目次エンジニアの転職市場エンジニア採用市場では、企業のデジタル化加速やIT人材の不足を背景に、売り手市場の状況が続いています。ここでは最新の市場データから見るエンジニアの転職動向と、候補者が重視するポイントを解説します。エンジニア採用の現状を理解し、より効果的なカジュアル面談の実施を検討しましょう。エンジニアは売り手市場転職サービス大手のdodaの調査(※1)によると、IT・通信業界の転職求人倍率は、2025年1月時点で7.59倍と高水準を維持しています。2024年度の推移を見ると、最も高かった12月には8.33倍を記録し、最も低かった5月でも6.80倍と、常に高い水準を保っています。過去5年間の1月時点での比較を見ても、その上昇傾向は明らかです。■エンジニアの転職求人倍率の推移2025年1月:7.59倍2024年1月:7.73倍2023年1月:6.57倍2022年1月:5.64倍2021年1月:5.41倍2020年1月:4.41倍このように、エンジニアの需要は年々増加傾向にあり、企業間での人材獲得競争は一層激化しています。反対にエンジニアの候補者は企業を選べる立場にあり、エンジニアは転職者有利の「売り手市場」であるといえるでしょう。※1 参考:転職求人倍率レポート(2025年2月)|doda(参照日2025年3月27日)エンジニアが転職時に重視する項目TOP5エンジニアの転職活動において、どのような要素が重視されているのでしょうか。株式会社リブセンスの調査(※2)によると、以下の5項目が特に重要視されていることが明らかになっています。採用担当者は、これらの項目を意識してカジュアル面談に臨む必要があります。■エンジニアが転職時に重視する項目TOP5①給与・待遇②ワークスタイルの魅力③社員の人柄・雰囲気・文化④企業の規模・安定性・成長性⑤開発技術・開発環境一方、これらの重視項目は、年齢や経験年数によって異なる傾向があります。たとえば、給与・待遇は経験年数が増えるほど重視される一方、ワークスタイルは若手エンジニアの間で特に注目されています。採用担当者は、候補者の年齢層や経験に応じて、これらの項目の説明の重点を変えていく必要があるでしょう。※2 参考:ITエンジニアの働き方に関するアンケート調査|株式会社リブセンス(参照日2025年3月27日)エンジニア採用にカジュアル面談が求められる理由エンジニア採用においてカジュアル面談は、候補者の選考意欲を大きく左右する重要な機会です。LAPRASの調査(※3)では、カジュアル面談に参加したエンジニアの94%がその企業の選考に乗ることに「一定の意欲」を示す一方で、実際に「その会社の選考に乗りたい」と明確に考えている割合は、わずか6%にとどまっています。つまり、カジュアル面談の参加者の約9割がカジュアル面談の内容次第で選考に乗るか乗らないかを決めているということがいえます。さらに、エンジニアの多くは直属の上長(82%)や同僚(67%)との対話を望み、CTOと直接話したいというニーズもCEOを上回る傾向があります。面談で特に知りたい情報としては、以下が挙げられます。会社や事業の戦略・業績実際の職場の雰囲気採用後の具体的な業務内容開発体制や技術スタック、ツールの活用状況このように、エンジニアは会社をとりあえず受けるのではなく、職場を事前に吟味してから選考の申し込みをする傾向にあります。こういった背景があることから、会社の実態を見極めることができるカジュアル面談のニーズが高まっているのです。※3 参考:(2019)参加者の95%が転職意欲あり!?カジュアル面談に対する候補者のホントの気持ち【アンケート結果公開】 カジュアル面談に参加する候補者が何を望んでいるのか?|LAPRAS HR-Tech Lab(参照日2025年3月27日)転職希望のエンジニアが抱える不安と懸念事項エンジニアの転職市場が売り手市場となる一方で、エンジニアの転職者も実際転職活動を行うにあたり様々な不安を抱えています。採用担当者は候補者たちが抱える不安要素を理解し、カジュアル面談の場で適切に対応することが重要です。