目次良い人材の定義採用活動における「良い人材」の定義とは、「企業の利益拡大に貢献できる人」です。なぜなら、利益がなければ企業は存続できず、利益を得るための目標や戦略の実現に対し、不足する人材を確保するべく採用活動を行うからです。この大前提をしっかりと軸に据えることが、良い人材を見極めるための第一歩です。優しく穏やかな性格でも、学歴がただ高くても、経験年数がただ長くても、それだけで良い人材とは限らないところが難しい点です。良い人材の特徴7選企業の利益拡大に貢献できる「良い人材」とは、どのような特徴を持っているのでしょうか?ここからは、どの業界や職種でも通用する一般的な「良い人材の特徴」を7つご紹介します。人間関係の構築能力が高い仕事を通じてさまざまな人と関わる中で「コミュニケーション能力」は、非常に重要な要素です。話が論理的で分かりやすく、傾聴力があり会話のキャッチボールができる人材は、入社後も社内外さまざまな人と良好な人間関係を築くことができるでしょう。当たり前のことのようですが、相手の立場を考え感謝や配慮ができる方は、取引先からの印象もよく、「あの人から買いたい」「あの人に任せたい」と受注に繋がる可能性が高まります。また、社内のコミュニケーションコストも低いので、利益に貢献する良い人材だと言えます。客観的に自分自身を分析できている自分の得意・不得意を理解し、経歴やスキルの棚卸しができている方は、良い人材だと言えます。そういう方は自分がどのような仕事内容で力を発揮できるかどうかを認識しているので、適切なポジションに配置されれば会社の利益のために最大限貢献してくれるでしょう。客観的な視点を持っている人材であれば、ミスやトラブルが起きた際も原因に対して冷静な対処を行い、内省して今後の再発防止策も考えることが出来るでしょう。将来のビジョンや、明確な目標を持っている将来のビジョンや明確な目標がある方は、自分が今すべきことを逆算的に考えることができます。また、現在起こることに一喜一憂せず、将来を見据えて前向きに行動できます。そのような方は仕事においても、納期や計画、利益を見据えながら、短期、中期、長期的にすべきことを整理して業務に取り組める「良い人材」と言えるでしょう。志望動機を論理的に、熱量とともに語れる志望動機は、良い人材かどうかを見極めるための重要な要素の一つです。これまでの経歴と将来のビジョンが論理的に繋がっていて、そこに熱量や強い思いがある言行一致な方は採用後の行動も信頼出来る誠実な人材である可能性が高いです。そのような方は困難な状況の中でも、顧客のため、そして利益のため、未来を見据えて前向きに行動できます。謙虚さと自己肯定感を併せ持っている自分のことを過大評価せずに、謙虚さを忘れない方は優秀な人材です。謙虚な方は常に感謝の気持ちを忘れないので、良い人間関係を構築できます。ミスが起きたのであれば周りのせいにせず、自省できる人物でしょうし、提出物があれば、上司や顧客からフィードバックを受けた時、素直に意見を受け入れ改善出来る人物でしょう。ただし、自己肯定感も併せ持ち、自分を卑下しすぎることなく、自分の経歴や経験に自信を持っていることも大切です。そのような方であれば協調性が高い場合が多く、チームとして成果をあげ、利益に貢献してくれるでしょう。ストレスへの耐性が強い、または解消方法が明確である残念ながら、仕事をする上でストレスを避けて通ることは難しいものです。しかし、ストレスがかかる場面でも自分のすべきことを全うできる方は良い人材と言えます。また、ストレスを自分なりに解消し、適度に受け流す方法を持っている方は、仕事をする上で波が少なく、一定のレベルでパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。そうは言っても候補者にストレス耐性が備わっているかを確認したいからと言って、圧迫面接をするわけにもいきません。採用担当者が候補者のストレス耐性を見極める方法については以下の記事をご参照ください。関連記事:ストレス耐性チェックの方法や社員のストレス緩和のコツを紹介一般的なマナーが備わっている最後に、一般的な社会人としてのマナーが備わっているかどうかも大切です。挨拶がしっかりとできる、遅刻をしない、メールへのレスポンスが早い、服装がしっかりしているなど、基本的なことをきっちりとできる方は良い人材です。そのような方は自己を律することができ、社会の中で生きているという自覚をしっかりと持っている人だからです。マナーが備わっているからといって直接的な利益になるわけではありませんが、そうでない人に比べて顧客の印象は良く、利益の機会損失の原因となることは少ないでしょう。良い人材かどうか見極める方法ここからは、これまで触れてきた「良い人材の特徴」を持っているかどうかを見極める方法を紹介していきます。コミュニケーション能力を確認する候補者とのやり取りが発生した瞬間から、採用過程は始まります。先にも触れましたが、挨拶がしっかり出来るかどうか、メールのやり取りが円滑に出来るかどうかなどで、基本的なコミュニケーション能力を把握しましょう。面接に至った場合は、面接の中で会話のキャッチボールが適切に出来るかどうか、質問と答えが合っているかなどの能力を確認します。基準が偏らないためにも、面接までの事務的なやり取りと面接の担当者は別の人にした方が良いでしょう。