営方針に賛同してもらえないときは、採用を見送って問題ありません。賛同してもらえないまま入社した場合、自社が理想とする行動理念・行動規範にも従わない可能性が高いです。企業理念・経営方針に賛同しない人材の入社が増えるほど全体での意思統一が図りにくくなり、個人プレー寄りの組織になってしまうことも懸念されます。もちろん、入社の前段階である選考ステップにおいて企業理念・経営方針を詳しく伝えることは重要です。なぜ今の企業理念になっているのか、今の経営方針を掲げることでどんな会社にしていきたいのかなど、可能な限り言葉を尽くして「理解してもらう努力」をするよう意識しましょう。社風に合った人材を採用する採用活動のコツ社風に合った人材を採用する採用活動にするためには、まず社風を候補者に知ってもらう必要があります。そのうえで、社風・企業理念に賛同してもらえるか、書類選考や面接を経て判断していきましょう。ここでは、社風に合った人材を採用するコツを解説します。企業理念や経営方針をHPなどで積極的に公開する企業理念や経営方針はHP・SNS・採用パンフレットなどを使って積極的に広報し、「どんな会社なのか」知ってもらいましょう。面接の度に経営理念を説明する手間が省ける他、経営理念に目を通して応募してくれる候補者であればある程度社風とのマッチも期待できます。「社風が合わなそう」と感じる候補者は最初から応募を避けるようになり、採用工数を削減することにもつながります。職場見学会やミートアップイベントを開催する選考途中や内定承諾前に、社風を理解してもらう場を設けておく方法があります。例えば職場見学会の場合、実際に会社で働いている従業員や業務中の様子を見てもらうことができるため、HPだけではわからない実情も伝えやすくなります。ミートアップイベントの場合、双方向型のコミュニケーションを取りながらフランクな情報交換ができます。社風や企業理念を理解してもらえる他、候補者の性格や考え方を自社が理解するきっかけにもなります。インターンシップを開催するインターンシップを開催し、実務に入らないとわからない社風を理解してもらう方法もおすすめです。意思決定までの手順や自社が業務上大切にしている考え方まで幅広く伝えることができ、事前にミスマッチの有無を確認できるのがポイント。そのまま入社してもらうことができれば職場に馴染むのも早くなり、コミュニケーションの壁が取り払われます。候補者の考え方がわかるような質問項目を用意する入社面接の際は事前に候補者の考え方がわかるような質問項目を用意し、候補者の本質を見抜くことも重要です。候補者の価値観・考え方・大切にしている軸がわかれば、社風と照らし合わせやすくなります。あえて価値観とは違う質問を投げかけて反応を見るなど工夫することで、さらに採用の可否を検討しやすくなるでしょう。関連記事:カルチャーフィットの質問とは?面接でのカルチャーフィットの質問例と注意点社風に関する質問を積極的に受け入れる社風に関する質問を積極的に受け入れ、相互理解を目指すことも効果的です。事前に社風に関する説明をしたうえで質問を受け付けたり、前職の社風について聞いたうえで自社の社風を説明したり、やり方は様々です。候補者が気になっていることが分かれば、事前に開示するべき情報や今後の採用活動の軸づくりにも貢献します。リファレンスチェックを使って候補者の人柄を可視化するリファレンスチェックとは、候補者の前職や現職の上司・同僚に連絡をして実績・勤怠状況・スキルレベルを確認する手法です。実務に影響する内容について質問することも可能ですが、人柄や考え方に関する内容も質問できます。現職の社風に関する質問をしておけば、どんな環境でどんな考え方になってきた人なのか理解することもできます。なお、リファレンスチェックは自社だけで独自に実行する方法の他、リファレンスチェックに特化したサービスを使う方法もあります。関連記事:リファレンスチェックとは?リファレンスチェックのやり方と内容を解説リファレンスチェックならback check「社風に合わない」「社風に合わなそう」という違和感は、十分に不採用とする理由になります。違和感を覚えたまま採用を決定した場合、双方のミスマッチがどんどん拡大してモチベーションや生産性の低下を招くことがあるため注意しましょう。候補者の人柄や考え方を第三者に聞くことでより深く理解し、自社の社風と合うか判断したい方には、株式会社ROXXが提供するオンライン完結型のリファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」がおすすめです。最小限のコストで効率よくリファレンスチェックを実施し、社風が原因となる採用ミスマッチを防ぐことが可能です。中途採用を成功させるためにぜひback checkの導入をご検討ください。