以下で転職希望のエンジニアがどのような悩みを抱えているのか、確認していきましょう。スキル・適性への不安エンジニアが転職時に最も強く感じる不安は、自身の技術力や適性に関するものです。特に年収600万円未満の層では、実務経験やスキルの不足に対する焦りが顕著に表れています。技術の進化が速いIT業界において、この不安は常に上位に挙げられる懸念事項となっています。具体的な不安の声としては、以下のような声が多く聞かれます。■スキル・適性への不安の声求人票に書かれている必須スキルの半分しか持っていない生成AIなど、最新技術への対応が追いついていない実務経験のない言語やフレームワークが必須要件になっている今までバックエンド専門だったが、フルスタックを求められそう自社開発のシステムしか経験がなく、汎用的なスキルが不足しているカジュアル面談では、必須スキルと歓迎スキルを明確に区別して説明し、入社後の技術研修やサポート体制を具体的に示すことが重要です。また、現場エンジニアとの対話の機会を設けることで、より実践的な技術要件の理解を促すことができるでしょう。職場環境とのミスマッチ懸念転職後の職場環境に対する不安は、エンジニアの間で特に強い傾向にあります。これは、開発手法や技術選定、コミュニケーションスタイルなど、企業によって大きく異なる職場環境がエンジニアの生産性やモチベーションに直接影響を与えるためです。特に、コロナ禍以降の働き方の多様化により、この懸念はさらに複雑化しています。エンジニアたちが抱える職場環境に関する具体的な懸念事項を以下にまとめました。■職場環境に関する懸念事項残業が多いと聞くIT企業が多いが、実態はどうなのかリモートワークと出社のバランスが自分に合うのか今までの開発スタイルが通用するのかコミュニケーション方法や決定プロセスの違いに適応できるか新しいチームに馴染めるだろうかこれらの不安を解消するには、実際の開発現場の様子や働き方の実態を数値やエピソードを交えて具体的に説明することが効果的です。可能であれば、入社した際に一緒に仕事をすることになる社員と直接話す機会を設けることで、チームの雰囲気や開発スタイルをより実感してもらうことができます。キャリア展望の不透明さエンジニアの業界は技術の急速な進化により、多様なキャリアパスの選択肢があるのが特長です。特に、専門性の方向性や、将来的な市場価値の維持に関する懸念が強く見られ、転職後のキャリア形成に対する不透明感が大きな課題となっています。キャリアに関する不安については、以下のような声が多く聞かれます。この技術領域を深めることが、将来的にも正しい選択なのか専門性を極めることと、幅広い技術の習得のバランスをどうとるべきか技術力を活かしながら、収入を上げていけるのかマネジメント職へのシフトは避けられないのかスペシャリストとして長期的なキャリアを築けるかカジュアル面談では、社内の様々なキャリアパスの具体例や、技術力と待遇が連動する評価制度について説明することを意識しましょう。また、技術投資の方針や新しい技術へのチャレンジ機会を具体的に示すことで、候補者が望むキャリア形成が可能であることを伝えることもポイントです。年代別の不安要素エンジニアの不安や懸念は、経験年数やライフステージによって異なる特徴を持ちます。それぞれの年代特有の課題を理解し、適切なサポートを提示することが、採用担当者には求められています。年代別の不安要素として代表的なものを以下にまとめました。■20代の不安要素実務経験の少なさをどう補えばいいのか自分の市場価値がわからないどの技術分野を重点的に学ぶべきか■30代の不安要素現在の年収よりも良い条件か結婚や育児と両立できる働き方は可能か部門やプロジェクトを横断する経験を積めるか■40代の不安要素若手の多い職場に馴染めるかこれまでの経験を活かせる場はあるか新しい技術にキャッチアップしていけるかカジュアル面談では、各年代の特性に応じた具体的なサポート体制や活躍事例を共有することが重要です。面談に社員を同席させる場合は、候補者と同年代の社員を起用することで、より有意義な対話の機会を提供することができるでしょう。