チェックする項目をシートにまとめておく、などの方法も有効です。ただし、どの程度の能力まで必要かは職種による部分が大きいでしょう。社内とのやり取りが基本で、顧客と直接コミュニケーションを取らないような職種であれば、業務指示や報告がスムーズに行える事が重要です。コミュニケーションコストがある程度かからない人材であると分かれば、他の実務的なスキルの見極めを重視すべきです。一方で、営業や接客業などの、コミュニケーションが重視される職種であれば、基本以上の能力が求められるため、高度なコミュニケーションスキルやプレゼンテーション能力のチェックに時間をかけると良いでしょう。面接の中で質問をして深掘りする面接官のコミュニケーション力、および質問力は、候補者が良い人材かどうかを見極めるのに非常に大切な要素です。これまでの経歴や今後のビジョンについて深掘りをしなければ、候補者の根本を見極めることはできません。そのためには「なぜ?」を問う質問が有効です。過去の決断の背景にあったものや、将来のビジョンをどのような理由で設定しているのかなどを聞いていくことで、候補者が自分のキャリアとどれだけ向き合っているのかを伺い知ることができます。このように候補者に対し、過去にとった具体的な行動について質問を行う面接手法をSTAR面接と呼びます。具体的な方法は以下の記事をご確認ください。関連記事:STAR面接(行動面接)の手法とは?メリットや質問例をまとめて解説採用活動における究極の理想は、採用する側とされる側双方の願いを100パーセント叶えることです。そのためにも、候補者の胸の内や願っていることを引き出し、それを叶えられる環境であるかを判断するというのが、採用を担う者としての一つのあるべき姿です。どれだけ実務的な能力が高い人材であっても、企業側のビジョンや目標とマッチしないようであれば、せっかく採用に至っても早期離職のリスクが出てくるでしょう。人間性やマナーを確認する服装がきちんとしているか、挨拶や感謝ができるかなどの基本的な人間性やマナーを見ることはもちろん大切です。それに加えて、過去のエピソードから見える人間性も、良い人材か判断する上での基準となるでしょう。例えばこれまで経験した困難や失敗において、反省のベクトルが自分に向いているかどうかを確認することで、客観的な視点を持ち自責思考で物事を考えられる人なのかどうかを判断できるでしょう。また、成功体験においては関わった人への感謝があるかどうかで、謙虚で良好な人間関係を築ける人なのかどうかを判断できるでしょう。その場をよく見せることは誰にでもできることです。候補者の本質に迫るようなコミュニケーションをしてこそ、採用に至った場合の入社後のミスマッチを防ぎ、双方にとって意義のある採用活動と言えます。しかし面接の時間は限られていますし、面接の場で緊張して自身の魅力を伝えきれない候補者がいることも事実です。採用されるためによく思われたい気持ちが強く、取り繕って本当のことをあえて話してくれない候補者もいます。そのため、適性検査やリファレンスチェックを活用する企業も多くあります。関連記事:リファレンスチェックとは?基本的な流れや質問内容について解説候補者自身が認識する性格や人間性と、第三者の認識とは異なる可能性が大いにあります。これらのツールやサービスも採用フローにうまく組み合わせることで、候補者の本質を見抜きやすくなるでしょう。良い人材へアプローチするために企業が押さえるべき5つのポイント最後に、採用活動をする上で企業が取り組むべきことを5つお伝えします。自社にとっての良い人材を定義するこれまで、どの業界や職種でも通用する良い人材の特徴について触れてきました。その上で大切なのは「自社にとって」良い人材とはどのような人なのかを定義することです。そのためには採用活動を始める前にまず、「なぜ今採用活動が必要なのか」をはっきりと理解しなければなりません。採用活動とは、企業が抱える問題を解決するための一つの手段に過ぎないからです。例えば、「人が足りないから」は出発地点としては間違っていませんが、根本の問題ではありません。「なぜ人が足りないのか」に向き合う必要があります。現状の人員配置を見直すことで解消されることもあれば、業務システムの導入で人件費より安価に解消されるかもしれません。採用活動が解決方法ではない可能性も、もちろんあるのです。問題を特定した上でその解決手段が「新しい人材を採用する」ということならば、そのときには自社にとっての良い人材の定義も明確になっているはずです。求める人物像を明確に言語化し、採用基準を作成していきましょう。関連記事:採用基準とは?最適な人材を見極めるための設計ポイントや注意点を紹介求める人物像がはっきりしていれば、人材募集の方法も、自社にとっての「良い人材」に届きやすいものを選ぶことができます。必ずしも大手の新卒採用サイトや、転職サイトに募集をかける必要はありません。セグメントを絞った転職エージェント会社を活用する方が効率が良いこともありますし、また、「現在の従業員に似ているような人材こそ良い人材だ」という判断であれば、リファラル採用を取り入れることも検討すべきでしょう。関連記事:リファラル採用とはどんな採用方法?