目次面接する側のポイントや心得とは?面接官が前提として押さえておくべきポイントや心得を、まずは理解しておきましょう。面接の準備を具体的に進めていく中で疑問や困りごとが出てきた時も、基本的な面接のポイントや心得を理解しておけば、適切な回答に結びつきやすいでしょう。面接官の役割を理解する自分に求められている面接官としての役割を理解しましょう。一般的に、採用面接は複数回行われることが多く、それぞれの面接に異なる目的があります。例えば一次面接であれば、基本的なビジネスマナーやコミュニケーション能力の確認が目的であることが多いです。その場合、一次面接の面接官は、候補者の入退室の立ち振る舞いや身だしなみ、質問に対する回答の言葉遣いに注目し、基本的なビジネスマナーが身についている人物か判断する役割となります。また、コミュニケーション能力を見極める上で、本来の雰囲気で話せるような空気作りを心がけることもポイントです。アイスブレイクとして、「弊社までは電車でいらっしゃったんですか」「外は暑かったでしょう」などの簡単に答えられる質問を投げかけることで相手の緊張を解くことが出来ます。もし、自分が担当する面接の目的や、自分に求められている役割が不明瞭な時は、事前に面接を依頼してきた方に確認をしておきましょう。求める人材要件を理解する面接官は面接の合否を出す必要がありますが、合否の判断軸はできるだけ客観的であることが望ましいです。自分の主観だけで判断するのではなく、会社の総意に近い判断軸に沿って判断する方が、より適切な採用につながるでしょう。万が一、入社後に問題が起きた際にも、面接官に責任が偏ることを防ぐことができます。採用募集をかける際、採用部署や人事部は求める人材要件を明確にしているのが一般的です。どのような人材が欲しいのか、求人票などを見てしっかり理解しておきましょう。もし、求人票だけでは具体的な人材イメージがつかない場合は、人材要件を決めた方に確認をして、人物像をすり合わせておきましょう。面接のタブーを理解する面接は、自社が候補者を判断する側面だけではなく、候補者に自社をジャッジされるという側面もあります。もちろん、企業と候補者には相性がありますので、全ての候補者に好かれることは難しいですが、法律的な観点やモラル的な観点で、タブーとされている行為があることは理解しておきましょう。具体的には、候補者本人に責任がないこと候補者本人の自由であるべきことこの2点は、厚生労働省が定める「公正な採用選考の基本」で、配慮すべき事項とされています。例えば、本籍地や家族や兄弟の仕事や収入は、候補者本人に責任がないことにあたります。宗教や支持政党など、思想や信条に関することは、候補者本人の自由であるべきこととされます。上記は厚生労働省のガイドラインに含まれる内容ですが、それ以外にも、恋愛や出産、容姿や性別に関することは、ハラスメントに繋がってしまうリスクがあるため、面接では避けた方が良いでしょう。採用面接は、仕事の適性や能力を判断する場です。また、不採用であっても候補者は現在・未来における顧客や取引先である可能性があるのです。仕事と全く関係のない質問をしてしまうと、非常識な企業だと候補者に思われてしまう可能性がありますので、気をつけましょう。参考:公正な採用選考の基本面接する側のポイント:事前準備面接官をすることになるのが決まってから、実際に面接を行うまでの間に、準備しておくべきポイントを紹介します。面接する側も事前の準備や心構えがあれば、自信を持って面接当日を迎えることができるでしょう。候補者の書類を読み込む自分が担当する候補者がどんな方なのか、できる限り事前に確認しておきましょう。面接官には、人事などから候補者の履歴書や職務経歴書が事前に共有されるのが一般的です。応募書類の内容をしっかりと読み込み、どのような経験やスキルを持った人なのかイメージを膨らませておきましょう。リファレンスチェックを選考フローに取り入れているのであれば、取得したレポート情報を把握しておくことも面接する側のポイントとして重要です。リファレンスレポートに記載された第三者から見た候補者の働きぶりと、実際に面接で得られる候補者の働くイメージに乖離がないかを確認することで採用ミスマッチを減らすことが可能です。限られた面接時間で求める人材か判断できるよう準備しておきましょう。関連記事:リファレンスチェックとは?リファレンスチェックのやり方と内容を解説 なお、全く書類を読まずに面接に臨み、候補者に基本的なことを聞きすぎてしまうと、せっかく事前に提出した書類が読まれていないことで、候補者の自社への心証を下げてしまう可能性もあります。