“良い人”を採用することで、余計なストレスを感じない職場に──プロレド・パートナーズは、社員がパフォーマンスを最大限発揮できるような環境づくりに力を入れているとお聞きしました。採用において大事にしていることは何でしょうか。中西:“良い人”を採用することです。仕事を進めていくにあたって、納期などの外部から受ける“良いストレス”がある一方で、組織に所属していると余計なストレスを感じることもありますよね。例えば、定量目標の未達に対する高圧的なコミュニケーションや社内政治など。当社が考える“良い人”とは、顧客へはもちろん、一緒に働く仲間に対しても常に思いやりを持ち、個を尊重できる人を指しています。そういった人たちを採用することで、目標の未達に対しても不必要に責めることなどなく、余計なストレスを感じることのない職場環境が実現できています。当社にもさまざまな人がいますが、「思いやりがある」というところは全員共通している気がします。実際、入社した人たちに聞いてみても「入社前にイメージしていた通りで、本当に“良い人”が多いです」と答えてくれます。これは当社にとって大きな強みだと思いますし、自然とこの環境に共感してくださる人が集まってくるので、思いやりのある“良い人”が採用できる循環になっているのだと思います。──社員の働き方に関してはどのような特徴があるのでしょうか。中西:自由、自律と責任を重要視しており、働き方のフレキシビリティをどんどん高めていっています。当社は週休3日制を謳っているわけではありませんが、独自のスーパーフレックス制度を導入しており、個人の働き方次第で週休3日にすることも可能です。具体的には「月曜日から木曜日までに1日10時間、計40時間働いたので金曜日は休みにします」ということもできる仕組みになっています。フレックス制度に限らず、自由、自律と責任という世界観の中で人事制度を構築しており、「制度は用意したので、あとは個人の自由と責任のもと、どうぞご自由に活用してください」という雰囲気にしています。“寄り添う”をコーポレートバリューに掲げるワケ──コーポレートバリューとして「COMPASSION」を掲げていますが、なぜ「COMPASSION」を重要視しているのでしょうか。中西:当社の代表である佐谷が昔から意識していた価値観です。社会や人への思いやり、優しさ、多様性を受け入れること、相手の立場で考えることなど、社会活動する上で人として根源的に存在しつつも成熟した人が、より成長させるべき行動規範だと佐谷は考えています。損得勘定のない関係においても意識してほしい価値観だととらえており、仕事だけではなくプライベートにおいても身につけてほしい。もともと佐谷は経営コンサルタントとしてキャリアを積んできたのですが、とあるタイミングで従来のコンサルティングのあり方に疑問を感じるようになったそうです。本来のコンサルティングは、顧客の課題解決を目的に知恵や労力を提供するものですが、実態としては異なる部分で報酬をいただいてしまっている。「こうすれば良いのではないですか」という提案はするけれど、実行に移すのは顧客。仮にその戦略が上手くいかなかったとしてもその責任は顧客が負い、コンサルタントはあくまで提案しただけということも多くあります。そういったコンサルタントが本当に顧客の課題を解決できるのだろうか、という疑問から佐谷は2009年12月にプロレド・パートナーズを立ち上げました。創業時から意識しているのは「価値=対価」ということ。顧客に対してきちんと価値を提供していくために、コンサルティング業界では珍しい「完全成果報酬型」を取り入れています。「価値=対価」という世界を実現していくにあたって、大事になるのは顧客に寄り添い、きちんと価値を提供するということ。そして社員が顧客に寄り添って仕事をしていくには、企業が社員の人生に寄り添う必要がある。企業にとっては顧客も社員も重要なステークホルダーです。顧客に寄り添い、社員にも寄り添う、それが企業としてあるべき姿勢だと考えています。社員も、企業から寄り添われて価値提供をされていると感じるからこそ、顧客にも自然と心から寄り添うことができるようになるのではないでしょうか。企業・顧客・社員の三者の関係性を、寄り添いの写し鏡のようにしていきたいです。──コーポレートバリューとして、明文化されたのはいつ頃でしょうか。中西:組織規模が50人くらいになった頃だと思います。社員も増えてきたタイミングで、改めてコーポレートバリューをリニューアルすることになりました。社員に「プロレド・パートナーズらしさは何か」と聞いたときに、ほとんどの人が口にした言葉が「COMPASSION」だったため、コーポレートバリューとして明文化することになりました。個人的にも「COMPASSION」は、コンサルティング業界において意外性のある言葉だなと思います。私もこれまでさまざまな企業で働いてきましたが、人や組織への向き合い方で多くの企業が大事にしているのは「個人を尊重」「信頼が大切」「ダイバーシティを大事にする」「チームワークを大切にしよう」といった考えでした。「COMPASSION」は日本語に訳すと「寄り添う」「共にする」という意味になるのですが、ビジネスの世界において「寄り添う」「共にする」を掲げている企業は多くありません。そういう意味では「COMPASSION」がプロレド・パートナーズらしさを象徴する言葉になっていると思いますし、それがビジネスの現場において差別化要因にもなっていると思います。──コンサルティング業界に対する一般的なイメージは、どちらかと言えば“サバサバしている”が強く、あまり“寄り添う”というイメージはありません。中西:そうですよね。だからこそ、「COMPASSION」という価値観がコンサルティングビジネスを展開する上での当社の大きな強みになっていると感じます。提案だけで終わるのではなく、顧客に寄り添って実行部分にも責任を持つ。ここを徹底できている企業は多くないはずです。「プロレド・パートナーズはコンサルティング業界のどの企業よりも顧客志向が高いですね」と仰っていただけることを目指しています。当社のホームページでも顧客の声を多数掲載していますが、お客様からサービスへコメントをいただけるということは有難い限りです。