関連記事:エンジニア採用が難しい5つの理由と、採用成功のコツ7選エンジニア採用のカジュアル面談の基本的な進め方カジュアル面談はエンジニアと企業の相互理解を深める重要な機会です。事前の準備から当日の進行、フォローアップまで、計画的に進めることで、より効果的な面談が実現できます。ここでは、エンジニア採用に特化したカジュアル面談の具体的な進め方を解説します。事前準備カジュアル面談を採用実績につなげるためには、スムーズな面談運営と候補者との有意義な対話が欠かせません。そのために必要になるのが入念な事前準備です。以下のチェックリストを活用し、面談前の準備をしっかり行うようにしましょう。候補者の経歴・スキルの確認☑職務経歴書や履歴書の詳細確認☑技術スタック☑チーム内での役割説明資料の準備☑開発環境や技術スタックの概要☑プロジェクト事例の具体的な資料☑組織体制や評価制度の説明資料参加メンバーとの事前調整☑現場エンジニアとの日程調整☑説明内容の分担決定☑想定質問への回答準備面談の成功は準備の質に大きく左右されます。特に、候補者の背景や技術スキルを丁寧に確認し、それに合わせた説明内容を用意することが重要です。また、オンライン面談の場合は通信環境のテストなど、基本的な準備も忘れずに行いましょう。現場エンジニアとの事前すり合わせも、スムーズな面談進行のカギとなります。面談の流れ カジュアル面談は、一般的に60分程度で行われます。候補者との効果的なコミュニケーションを実現するために、以下のような時間配分で進行することをお勧めします。各段階で明確な目的を持ち、柔軟に対応しながら進めていくことが重要です。■カジュアル面談のタイムスケジュール例タイムスケジュール内容担当目的・ポイント5分アイスブレイク採用担当者緊張をほぐし、リラックスした雰囲気を作る15分会社説明採用担当者企業理念、事業内容、開発体制の説明15分現場エンジニアとの対話現場エンジニア技術的な質問、実際の開発環境の説明20分質疑応答全員候補者からの質問に回答、双方向の対話5分次のステップの説明採用担当者今後の流れや次回の予定を確認■アイスブレイク(5分)候補者の緊張を和らげるために、まずは最近の関心事や技術トレンドなど、軽い話題から始めます。ここでリラックスした雰囲気を作ると、以降の会話もスムーズに進めやすくなります。短時間で候補者の興味や視点を知ることができ、相互理解のきっかけとなります。■会社説明(15分)エンジニアが知りたい情報を中心に、開発組織や技術スタックについて説明します。特に「なぜその技術選定をしているのか」といった背景を示すと、候補者の理解が深まりやすくなります。現場の取り組みや開発文化を具体的に伝えることで、企業の魅力をリアルに感じてもらうことができるでしょう。■現場エンジニアとの対話(15分)実際の開発プロセスやプロジェクト事例を、現場のエンジニアから直接語ってもらいます。日々の課題や工夫を聞くことで、候補者の技術的好奇心を刺激し、具体的な働き方をイメージしやすくなります。会社説明とは異なる生の声を聞くことで、よりリアルな現場感を伝えられる点がメリットです。■質疑応答(20分)候補者が抱える疑問や不安を丁寧に解消し、納得感を高めるフェーズです。双方が腹を割って話すことで、応募へのモチベーションや企業側の評価精度が向上します。技術面だけでなく、キャリアや働き方など多角的な観点に答えることで、エンジニアとしての将来像を描きやすくなります。■次のステップの説明(5分)面談の内容を踏まえ、候補者と企業双方が次の選考へスムーズに進めるよう情報を整理します。手応えの有無や今後のスケジュールを共有することで、候補者の不明点や不安要素を解消できます。候補者が「次もぜひ参加したい」と思えるような締めくくりを心掛けることが大切です。フィードバックとフォローアップカジュアル面談後のフォローアップは、候補者との良好な関係構築と採用プロセスの改善において重要な役割を果たします。特にエンジニア採用では、技術的な質問への回答や追加資料の提供など、きめ細かな対応が求められます。計画的なフォローアップを行い、候補者の次のアクションにつなげましょう。