また、面接の時間は限られているので、言葉の確認にばかり時間を使ってしまうと、候補者が自社の求める人材であるかを判断するための質問に使える時間が減ってしまいます。逆に、事前に書類を読み込み、大まかな経歴を把握しておくことで、面接の中で詳しく聞きたいことが事前にリストアップでき、短い面接の時間を有意義なものにできるでしょう。質問例を用意する候補者への具体的な質問例を事前に用意しておくこともポイントです。ぶっつけ本番では、なかなか良い質問が思い浮かばないケースが多いですので、実際の言い回しも含めて、質問例を準備しておきましょう。質問例を用意する際のポイントは、必須の質問と任意の質問を分けておくことです。用意した全ての質問を聞こうとすると、質問することが目的になってしまって、候補者から深い話を聞けなかったり、回答から話を広げるといったことができなくなってしまう可能性があります。必須の質問は、主に以下です。求める人材要件か判断するための質問その面接で判断が求められている項目を確認するための質問求める人材要件か判断するための質問は、業務知識やテクニカルスキル、人柄などを確認できるような質問が一般的です。その面接で判断が求められている項目を確認するための質問は、面接の目的によって異なります。例えば、自チームメンバーとの相性を確認する必要がある場合は、チームワークを発揮した経験などについて質問するのが良いでしょう。自社について説明できるようにする面接は、候補者が自社についての理解を深める場でもあります。自社への意向を上げることも、面接官の大切な役割であるケースが多いです。特に他社と採用ターゲットが被っている場合は、いかに自社に興味を持ってもらえるかは重要なポイントになります。面接官をすることになったら、事前に候補者に自社についての情報がどの程度インプットされているのか確認しておきましょう。場合によっては、自分が面接官として、自社の基礎情報から候補者に説明をする必要があります。通常業務の中ではあまり触れない、企業理念や沿革といった会社全体の説明が求められることもありますので、企業HPなどをしっかり読み込んでおきましょう。また、自社の情報の伝え方が主観的にならないように、人事担当などと、説明内容についてすり合わせをしておくのもポイントです。面接する側のポイント:面接本番適切な情報を引き出し、自社に好印象を持ってもらうためにも、事前に面接本番時のポイントや心得を確認しておくことは大切です。面接の全体の流れや面接の中でやるべきことをイメージできるようにして、気持ちにゆとりを持って面接本番に臨めるようにしましょう。面接全体の流れをイメージする限られた面接の時間を有意義なものにするためにも、面接全体の流れやペース配分をイメージしておきましょう。以下は、60分の面接の流れの一例です。アイスブレイク:5分面接官の自己紹介・自社紹介:10分候補者への質問:30分質疑応答:10分(特になければ、早めに終了する)面接後の流れに関して説明:5分面接は一問一答ではなく、会話形式で進めていくのが一般的です。話が盛り上がりすぎて、必須の質問を聞く時間がなくなってしまった、といったことがないように、大枠の所要時間を決めておきましょう。【お役立ち資料】優秀人材を逃がしてしまう面接担当者3つのNGリラックスして話せる雰囲気を作る面接官に慣れていない場合、面接する側も緊張する可能性はありますが、大抵の場合、候補者の方が緊張しているものです。面接の目的は、候補者が自社で力を発揮できる方かを見極めることですので、本来の候補者らしさを面接でも見せてもらえることが望ましいです。リラックスして本音で話せるような雰囲気作りを心がけましょう。笑顔や声色を明るくすることを意識したり、面接を始める前にアイスブレイクの雑談の時間をとるのも良いでしょう。自分も緊張しているようであれば「実は私も緊張しているんです」と、自己開示することでお互いに少し緊張を解せるかもしれません。面接官から自己紹介・自社紹介をする面接と言えば、面接官から候補者に質問をするイメージが強いですし、実際に候補者への質問は面接の主なパートにはなります。しかし、面接を有意義なものにするためには、候補者に質問する前に、面接官から自己紹介と自社紹介を先にするのがポイントです。面接官から自己紹介・自社紹介を先にするメリットは主に以下です。候補者がいきなり話すのではないので、緊張を解せる。先に情報提供をすることで、面接に来てもらったことへの感謝や誠意を表しやすい。