リファラル採用の特徴を解説企業のビジョンや理念を明確に発信する会社のビジョンや理念は、スケールの大きな言葉になりがちです。そのビジョンや理念を実現するために具体的に今何をしているのか、企業側が明確に発信することが大切です。候補者はそれを知ることで、自己と企業と社会の繋がりを認識でき、それが「働く意義」となるからです。自社のホームページの人材募集用ページや、SNSを通じて日々の業務の様子を発信することも、有効な手段になり得ます。今の時代は、「自分の存在意義」や「働く意味」を求める人が多い傾向にあります。日々情報は更新され、生き方の選択肢が広がっていることが大きな理由の一つではないでしょうか。その中で企業が「存在意義」を強く、且つ具体的に発信することは、優秀な候補者を獲得するために欠かせない要素だと言えるでしょう。求める人物像と具体的な仕事内容を伝える募集要項では採用基準を基に、企業として求める人物像と、実際に取り組む業務内容を具体的に示し、候補者に伝えましょう。同業他社と差別化された募集要項であれば、「どこも似たような感じだけど、この会社は自分にピッタリと合いそうだ」と、「良い人材」の関心をひく事が出来るでしょう。また、経営陣や人事部門だけで条件面やキャリアプランを考えてそれをそのまま候補者に伝えてしまうと、現場の実情とずれが発生している可能性があります。その場合、入社直後に候補者が「聞いていた話と違う」「こんなはずではなかった」と感じてしまい、ミスマッチや早期離職の可能性が高くなります。採用担当者は、実際に現場で働く従業員と良い関係を築き、コミュニケーションを密に取ることが重要です。そうすることで、現場が求める人材の人物像や、将来の姿が明確になります。必要に応じて、現場の直属の上司や、近い立場になり得る人にも採用基準の作成や、面接に参加してもらいましょう。候補者とのコミュニケーションの機会を多く作る候補者に関心を持たれれば、企業側はその候補者が良い人材であるか見極めたいですし、候補者側は本当に働きたい職場であるかを見極めたいはずです。そのため、企業と候補者双方にとって判断材料を多く集めるにはコミュニケーションの機会を増やすことが有効です。企業としてできることは、さまざまな人が面接に参加することや、実際に足を運んでもらう機会を提供する、などです。カジュアル面談やミートアップを企画し、既存の従業員と直接話せる場を設けると良いでしょう。ただし、コミュニケーションの機会を作った際は、参加する既存の従業員に対し、事前に採用活動の目的や採用基準を共有し、共通認識化しておきましょう。シートなどを作成して見るべきポイントを共有しておくことで、より候補者が良い人材であるかの判断材料を集めやすくなるでしょう。候補者と企業の関係は「対等」であると認識する最後に、候補者と企業の関係性は「対等」であると認識することです。採用活動は企業が抱える問題を解決する手段の一つに過ぎないと触れましたが、言い方を変えると、「候補者は企業の問題を解決してくれる存在」です。候補者が良い人材かどうかを見定めるのは確かに大切ですが、それよりも「自社について候補者に伝える」ことの方が遥かに大切なのです。内定を出しても、承諾してもらえなければ元も子もないのですから。採用過程とは、候補者と企業の信頼関係を構築する期間だと言えます。「信頼関係は先出しじゃんけん」という言葉を耳にしますが、先に手の内を明かすことで相手も心を開いてくれるということは、採用活動にも当てはまります。自社が成長し続けていく上で、解決しなければならないと認識している課題があれば、それを候補者に伝えましょう。企業が抱えている課題感を聞いて、ネガティブに感じたのであればその候補者は去っていくでしょう。逆に、挑もうと考えて、採用後、既存の従業員と共にその問題を解決してくれる人が「良い人材」です。この記事を読んだ方が今一度自社の現状を見つめ、より良い採用活動に繋がる一助になれば幸いです。良い人材の見極めならback checkここまで良い人材を見極める方法として、面接前のメールのやり取りや面接中の質問の工夫などをお伝えしました。しかし、限られた面接の時間の中で候補者の人物像や実際の働きぶりを正確に把握することはなかなか難しいものです。候補者を客観的な視点で「良い人材かどうか」判断したい場合には、リファレンスチェックを採用フローに組み込むと良いでしょう。リファレンスチェックは候補者と一緒に働いたことのある第三者(主に前職の上司・同僚・人事部担当者など)に問い合わせ、人柄・性格・働きぶり・実績などを教えてもらう手法です。その他、履歴書・職務経歴書に記載されている内容が正しいか確かめる意味合いもあり、面接だけでは知り得ない候補者の情報を引き出すのに有効です。従来、リファレンスチェックは自社で電話やメールを用いて時間をかけて行うものでした。しかし、株式会社ROXXが提供するオンライン完結型のリファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」であれば、候補者の情報を登録したら後は待つだけでレポートが届きます。低コストで効率的にリファレンスチェックを実施し、採用ミスマッチを減らすことができます。自社にとって本当に良い人材かどうかを見極めて採用活動を成功させるためにも、ぜひback checkの導入をご検討ください