また、顧客が最重要であるという考え方はコンサルティング業界だけでなく、どの業界にも通じるところがあるのではないでしょうか。“寄り添う”ことを大事にしている企業は、社員が働く場所としても良いのではないかと考えています。ここ数年で働き方は大きく変わり、ウェルビーイングやワーケーション、少し前であればワークライフバランスなどが重要視されるようになりました。ただ仕事をしていれば良い時代から、仕事以外の時間も充実させていくような時代になってきている。人生という大きな括りの中での仕事のあり方を考えていったときに、どういう環境でどう仕事に向き合って働くかは、今後より重要性が増していくはずです。──社員に求めていることはありますか。中西:しつこいようですが、「COMPASSION」を大事にした姿勢で仕事に向き合うことを社員には求めています。社員は顧客に対しても「COMPASSION」を持ち、当社は社員に対して「COMPASSION」を持つ。これが当社の思想です。相手に対してあるべき姿を社員へも体現して示していくことは、経営や人事としても大事なことだと考えています。そして何より大事にしてほしいことは、上司、部下、同僚などの関係性を問わず、一緒に働く仲間に対する「COMPASSION」を持つことです。仲間に対して「COMPASSION」を持てないと、顧客に対しても本当の意味で寄り添うことはできないと思います。企業カルチャーは外部へも伝わるものですし、取引関係にも必ず影響してきます。「COMPASSION」はこれからもずっと大事にしていきたい独自の文化ですし、維持し続けられる場所でありたいと思っています。定量的なデータを収集するのに、リファレンスチェックは欠かせない──“良い人”を採用するにあたって、リファレンスチェックの役割をどのようにお考えですか。中西:もともと最終面接は、代表の佐谷がすべて行っていました。少しずつ減らしているものの、今も少なくとも半分くらいの最終面接は佐谷が実施しています。ただ、彼だけが最終面接を担当していると、どうしても属人的になってしまう部分がある。人に依存し続けると規模を大きくしていく過程で歪みが生じるので、何とか仕組み化したいと考えていました。特に「COMPASSION」を持っているかどうかは、面接時に本人に伺うよりも、その人と過去一緒に働いた人たちに聞くのが一番的確です。転職する回数が増えつつある時代だからこそ、前々職、前職のネットワークを活用することで、候補者がどんな働き方をしていたかを知ることもできます。過去の働き方をもとに候補者の価値観を知るために、back checkのようなリファレンスチェックサービスは非常に効果的だと思っています。また、当社のような100〜200人くらいの組織規模では、たった1人だけでもリスクのある人材が入ってしまうと、何かしらの問題が起きてしまった際に経営ダメージにつながる可能性が高まります。問題が明るみになり企業イメージが低下することで、事業運営に支障が生じ、業績悪化につながってしまう。こういったリスク発生の確率を下げるため、問題の発生を事前に防ぐという意味でも、コンプライアンスチェックも実施できるback checkは非常に良いツールだと思っています。──具体的にはback checkをどのように活用していますか。中西:面接結果がポジティブな場合はback checkのレポートでダブルチェックし、何も引っかかる部分がなければそのまま進めていきます。ただ、少しでも違和感を覚える部分があった場合はレポートをきちんと見るようにしています。違和感を抱えた状態のまま「多分大丈夫だろう」と思って進めてしまうと、結局後悔することになってしまうんです。その違和感もback check導入前は個人の感覚値になっており、それだけでお断りするのは難しかった。ですが、back checkを導入したことにより、定量的なデータとして把握できるようになりました。違和感を覚えた候補者の選考を進めるべきか、きちんとデータをもとに議論できるようになったのは、当社の価値観に適した人かがどうかを見極めるのに効果的だと感じています。back checkの質問項目は、従来の設定からあまり変えず、文言を当社らしい表現に変えているくらいです。いくつか質問項目がある中で、より意識的に見ているのは「(候補者と)また一緒に働きたいですか?」という項目。その回答の中に「COMPASSION」を感じられるエピソードが入っていますし、面接の場だけでは知れない情報も知ることができるので重宝しています。──最後に、採用以外のリファレンスチェックの活用方法についてお聞きします。リファレンスチェックは、入社後のオンボーディングにも役立つと思いますか。中西:入社後のオンボーディングにもリファレンスチェックは有効だと思います。この人はどういう価値観なのか、どういった部分でストレスを感じやすいのか、何が苦手なのかを入社前に把握できることで、受け入れ側もより気遣いができると思います。人事はよく定性データを取得するのですが、定量データはなかなか取得してきませんでした。昨今は定量データを取得できるツールとしてHRTechサービスが盛んになっていますが、HRTechサービスを使えばすべてが分かるわけではありません。健康診断でも血液検査などだけでなく、必ず診察があるように、定性的に見る部分も必要になります。なので、リファレンスチェックを導入すればすべてが上手くいくというわけではありませんが、定量的なデータを取得し、そこから適切な判断を下していくためには欠かせないと思います。あと、日本は海外と違ってレイオフが一般的ではないので、入口の段階で自社に適した人を採用することが重要です。根本的な価値観がズレている人を採用することを防ぐために、リファレンスチェックの重要性は今後高まっていくはずです。最後までご覧いただき、ありがとうございました!コンプライアンスチェック・リファレンスチェックサービスの「back check」は、Web上に候補者の情報を登録するだけで、面接では見抜くことが難しい情報を取得することが可能です。コンプライアンスチェック・リファレンスチェックの実施経験がないご担当者様や、利用方法・運用に不安をお持ちのご担当者様でも、簡単な操作ですぐに利用することができます。ぜひこの機会に「back check」の導入をご検討ください。