面談後のフォローアップは迅速さと丁寧さの両立が重要です。特に、技術的な追加質問への回答は、現場エンジニアと連携して正確な情報を提供するようにしましょう。また、面談での気づきを社内で共有し、継続的な採用プロセスの改善につなげることで、より効果的なカジュアル面談の実現が可能になります。関連記事:【面接官として押さえておきたい】面接する側のポイントや心得を事前準備から面接後まで徹底解説エンジニア採用のカジュアル面談で伝えるべき6つの重要項目エンジニアのカジュアル面談では、企業の基本情報に加えて技術的な詳細や具体的な職場環境について説明することが重要です。特に、エンジニアが重視する要素を中心に、明確で具体的な情報提供を心がけましょう。企業のビジョンとミッションエンジニアは単なる技術的な仕事だけでなく、その技術が何のために使われ、どのような価値を生み出すのかに強い関心を持っています。企業のビジョンとミッションを伝えるとともに、実際に業務や社内制度にどう反映されているかを示すことで、候補者に納得感を与えることができるでしょう。以下のような具体例を交えて説明すると効果的です。私たちは2025年までにAI技術を活用した○○サービスを展開し、△△の課題解決を目指しています。現在、週間アクティブユーザー100万人のサービスを、3年後には500万人規模に成長させる計画があります。エンジニアには、既存システムの改善だけでなく、新規プロダクトの企画段階からの参画機会があります。四半期ごとに全社員が参加する事業戦略会議があり、エンジニアの視点からの提案も積極的に取り入れています。企業理念をもとに、技術投資の方針や、エンジニアの意見が経営に反映される仕組みなども、可能な範囲で説明しましょう。企業理念はどうしても抽象的なものになりがちなので、具体的な取り組みとセットで伝えることが重要です。チームや社内カルチャーの特徴エンジニアにとって日々協働するチームの雰囲気や文化は、パフォーマンスやモチベーションに直結する重要な要素です。特に、技術的な意思決定の方法や、コミュニケーションスタイルは、働きやすさを判断する大きな基準となります。チームや社内カルチャーを伝える場合は、以下のポイントを中心に説明すると効果的です。チーム構成と役割分担日常的なコミュニケーション方法・頻度技術的な意思決定プロセスエンジニア同士の情報共有の仕組み新しいアイデアや提案の受け入れ体制チームの雰囲気は言葉で伝えるのが難しい面もあります。可能であれば実際のチームメンバーとの対話の機会を設けたり、普段の開発風景を見せたりすることで、より具体的なイメージを持ってもらいましょう。開発環境・技術スタックの概要実際に使用する技術やツールは、エンジニアにとってスキルアップや業務効率に直結する重要な関心事です。最新技術へのキャッチアップや技術選定の自由度については、詳しく説明することが求められます。技術関連の説明をする際は以下のポイントを押さえるようにしましょう。主要な開発言語とフレームワークインフラ環境の構成開発支援ツールの種類技術選定や更新の方針開発環境の説明は具体的なバージョンや構成図を示しながら行い、技術選定の理由や今後のアップデート予定なども併せて説明することで、より深い理解を促すことができます。実際の業務内容とプロジェクト事例エンジニアは具体的な開発内容や、自身が携わるプロジェクトの規模・影響範囲に強い関心を持っています。特に、技術的なチャレンジの機会や、自身の経験が活かせる領域について、詳しい説明を求める傾向があります。自社の業務内容を伝えるための具体例を以下にまとめました。開発・運用プロジェクトの種類と規模チーム内での役割分担と裁量範囲技術的課題への取り組み方スケジュール管理と進行方法他部署や顧客との協業体制プロジェクトの成果指標一方的な成功事例の紹介だけでなく、実際の課題や失敗、それをどのように乗り越えたかなども含めて説明することで、より現実的な理解を促すことができます。キャリアパスと評価制度技術力の向上と、それに伴う処遇の変化は多くのエンジニアが注目する項目です。