その後の候補者への質問に対して、候補者が自社の業務と絡めた具体的な回答をしやすくなる。候補者から適切な回答を得やすくなりますし、自社への意向上げにつながる可能性もありますので、まずは面接官の自己紹介・自社紹介を行いましょう。また、自己紹介は先にした人の形式に倣うケースが多いという心理を利用して、相手に教えて欲しい情報を、自分が先に自己紹介で伝えるというテクニックもあります。例えば、家庭状況の質問は、そこだけを質問として切り取ると、ハラスメントとして受け取られてしまうリスクが高まりますが、先に自己紹介で「4歳の子供の育児に奮闘しています」など自己開示しておくと、相手の自己紹介でも家族構成について自発的に話してくれる可能性が上がりますので、上手に質問する工夫をしてみるといいでしょう。候補者へ質問をする候補者へ用意していた質問を投げかけていきます。自己紹介をしてもらうことからスタートする面接が一般的です。グループ面接の場合は、一人当たりに質問できる時間が限られているため、事前に用意していた質問を全員に投げかけ、一人ずつ回答してもらうケースが多いです。個人面接の場合は、応募書類を元に、経歴の詳細を深掘りしたり、会話を深めていく形で質問を重ねていく形が基本です。数多くの質問をするよりも、1つの質問に対して得た回答を深めていく方が、その候補者をより理解しやすいためです。具体的には、以下のような観点から質問を深めていきます。なぜ:その行動をした/しなかった理由、そう考えた理由を深掘りする。具体的には:実際に近いイメージができるように深掘りする。質問をする際に注意すべき点としては、情報を引き出すことばかりに集中してしまい、相手を追い詰めるような言い回しをしないようにすることです。回答をもらったら、しっかりと頷いたり、共感を言葉で示したりするのが大切です。また、「今のは〜〜という理解で合っていますか?」と、認識に相違がないかも適宜確認しながら質問を進めましょう。候補者からの質問に回答する面接は、候補者に自社を知ってもらう場でもあります。候補者からの逆質問の時間を設け、自社に対する疑問を解消してもらいましょう。具体的な仕事内容や、社内の雰囲気など、実際に働いている人間の生の声を聞きたいという意図で、質問をする候補者も多いです。社外への情報開示ルールなどには気をつけながら、自社について深く理解してもらえるよう、自分自身の言葉で回答しましょう。入社後のミスマッチを防ぐため、取り繕わずありのままを回答するよう心掛けてください。とはいえ、候補者によって質問は様々ですので、自分ではすぐには回答できないような質問を受けることもあるでしょう。そのような質問に対しては、その場しのぎで回答しようとするのではなく「すぐに回答しかねるので、面接後に追って回答いたします。」と伝えるといいかもしれません。その場では回答できなかったが、自分で回答できる質問であれば、面接後のお礼メールで回答を伝えるなど誠意をもった対応を意識しましょう。自分では回答できない質問の場合は、人事や次の面接官などに申し送り事項として、質問内容を伝えておきましょう。面接後の流れを説明する面接の最後には、面接後の流れについて候補者に説明するのが一般的です。具体的には以下の項目について伝えます。結果が出る時期連絡方法合格だった場合の次のステップ提出が必要な情報や書類がある場合、提出期限上記の情報を伝え、特に候補者から質問がなければ、面接に来てもらった感謝を改めて伝え、面接終了とします。会社の出口や、オフィスビルの場合エレベーターまで候補者を見送るのが一般的です。面接する側のポイント:面接終了後面接が終了したら、自社のルールに則って、候補者評価と申し送りを行います。候補者の印象が薄れないうちに、早めに対応しましょう。面接の合否・評価を決める候補者の面接の合否を決めます。合否の判断が主観的にならないように、面接評価シートを用意している企業が一般的です。面接評価シートがある場合は、各評価項目にチェックを入れていき、総合的な判断を下します。面接評価シートがない場合や、判断に迷う場合は、改めて以下の観点から候補者情報を見返してみましょう。求める人材要件と一つひとつ照らし合わせる。その面接で判断が求められている項目に注視する。どの候補者にも、評価できる点と不安を感じた点があるはずです。両方を書き出してみて、客観的な判断ができるよう努めましょう。次の面接官へ申し送りをする合格の場合、次の面接官への申し送り事項をまとめましょう。できる限り詳細に、面接内で話したことを記載します。