目次社員の定着率とは社員の定着率とは、ある特定の期間において組織に留まる社員の割合を示します。通常、新入社員の採用後の一定期間にまだその企業で働いている社員の割合を計算して求められます。例えば、3年前に100名が入社し、うち20名が退職した場合の定着率は、80%です。計算式としては、以下のようになります。定着率=(N年前の入社人数 - N年間の退職人数)÷ N年前の入社人数定着率が高いことは、多くの社員が組織に留まって働いているということを示し、一般的には良好な労働環境や満足度、適切な人材管理が行われていることを意味しています。なお、2022年の日本全体における定着率は85.0%となっています。業界によっても定着率は異なりますが、上記の水準よりも定着率が低い場合は、原因の分析と改善を行っても良いかもしれません。参考:令和4年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省定着率と離職率の違い離職率は、一定期間内に組織を去る社員の割合を示し、離職率が高い場合は多くの社員が職を辞していることを意味します。離職率は、特定の期間内に退職した社員の数を、期間の始まりにおける社員総数で割って算出できます。計算式としては、以下のようになります。離職率=N年間の退職人数 ÷ N年前の入社人数高い離職率は、職場の環境が社員の期待に応えていない、または他の問題があることを示唆しており、組織にとって潜在的な問題があることを示しています。定着率と離職率は足すと100%になるため、定着率・離職率のどちらかを算出できれば、もう片方の指標も簡単に算出できます。定着率も離職率も、職場の健全性や社員の満足度などのバロメーターとなります。これらの指標をチェックし、必要に応じて人事戦略を調整することは、組織の成功と持続可能な成長に不可欠です。関連記事:離職率を下げるためには?社員の離職を防止するためのポイントと対策定着率を上げるメリット社員の定着率を上げることは、企業にとって多くの利益をもたらします。例えば、以下のようなメリットが挙げられます。採用コストの削減教育コストの削減生産性の向上社員のモチベーションの向上企業の評判の向上定着率が低くなってしまう原因社員の定着率が低くなってしまう原因を解説します。競合他社に比べ、労働条件や職場環境が良くない競合他社に比べて労働条件や職場環境が良くない場合、社員はより魅力的な条件・環境で働ける競合他社への転職を検討する可能性が高くなります。給与、福利厚生、職場の安全性、作業環境などが業界の平均を下回る場合、離職率が上がってしまうかもしれません。各社員のスキルやキャリアプランに合った業務を与えられていない各社員のスキルや興味に合致しない業務を任せて続けていると、社員のモチベーションが低下し、離職につながることがあります。一人ひとりの能力やキャリア目標を理解し、それに合った責任と業務を割り当てることが重要です。情報共有が適切にできていない組織内のコミュニケーションが不十分で情報共有が適切に行われていない場合、社員は自分が会社のビジョンや目標にどのように貢献しているのかを理解できず、孤立感を感じることがあります。透明性のあるコミュニケーションを確保し、全社員が重要な情報にアクセスできるようにすることが必要です。マネジメントやケアができていないマネジメントの質が低かったり、社員へのケアが不十分だったりすると、社員は「評価されていない」と感じる可能性があります。リーダーシップの向上と社員への適切なサポートと認識が、定着率を向上させる鍵となります。自社に適した人材か見極められていない採用プロセスで候補者の適性を正確に評価できていない場合、自社に合っていない社員を採用してしまい、早期離職が発生するリスクがあります。採用時に徹底した評価を行い、組織の文化や価値観に合うかどうかを見極めることが、定着率の向上につながります。定着率を上げるためのポイント社員の定着率を上げるためのポイントを解説します。労働条件の見直し労働条件を見直し、業界標準に適合するか、または標準を超える水準を保つことは、社員が他の選択肢を模索することなく長期間にわたって勤務する動機付けになります。人事評価制度の見直し公正で透明性のある人事評価制度は、社員に「自身の努力が正当に評価されている」と感じてもらうためにも重要です。目標設定からフィードバックまで、一貫性と公平性を持たせ、社員のモチベーションと職場への満足感を高めることで社員の定着率の向上につながるでしょう。職場環境の改善職場環境の改善は、計画的かつ継続的に行うべきです。職場の物理的な環境だけでなく、チームの協力関係やコミュニケーションの質も定期的に見直し、改善していくことが重要です。職場環境が良くなれば、定着率の向上が期待できるでしょう。社員の満足度アンケート定期的に社員の満足度を測定するアンケートを実施し、そのフィードバックを元に改善策を講じましょう。社員が不満に思っている部分を改善することで、定着率の向上が期待できます。また、社員が「自らの声が聞かれ、尊重されている」と感じることができれば、職場への帰属意識と忠誠心が高まるというメリットもあります。【お役立ち資料】社員が辞めない職場はどう作る?エンゲージメント向上の実践ガイド採用のミスマッチを防ぐ採用のミスマッチは、早期離職の大きな原因となります。自社に合わない人材の入社が続くと、早期離職が起きるだけでなく、トラブルが起きる可能性も増えて、社員の定着率は低下してしまいます。候補者と職務内容、企業文化の適合性を正確に評価することが重要です。【お役立ち資料】採用ミスマッチはなぜ起こる? よくある原因と実践したい基本対策とは採用ミスマッチを防ぐための施策ミスマッチを防ぎ、社員の定着率を向上させるための採用施策を紹介します。ダイレクトリクルーティングダイレクトリクルーティングは、企業が「ぜひ採用したい」と思う候補者に直接アプローチする方法です。このアプローチにより、企業は具体的なニーズに最も合致したスキルや経験を持つ候補者を特定しやすくなります。また、候補者と直接コミュニケーションを取ることで、企業文化や仕事の内容について正確な情報を提供でき、相互の期待が一致する確率が高まり、入社後のミスマッチが減少し、定着率が向上します。リファラル採用リファラル採用は、社員に知人・友人を紹介してもらう採用手法です。リファラル採用は、推薦された候補者が組織の文化に早期から適応しやすい傾向にあり、定着率の向上に有効です。社員が自らのネットワークから候補者を推薦することで、信頼性の高い情報に基づき採用が進められ、入社後の満足度が高くなります。関連記事:リファラル採用とはどんな採用方法?リファラル採用の特徴を解説リファレンスチェックリファレンスチェックは、候補者と一緒に働いたことがある上司・同僚から、候補者の働きぶりや人柄について客観的な評価を得る採用プロセスのことです。面接では分からない候補者の姿を知ることで、候補者の適性をより正確に判断できます。また、リファレンスチェックでは「どのような環境でストレスを感じやすいか」「どのような場面で成果を出しやすいか」といった情報も得ることができ、候補者の早期活躍支援にも役立ちます。リファレンスチェックは採用のミスマッチを減らし、社員の定着率を上げるのに重要な役割を果たしてくれるでしょう。関連記事:【企業向け】リファレンスチェックとは?リファレンスチェックのやり方と内容を解説 back check(バックチェック)でミスマッチを減らそう定着率を上げる方法はさまざまありますが、まずは採用のミスマッチを防ぐことが重要です。ミスマッチを防ぐには、リファレンスチェックを実施し、候補者の情報を多面的に把握するのがおすすめです。株式会社ROXXではオンライン完結型のリファレンスチェック・コンプライアンスチェックサービス「back check(バックチェック)」を提供しています。上述のリファレンスチェックに加えて、公的公開情報・WEB情報・個別調査によって、候補者申告に虚偽の情報がないか、コンプライアンスリスクがないか等を確認するコンプライアンスチェックも同時に実施できます。企業のご担当者様、ぜひback checkの導入をご検討ください。