特に、専門性を活かしたキャリアパスや、スキルアップの機会について、具体的な説明を期待しています。キャリアパスと評価制度を説明するポイントは以下の通りです。技術職としてのキャリアステップ評価制度と昇給・昇格の基準資格取得や研修制度マネジメント職への転換機会社内公募制度や配置転換評価制度は透明性を重視し、具体的な事例やロールモデルを示しながら説明することで、キャリアパスのイメージを持ちやすくなります。現場社員との対話の中で、どのように社内でキャリアを築いていったかの体験談を話してもらうのも有効です。働き方・制度エンジニアの働き方は生産性や創造性に大きく影響します。リモートワークを中心とした柔軟な勤務体制や、スキルアップのための制度については、若手のエンジニアを中心に大きな関心を集めています。働き方や制度の紹介で候補者が気になる点をピックアップしました。リモートワークの可否と頻度勤務時間の柔軟性開発環境の整備状況技術研修・勉強会の機会副業・兼業の方針制度の説明だけでなく、実際の利用状況や、エンジニアの声なども交えて説明することで、より実践的な理解を促すことができます。エンジニアのカジュアル面談でよくある逆質問カジュアル面談では、企業側が説明するだけではなく候補者からの質問にも真摯に応じる必要があります。特に、技術面でのこだわりや、キャリアに関する具体的な懸念について、丁寧に回答することが重要です。こちらでエンジニアのカジュアル面談で候補者からよく受けることのある質問と、その回答のポイントを解説します。プロジェクトで使用する言語やツールエンジニアは自身のスキルと企業の技術スタックの相性を重視する傾向にあります。この質問の背景には、「今の技術力を活かせるか」「市場価値の高いスキルが習得できるか」という2つの重要な関心があります。面談ではまず、開発言語やフレームワークについて、具体的なバージョンと採用理由を説明しましょう。次に、技術スタックの更新プロセスについて、「四半期ごとの技術選定会議」「エンジニアからの提案制度」など、具体的な仕組みを示します。特に重要なのは、個々のエンジニアが技術選定に関与できる範囲を明確に伝えることです。「プロジェクト規模に応じて、担当エンジニアに技術選定の裁量があります」「毎月のPoCデーで新技術の検証機会があります」など、具体例を交えた説明が効果的です。具体的な仕事内容とプロジェクト規模プロジェクトの規模感は、候補者が自身の経験を活かせるか、今後のキャリアにとって有益な経験が得られるかを判断する重要な材料となります。この質問への回答では、まず代表的なプロジェクトについて、「チーム構成」「開発期間」「予算規模」「ユーザー数」といった具体的な数値を示すことが重要です。また、プロジェクトの進め方について、「アジャイル開発を採用し、2週間のスプリントで開発を進めています」「週次でステークホルダーとの進捗会議があります」など、具体的な業務フローも説明しましょう。エンジニアの裁量範囲については、「要件定義からの参画機会」「技術選定の自由度」「リリース判断の権限」など、具体例を示すことがポイントです。さらに、「他部署とのコミュニケーション方法」「クライアントとの直接のやり取りの有無」など、プロジェクトに関わる人々との関係性についても触れることで、より実践的な理解を促すことができます。チーム体制やメンバー構成チーム体制に関する質問の背景には、「技術的な成長機会があるか」「働きやすい環境か」という2つの重要な関心があります。経験豊富なエンジニアほど、チーム全体の技術力と意思決定の仕組みに注目する傾向があります。回答では、まずチームの基本構成について「エンジニア8名、デザイナー2名、プロジェクトマネージャー1名」のように具体的な数字を示します。次に、チーム運営の特徴として「週次の技術共有会」「ペアプログラミングの実施」「定期的なハッカソン開催」など、技術力向上の機会を説明します。また、意思決定プロセスについては「アーキテクチャの選定はチーム全体で議論」「改善提案はSlackで随時受付」など、具体的な仕組みを示すことが効果的です。リモートワークの対応コロナ禍以降、リモートワークの充実度は多くのエンジニアにとって重要な判断材料となっています。