こちらからの質問や得られた回答、受けた逆質問や雑談から得られた情報などを記載します。また、時間内で質問しきれなかったことがあれば、次の面接で聞いてもらえるように申し送ります。申し送り事項が不十分だと、次の面接でも同じ質問をしてしまったり、未確認項目をそのままに選考が終了してしまう可能性があります。候補者の自社への意向を上げるという観点から、候補者が気にしていた点や、より詳細な情報提供が必要と感じたポイントも伝えましょう。必要な場合はメールをする人事と連携をとりながらになりますが、面接官から候補者にメールを送るケースもあります。特に、面接の中で答えきれない逆質問があった場合、その回答をメールで送る必要があります。できるだけ面接の当日中、遅くとも翌営業日にはメールすることを心がけましょう。もし、候補者から面接官の自分宛に直接お礼メールがあった場合は、人事と内容を共有し、候補者に返答メールを送りましょう。面接する側のポイント:オンラインの場合オンライン面接でも、押さえておきたいポイント・心得があります。事前に面接官の役割や人材要件、面接のタブーを理解したり、候補者の書類を読み込んだり、質問例や自社の説明を準備するのは、対面の面接と全く同じです。面接本番も、全体の流れをイメージし、リラックスして話せる雰囲気を作るなど、対面面接と内容は大きく変わりません。オンライン面接だからこそ、追加で気をつけるべきポイントや心得を確認していきましょう。オンライン面接用URLは早めに伝えておくオンライン面接を開催する場合、zoomなどのオンラインコミュニケーションツールを用います。基本的には、自社で指定するツールからその候補者の面接用のURLを発行し、面接前に候補者に伝えます。面接官自身が面接用URLを伝える場合は、面接の日時が確定したタイミングから、遅くとも前日にはURLを送信しましょう。面接当日など直前にURLを送ると、ツールのダウンロードや設定に時間がかかる可能性があり、候補者を焦らせてしまう可能性があります。また、万が一メール送信エラー等が起きた際に、面接官も候補者もそれに気付けないまま面接の時間になってしまったりするリスクがあります。オンライン面接用のURLが発行されたら、できるだけ早めに候補者に伝えるようにしましょう。背景や名前の表示を適切に変更しておくオンラインコミュニケーションツールは、面接以外にも社内外のミーティングで使うことが多いです。フランクな社風の企業の場合、ツール上の表示名が略称やニックネームで設定されていたり、ユニークなバーチャル背景になっている可能性があります。面接が始まる前までに、対外的に出して問題のない名前の表示や背景に設定し直しておくことを忘れないようにしましょう。通信エラーがあった場合の対応を決めておくオンライン面接の場合、互いの通信状況によって会話が滞ってしまうリスクがあります。また、そもそもログインがうまく行かず、面接が開始できないという可能性もあります。そうした通信エラーが発生した場合を想定して、万が一の場合の対応方法を事前に共有しておくことがポイントです。具体的には、面接用のURLを共有するメールに、通信エラーが起きた際の緊急連絡先を記載しておくのが良いでしょう。メールアドレスの他、電話番号を記載しておけば、当日スムーズに連絡が取れるでしょう。その場合、電話面接に切り替えるのか、面接の日を改めるのかといった判断は、人事と事前に相談しておきましょう。採用面接の事前準備に、back check面接において、面接官は候補者が自社に適した人材かを見極める必要があります。特に、面接での見極めに役立つのが、前職や現職で候補者と一緒に働いたことのある人物から情報を取得するリファレンスチェックです。リファレンスチェックによって取得した情報を中途採用に活用することで、候補者の働きぶりや人柄について理解を深め、入社後のミスマッチをなくして、早期離職を防ぐことができます。リファレンスチェックをどのように行えばいいか分からない、社内のリソースが足りないという場合には、オンライン完結型のリファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」がおすすめです。依頼からレポートの作成まですべてオンライン上で完結し、個人情報保護法などの法律にも準拠しているため、採用担当者の負担を最小限に抑えてリファレンスチェックを実施することができます。中途採用を成功させたいとお考えのご担当者様、ぜひback checkの導入をご検討ください。