この質問では、「効率的な開発環境」と「充実したコミュニケーション」の両立について、具体的な説明が求められます。回答のポイントは、まずリモートワークの基本方針を「週3日までリモート可能」「コアタイムは13〜16時」など、明確な数値で示すことです。開発環境については「クラウドベースのIDE活用」「セキュアなVPN環境」「必要な機材の貸与制度」など、具体的な整備状況を説明します。また、ハイブリッドワークの実態を伝えることも重要です。「チーム会議は月曜午前に対面」「スプリントレビューは全員出社」など、オフィスワークとの組み合わせ方針を具体的に説明することで、より実践的なイメージを持ってもらえます。評価制度と昇給制度キャリアと処遇に関する質問の背景には、「技術力の向上が正当に評価されるか」「キャリアの将来性はあるか」という2つの重要な関心があります。特に優秀なエンジニアほど、明確な評価基準と成長機会を重視する傾向があります。回答では、評価の全体像について「四半期ごとの目標設定と評価」「技術スキルと成果物の両面評価」など、基本的な仕組みを説明します。技術力の評価については「言語別のスキルマトリクス」「コードレビューの品質」「技術ブログの執筆」など、具体的な評価指標を示すことが効果的です。また、昇給・昇格の条件は「年2回の昇給機会」「スキルレベルに応じた報酬レンジ」など、できるだけ明確な基準を示しましょう。場合によってはキャリアパスについての説明も必要です。技術専門職として「スペシャリスト」を極める道と、チームマネジメントを担う「エンジニアリングマネージャー」への道など、具体的なキャリアの選択肢を示すことで、長期的な展望を持ってもらえます。入社後のオンボーディングやフォロー体制入社後の受け入れ態勢に関する質問には、「技術面でのキャッチアップ」と「チームへの円滑な参加」という2つの不安が隠れています。使用したことのない技術スタックに適応できるか、新しいチームにうまく馴染めるかなどの候補者の不安を解消する必要があります。こういった質問に対しては、具体的なオンボーディング計画を示すことが重要です。たとえば「最初の1ヶ月は技術研修」「2ヶ月目から小規模な改修案件を担当」「3ヶ月目で独立したタスクを担当」など、入社後の成長プロセスを細かく説明します。技術面では「メンターによるコードレビュー」「週次の1on1ミーティング」「社内の技術文書へのアクセス権」など、具体的なサポート体制があればそれも示しましょう。また、チームへ馴染むための施策として「ウェルカムランチの実施」「チーム内での自己紹介会」「プロジェクト概要の共有会」など、コミュニケーションを促進する具体的な取り組みについても説明することで、より安心感を持ってもらえるでしょう。関連記事:オンボーディングとは?実施するメリットや導入時のポイントを解説エンジニア採用の精度を高めるならback checkエンジニアのカジュアル面談は、技術力や適性を見極める重要な機会です。エンジニアを採用するにあたっては、入社後に技術力を発揮し、チーム開発でいかに貢献してくれるかが重要となります。しかし、限られた時間の中で、実際の業務遂行能力やチームでの働き、コミュニケーション能力などを正確に把握することは困難です。そこで、技術力やそれぞれの適性を見極めるために、面談だけでなく、リファレンスチェックを組み合わせることで、より多角的な評価が可能になります。株式会社ROXXでは、企業の採用活動を支援するオンライン型のリファレンスチェックサービス「back check(バックチェック)」を提供しています。back checkは、候補者の過去の実務経験や技術力について、元上司や同僚から客観的な評価を得ることができます。特にエンジニア採用において、技術力の客観的な評価はもちろん、チーム開発での実績確認や、プロジェクトでの具体的な貢献度についても把握することは重要です。エンジニア採用の成功率を高めるために、カジュアル面談とback checkを組み合わせた採用プロセスの構築をぜひご検討ください。